奥村 恭博 院長の独自取材記事
おくむら乳腺外科・内科クリニック
(熊本市中央区/南熊本駅)
最終更新日:2023/08/21

熊本市中央区八王寺団地前バス停から徒歩1分、通称浜線バイパス沿いにある「おくむら乳腺外科・内科クリニック」。奥村恭博(やすひろ)院長は、日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医として、20年以上にわたり数多くの患者を診てきた。1979年開業の「片瀬内科医院」を承継し、2022年8月にリニューアルオープン。もともと入院施設があった大規模な建物をリニューアルし、1階を内科・小児科、2階を乳腺外科と診療エリアや動線をはっきりと分けることで、患者のプライバシーを守っている。妻の奧村香子先生は、副院長として内科・小児科を担当。「ここに来て良かった、と思ってもらえるクリニックでありたい」と語る院長に、クリニックの診療内容や診療で大切にしていることなどを詳しく聞いた。
(取材日2023年05月31日)
長年守ってきた地域医療に、新たな専門分野をプラス
こちらはもともと、奥さまのお父さまのクリニックだったそうですね。

はい。妻の父が1979年に「片瀬内科医院」を開業したのが始まりです。子どもから高齢者まで地域の方に頼りにされるかかりつけ医で、医師になった妻と義父が二人三脚で続けてきました。義父が亡くなり、私も妻とともに地域医療に深く関わっていきたいと考え、2022年に院長に就任。私自身が20年以上にわたり専門としてきた乳腺の診療を、地域のクリニックでも提供できたらと考え、もともとあった内科・小児科に加えて、乳腺外科を掲げ、リニューアルオープンとなりました。この場所は熊本の中心地に近く、熊本大学病院や熊本中央病院、済生会熊本病院や熊本地域医療センター、前職のくまもと森都総合病院などへ、すべて車で10分ほどで行けます。患者さんの紹介など病診連携にも最適な場所ではないかと思っています。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?
1階の内科・小児科は、昔からずっと通ってくださっている地域の患者さんが多いです。子どもの頃から先代のもとへ通っていて、大人になってもかかりつけ医として通い続けてくださる方もいますね。糖尿病・高血圧・脂質異常症といった生活習慣病で定期的に通う方も多いですが、発熱、腹痛、咳、皮疹など、さまざまな症状で来られる患者さんに対して、何でもまずは診ることが使命であると思っています。2階の乳腺外科では、私が昔から診ている患者さんで前職の病院から来られる方や、私が開業したのを聞きつけて来られる乳がん術後の患者さん、また県外から来られる患者さんもいらっしゃいます。新規の患者さんでは、胸のしこりなど自覚症状があって相談に来られる方や、乳がん検診の方などにお越しいただいています。
1階と2階で動線を分けているそうですね。

1階が内科・小児科、2階が乳腺外科とフロアを分けました。2階は女性専用フロアとなっており、院長である私以外、スタッフは全員女性なので安心して検査が受けられる体制になっているかと思います。症状によっては、乳腺外科と内科の連携も可能です。また、リニューアルに伴い、感染症が疑われる患者さんとそうでない患者さんの動線を分けて診察しています。感染症を専門に診る外来の専用入り口と診察室がありますので、安心して受診いただけます。現在、ウェブ予約にも対応中です。内科は突発的に来院されることも多いですが、発熱がある場合は、感染症対策のため事前予約のご協力をお願いしています。乳腺外科も、事前に予約をしていただくと、検査の待ち時間も短くなり便利ですよ。
検診や初診から長期にわたるフォローが可能
大切にしていることは何ですか?

「ここに来て良かった」と思ってもらえるようなクリニックでありたいですね。そのため、「患者さんの話をよく聞き、一緒に考えて治療する」ということを大切にしています。症状やお悩みは、人それぞれ異なります。一人ひとりの悩みや希望に寄り添って、最適な診療をお届けしたいと思っています。日々の診療では、目の前の患者さんを「自分の大切な人・家族だったら」と考えて、診療を提供することを大切にしていますね。あとは、スタッフが「ここで働いて良かった」と思えるクリニックでありたいです。現在、受付3人・看護師4人・技師3人が在籍しており、勉強会や説明会に参加してスキルアップに取り組んでもらっています。私自身もずっと研究会、講演会、勉強会での活動に取り組んできて、「一生勉強」だと思っています。これからも患者さん一人ひとり、最適な診療をお届けできるように日々精進していきたいです。
院長のご経歴や専門分野についてお聞かせください。
大学卒業後、約2年半は外科の研鑽を積みました。その後、大学院で乳腺内分泌外科の道に進んで以来、乳腺専門医として手術の経験も数多く積んできました。熊本大学病院、熊本市民病院、くまもと森都総合病院といった乳がんの治療実績が多い大規模病院において、診断から終末期まで多くの患者さんの診断治療に携わった経験を生かし、街のクリニックでも専門的な検査や治療を提供できたらと考えるようになりました。特に熊本県内では、乳腺の専門的な診療を受けようとすると、大きな病院へ行かないといけないケースが多いのです。しかし、当クリニックであれば、気軽にマンモグラフィ検査、乳腺エコー検査、精密検査を受けることができます。ぜひ気軽に利用していただきたいですね。
こちらのクリニックで乳腺治療を受けられるメリットについて、詳しく教えてください。

院長である私が担当医として責任を持って長期的に携わっていけることが、安心材料の一つになると思います。当クリニックで対応できない治療が必要となった際も、患者さんの状態や希望に合わせて、ご紹介する病院を一緒に考えます。入院治療などが終わった後に、また当院に戻ってきてもらい、外来治療ならびに経過観察を続けていくこともできます。手術が必要となった際も、ご希望があれば私が連携施設に出向いて執刀することも可能です。機器類では痛み軽減装置を搭載した先進のマンモグラフィ装置を導入していて、エコーも病院にある機器と同等のものを備えています。また、乳がんの患者さんはホルモン療法などの副作用で骨粗しょう症になる方もいるので、専門病院にある機器と同等の骨密度測定装置も導入しました。検診や初診から長期にわたってフォローできることが、患者さんにとって何よりのメリットだと考えています。
地域のかかりつけ医として、こまやかな医療を
休日はどのように過ごされていますか?

子どもが小さかった時は、休日はなるべく子どもと過ごすようにしていました。長年、総合病院などの勤務医で、仕事の日は夜遅かったですが、年1~2回は家族で旅行へ出かけていましたね。現在は、妻も副院長として共働きですから、共通の休みの日曜日に一緒に買いものへ行ったりしていますね。開業してからは事務処理などいろいろあるのですが、副院長と相談しながら取り組めることは良かったと思っています。
今後の展望をお聞かせください。
これまで培ってきた専門病院での豊富な診療経験を、これからは地域医療に役立てていきたいです。乳腺を診るクリニックは熊本にはまだまだ少ないと思うので、患者さんに気軽に来ていただき「ここへ来て良かった」と思ってもらえるクリニックにしていきたいと考えています。総合病院では対応が難しいような、患者さん一人ひとりのさまざまな要望に応えられる、患者さんに寄り添って安心していただけるクリニックにしていきたいです。開業してもうすぐ1年になりますが、まだまだ認知度は低いので、多くの方に当院を知っていただけたらなと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

特に35歳以上の女性の方は、自分の乳房に関心を持っていただき、「いつもと違うな」と気になる時は、専門クリニックにしっかり足を運んでほしいです。大きな病院などを受診するのはハードルが高いかもしれませんが、そうした垣根を低くするために開業しましたので、ぜひお気軽にお越しください。専門病院と変わらない診断を心がけております。症状がなくても早期発見のため、乳がん検診は最低でも2年に1回、可能であれば1年に1回の受診をお勧めします。内科もかかりつけ医としてさまざまな体の症状に対応できるクリニックをめざしています。内科・小児科を担当する副院長は、先代の頃から地域の皆さんの幅広い不調のご相談に乗ってきた高い経験値があります。院長も副院長も、それぞれの分野での豊富な経験を生かして診療しますので、安心してご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは乳がん検診(女性技師によるマンモグラフィ検査+超音波検査)9500円