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入江 学 院長の独自取材記事

入江整形外科医院

(遠賀郡水巻町/水巻駅)

最終更新日:2023/08/03

入江学院長 入江整形外科医院 main

JR鹿児島本線水巻駅から徒歩1分。「入江整形外科医院」は国道3号線からもすぐの場所にあり、アクセス良好だ。2018年にクリニックを建て替えると同時に駐車スペースを約20台分確保し、より通院しやすい環境になった。院内は広く、日中はリハビリテーション室に日差しが差し込み明るい雰囲気だ。院長の入江学先生は2019年に先代の父から同院を継承し、引き続き地域の患者に寄り添った医療を提供している。同院は骨折や膝、腰、肩の痛みなどの診療のほか、骨粗しょう症の検査と治療にも注力。「知らない間に骨折しないよう、普段から食事や運動で骨を強くしてほしい」と明るい笑顔で語る入江先生に、診療スタンスや患者への想いについて聞いた。

(取材日2023年6月28日)

父からの継承後も、より良い医療提供に努める

先生のご経歴についてお聞かせください。

入江学院長 入江整形外科医院1

1993年に九州大学卒業後、九州大学の整形外科に入局しました。それから大学の関連病院6ヵ所で1年ずつ研鑽を積み、登別厚生年金病院(現・地域医療機能推進機構登別病院)に就職する流れになります。登別に6年間勤めた後は、下関市立市民病院などを経て地元に帰ってきました。ここはもともと1971年に父が整形外科医院を開業していたので、私は副院長としてスタートします。副院長になってからも、済生会八幡総合病院で2007年から2011年まで非常勤医師として勤務しつつ、父と二人三脚で患者さんの対応をしてきました。開院当初、周辺に整形外科があまりなかった時代から地元住民に受け入れていただき、長年にわたって地域に根差した医療を提供してきていると思います。また私が院長になる2019年までにさまざまな経験を重ねてきました。経験を生かしてより良い医療を患者さんに提供するべく日々精進しています。

患者層や主訴について教えてください。

基本的に膝、腰、肩、頸の痛みを訴える地域の高齢の方が多いですが、学生さんやその他の年代の方もいらっしゃいます。父が昔から診療していましたから、来られる患者さんの年齢層も徐々に上がっていったんですね。当院を建て替えた2018年頃からは、働く世代の方たちが増えてきました。膝、腰、肩、頸の痛みなどに関してはリハビリテーションを中心に治療を行っています。また、スポーツ系の学校に行かれている方が来られることも多いのですが、整形外科は基本的に安静にしていなければ治りません。ケガをした場合は、一度スポーツから離れてきちんと治療をするようにしていただきたいですね。

クリニックの強みやスタッフさんとの連携の取り方について教えてください。

入江学院長 入江整形外科医院2

当院は、骨粗しょう症の治療や漢方を使った治療を強みとしています。他院から骨粗しょう症の患者さんをご紹介いただくことも多いですよ。また、周辺の病院との連携が強いところも当院の特徴です。例えばスポーツでの外傷や手術が必要な患者さんは、それらに特化した病院で診てもらったほうが患者さんのためになるので、必要に応じて速やかに紹介します。それぞれの医院に強みがありますから、お互いに紹介し合うことが、患者さんにも医療者にもメリットになると感じています。スタッフに関しては、当院は少人数制ということもあり、患者さんの情報共有や連絡事項の伝達はスムーズです。初診の患者さんには看護師が丁寧に問診してくれますので、助かります。スタッフ同士はもちろん、患者さんとのコミュニケーションも上手な人が集まっているため、それぞれの持ち場を安心して任せられるんです。

骨粗しょう症に注力し、患者のQOL向上を後押し

骨粗しょう症の検査や治療に力を入れていると伺いました。

入江学院長 入江整形外科医院3

はい、骨粗しょう症は女性に多く、高齢になるほど増えていくため注意が必要です。診療では、当院にある全身型の骨密度測定器を使います。骨折した人はもちろんそうでない方にも検査を勧めることが多いですね。骨密度は、低くても自覚症状がなく普通に生活ができるので、知らないうちに骨折することがあるんです。患者さんの背中と腰のエックス線写真を撮ると、すでに骨が変形していて、骨粗しょう症に該当する方が一定数いらっしゃいます。現状を知ってもらうために、自覚症状がなくても骨密度の検査をして、数値が低ければ早めに対策をしてほしいと思います。そうすることで将来骨折するリスクを下げられると考えています。骨の形成には時間がかかりますから、治療を早く始めるほど患者さんにとって良いんですよ。現在はいろいろな薬剤がありますので、骨密度を上げつつ骨の質も保てるように治療を進めていきます。

骨粗しょう症の患者さんが受診されるきっかけは何ですか?

骨折が原因で受診された際に、検査をして骨密度の低下が判明することが多いです。女性は、女性ホルモンの減少が影響して骨粗しょう症になる場合が多いです。骨粗しょう症の怖いところは、骨折しやすくなるのはもちろん、一度骨折すると次の骨折が発生するリスクがかなり高まるところですね。ですから最初の骨折を防ぐことが重要なんです。普段の生活で骨密度検査をする機会は少ないと思いますが、骨粗しょう症が進行する前に、症状がなくても測定していただきたいですね。骨折だけではなく、膝や腰が痛いなど他に主訴がある方も、それらの治療を終えてから骨粗しょう症の検査ができますのでぜひ受けてみてください。

私たちが普段の生活で予防できることはありますか?

入江学院長 入江整形外科医院4

食事と運動ですね。よく皆さんが勘違いされるのは、「カルシウムを取っていれば大丈夫」ということですが、残念ながらそれだけでは骨密度を下げるスピードを抑えられません。とはいえカルシウムは必要な栄養素ですから、毎日の食事の中に取り入れていただきたいです。サプリメントより食事から取るほうが体への吸収率が良いとされていますよ。運動については、「かかと落とし」などの荷重運動がお勧めです。1日50回程度を毎日すると、骨の強化につながります。1日のうち何度かに分けて50回行っても良いですよ。簡単なので「ながら運動」としてぜひ取り入れてみてください。あとは体内でビタミンDを生成しカルシウムの吸収率を上げるために日光浴をして、骨を強くすることをめざしていきましょう。ちなみによく転倒する人にはリハビリテーションがお勧めです。筋力をつけ、バランス感覚を整えることが転倒予防になりますので気になる方はご相談ください。

漢方も取り入れつつ、患者の健康寿命延伸に貢献

こちらでは漢方を取り入れているそうですね。

入江学院長 入江整形外科医院5

ええ、漢方を処方するケースは多いですよ。整形外科にかかる人は、5%程度が手術が必要で残りの95%が保存療法だと言われています。その95%の患者さんを私たちが診るわけですが、病院でもらっていた薬では良くならない、といったときに漢方を処方しています。人によって、冷え性や太り気味など体質に個人差がありますので、多くの種類がある漢方は非常に役に立ちますね。例えば、体がむくんで膝が腫れている人には「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」という漢方をアレンジして、臨機応変に使い分けています。漢方が最大限の効果を発揮するためには、きちんと使い方を理解して飲むことが大切ですので、自己判断で飲むのではなく、医師の助言のもと飲むのがいいかと思います。

普段、先生はどのような想いで診療にあたっていますか?

体のいろいろな箇所に不調があって来られる患者さんが多い中で、優先順位をつけて適切に診療していくことを心がけています。体の痛みが原因で生活に支障が出ている場合もありますから、そこの見極めが重要ですね。手術が必要だと判断すれば、迅速に近隣の病院に連絡を取ります。とはいえ手術を回避したい方も多いので、患者さんの意思を尊重しつつ、当院で可能な治療を行いながら様子を見ていきます。健康寿命を延ばすためには、患者さんご自身の努力が必要ですが、私もできる限りサポートするべく毎日診療にあたっています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

入江学院長 入江整形外科医院6

超音波を用いた治療をもっと充実させて、より精度の高い医療を提供していきたいと考えています。また、漢方の知識をさらに深めて、患者さんの生活の質を上げられるよう貢献していきたいですね。皆さんにはできるだけ骨折したり骨粗しょう症になったりする前に、ぜひ一度、骨密度検査を受けてほしいです。地域ごとに開催する「健康フェア」などで受けられることもあるので活用してください。まずは自分の骨の状態を知ることが大切です。いつまでも生き生きと過ごせるよう、みんなで健康寿命を延ばしていきましょう。

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