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馬渡 秀仁 院長の独自取材記事

馬渡産婦人科医院

(糸島市/筑前前原駅)

最終更新日:2023/10/04

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院 main

筑前前原駅から車で3分の場所にある「馬渡産婦人科医院」。1965年に開業した歴史ある産婦人科のクリニックだ。「助産師や看護師さらには栄養士などのスタッフがそれぞれの知恵を出し合って、より出産や育児の励みになる環境づくりに取り組んでくれています。非常に心強く、ありがたいことです」と語るのは、2代目院長である馬渡秀仁先生。父である先代の意思を継ぎ、クリニックのある糸島市だけではなく、福岡市西区エリアの患者まで幅広く受け入れている。患者のニーズに応じ、さまざまな部分をアップデートしていく一方、大切にし続けているのは安全第一であること。小児科・麻酔科の医師との連携や、J-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)の取り組みにも注力する同院について、院長に詳しい話を聞いた。

(取材日2023年4月20日)

出産は安全第一。小児科・麻酔科の医師とも連携

開業してもう50年以上がたつそうですね。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院1

1965年に父が開業しました。父は80歳を超えても現役の人で、今思い返しても非常に技術も高かったですし、ある意味超人的な部分もあったように思います。1993年に現在の場所に移転し、その5年後に私がクリニックを継ぎました。近年はコロナ禍によりお父さんの立ち会い出産ができなくなるなどの制約もありましたが、この5月から再開できるのは本当にうれしく思っています。無痛分娩のニーズも多く、近隣の麻酔科の先生のご協力もあって、対応させていただいております。こういった患者さんのニーズにも今後も対応していきたいと考えています。

患者さんと接する際に心がけていることは何でしょうか?

よく話をすることです。出産前であれば、8〜9ヵ月目になってくると、当初はなかった情報や、状況が変わったことなども出てくると思います。お産は安全第一です。そのためにはお母さんのこと、ご家族のことなど、情報はいくらあっても足りないくらいです。私は話し好きですから、ぜひたくさんのことをお話しし、一緒に安全な出産へと歩みを進めていきたいと考えています。

小児科の医師も在籍しておられますね。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院2

副院長は久留米の聖マリア病院NICUなどで新生児医療を専門的に学んだ小児科医です。退院までに必ず1回、退院1週間後、さらに生まれて1ヵ月後の1ヵ月検診と、短いスパンで定期的に小児科の医師が赤ちゃんの様子をチェックしてくれる点は、産婦人科の医師としても非常に心強く感じています。特に退院1週間後の時期はお母さんも悩み事がたくさん出てくるようで、いくつもの相談をメモして来院される方もお見かけしました。そういう方が安心して相談できる環境になっているのではないかと思います。

栄養士が作る食事、ショートステイが育児の活力に

産前、産後、それぞれのケアにも注力されているとか。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院3

立ち会い出産をされる場合は、お父さんに事前にオリエンテーションを行います。お母さんが大変なのは当然ですが、お父さんも仕事を急いで抜けてきて寝る時間がなかったりすると、夜中や早朝の分娩の場合に体調を崩されることも多いんです。どうして体調を崩してしまうのか、体調が悪くなってきたらどうすれば良いのかなどをしっかりとお伝えします。産後のお母さんもとても大変で、どこかに出かけることも難しいですよね。そういう方のためにショートステイも受け入れています。大変な育児の中でも、ショートステイを活用して睡眠時間の確保につながったらうれしいですね。当院に来るだけではなく助産師がご自宅に訪問してサポートすることも可能なので、ご自身のライフスタイルに合ったものを選んでいただければと思います。

ちょっとした時間でも、かなりのリフレッシュになるのでしょうね。

本当にそのようですね。数時間おきに授乳やおむつの交換などが入るので、連続した睡眠も満足に取れないのが育児です。そのような中だからこそ、入院している短い間だけでもゆっくり過ごしてほしいんです。「出産した病院の食事を豪華にして何になるんだ」というような声もあると思いますが、命がけで出産をし、またそこから家に戻って育児を始めるのですから、せめて入院中くらいはおいしくて栄養のあるものをたくさん食べてほしいというのが私たちの考えです。ショートステイでも食事は召し上がっていただけるので、「おいしかった」と言っていただけたら、うれしいですね。

こちらには栄養士が在籍されていますね。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院4

はい。食事は外注ではなく、すべて院内で調理しています。栄養士たちも非常にチームワークが良く、1日に30品目以上入るようになっています。出産は一生に数回ほどしか経験しない命がけのもの。十分にお母さんが体をいたわり、自宅に戻られてからの育児への活力になるようにと、低糖質、かつ繊維質の多い食材を多く取り入れています。もちろん飽きのこないようにメニューもさまざまで、でもコーヒーはカフェインレスにするなど、栄養士さんの知恵が詰まっている食事になっています。この体制は今後も大事にしていきたいですね。

救急時に適切な対応するための心強いスタッフの存在

助産師さんをはじめとしたスタッフの方の教育にも、かなり力を入れておられるとか。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院5

J-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)の取り組みにもかなり力を入れています。また、NCPR(新生児蘇生法)のプログラムを行い、他院の先生を講師に迎えるなどしてスタッフに講義を受講してもらっています。これは救急患者さんを前にして適切な処置ができるか、どのような薬が必要か、さらにご家族に適切な説明ができるかなどを評価するもので、平均して月に1回ほど、院内で講義を行っています。ありがたいのはスタッフの積極性ですね。お産がある場合は、当然ながらそちらを優先しますが、それでもきっちりとスタッフだけで講習を行っているんです。実際に迅速な対応が必要な場合があっても、スタッフは講習が実を結んで冷静に対処できるのではないかと思っています。

安全第一のための行動を皆さんが身につけているのですね。

栄養士もそうですが、安全第一なお産のためには何が必要か、自分はどう動くべきかというのを常に自発的に考えてくれています。よく「助産師はお産の伴走者」といいますが、当院のスタッフには「手を引いて、背中を押してあげてほしい」と伝えています。親身になってお母さんたちの声に耳を傾け、時には率先して提案もしてくれる。その柔軟性はやはり助産師としてのプロフェッショナリズムに通ずるのだと感じています。だから医師や看護師だけではなく、助産師という存在がいることで安心する方もおられるのでしょう。産婦人科での食事や産後ケアなども含めた“おもてなし”の時間は、お産・育児におけるオアシスなのだと思います。

最後に読者へのメッセージなどをお聞かせください。

馬渡秀仁院長 馬渡産婦人科医院6

以前より当院ではおなかの中の赤ちゃんの様子がより鮮明にわかるよう3Dエコーを取り入れています。赤ちゃんはおなかの中にいてもポンポンとお母さんのおなかを叩くと顔をしかめたり、笑うこともあります。表情まで鮮明に読み取りやすいので、その映像を見るとお父さんも「ここに赤ん坊がいるんだ」と実感し、出産に向けて気持ちを新たにできると思います。お産は安全第一ですから、不安なことなどは何でも話してください。私だけではなく優秀なスタッフ、小児科の先生、麻酔科の先生などたくさんの人がいます。ともに手を取り、思い出深い素晴らしいお産になるよう、一緒に力を尽くしていきましょう。

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