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久保田 慧 院長の独自取材記事

くぼたこどもアレルギークリニック

(春日市/大野城駅)

最終更新日:2025/10/22

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック main

西鉄バス・惣利二丁目停留所から徒歩3分ほどの住宅街にある「くぼたこどもアレルギークリニック」。父・久保田薫先生が30年にわたって営んできた「くぼた小児科」を、息子の久保田慧(けい)院長が2025年4月に継承した。久保田院長は日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持つ。クリニックの歴史を引き継ぎながら、小児科とアレルギー科の両方のスペシャリストである強みを生かして、一般的な小児診療だけでなく、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、気管支喘息といったアレルギー疾患の悩みの解決にも注力している。「悩んでいたことが解決したと喜んでもらえたらうれしいですね」と話す久保田院長に、診療方針やクリニックで取り組んでいる治療、患者に対する想いを聞いた。

(取材日2025年9月22日)

小児とアレルギーの専門知識を生かした診療を提供

小児科とアレルギー科、両方のスペシャリストなのですね。

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック1

父も祖父も小児科医で、医師は身近な職業でした。福岡大学医学部で学ぶうちに、全人的な診療が求められる小児科に魅力を感じました。福岡大学小児科に入局後、専門分野としてアレルギーを選びましたが、当時の環境では、アレルギーの重症度が高い患者さんに対して、治療をどう進めていけばいいのかわからないことがあり、自分の中で限界を感じ始めていました。そこで、日本に2施設しかないアレルギー中心拠点病院の1つである国立病院機構相模原病院、通称、相模原病院へ国内留学することにしました。

相模原病院では、どのようなことに取り組んでいましたか?

相模原病院小児科ではアレルギーに関する診療はもちろん、臨床と研究・論文執筆などを行いました。非常に多くの食物経口負荷試験を担当し、食物アレルギーに関する背景・予後などの理解が深まり、栄養指導のアイデアも増えました。またアトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患でお困りの患者さんの入院・外来治療を経験しました。主な研究内容として、「6歳まで遷延した牛乳アレルギー児の12歳までの耐性獲得率」や「マカダミアナッツの血液検査の有用性」を明らかにして海外のアレルギー雑誌に論文として発表しました。福岡に戻ってきてから相模原病院での研究結果をもとに博士号を取得しました。

食物経口負荷試験では、どのようなことを行うのでしょうか?

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック2

乳幼児期に発症した食物アレルギーは就学前に60〜80%が自然に治ります。ちゃんと治るためには、安易に除去せずに安全に食べられる範囲で食べ続けることが望ましいとされます。安全に摂取できる範囲を見定めるためには実際に食べてみるしかなく、自宅で摂取するのにリスクを伴う場合には医療機関に来てもらって、原因の食品を実際に食べてみることが必要です。それが食物経口負荷試験です。まずは少量摂取して、大丈夫ならその量を自宅でも定期的に食べ続けます。また別の日に食べる量を増やした負荷試験を行い、段階的に食べられる量を増やしていくことになります。自宅で摂取する中で、アレルギーがあると、味への不慣れや恐怖心から摂取を嫌がる子もいます。相模原病院での経験を生かして、自宅でもできるだけ楽しく食べてもらえるように、そしてご家族による食事の準備ができるだけ簡単にできるように、具体的な栄養指導を行うように心がけています。

丁寧な診察と具体的な説明で、患者に寄り添う

診療時に大切にしていることがあれば教えてください。

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック3

風邪や胃腸炎などの症状で来院する患者さんには、本人や親御さんの話をしっかり聞き、ニーズを見極め、寄り添うことを大切にしています。アレルギーの診療に関してはこだわりが強いかもしれませんね。例えばスキンケア指導は、資料を見せながら「塗る量はこのくらいで、こういう塗り方をしてください」と具体的に示し、今後の見通しを含めてしっかり説明します。気管支喘息やダニアレルギーがある患者さんには環境整備の方法を具体的に提案します。アレルギー専門医を持つ小児科専門医として、時間をかけてきちんと説明するようにしています。

温かい雰囲気の院内ですね。どのような設備がありますか?

父がこのエリアで1995年に開業し、僕が後を継ぐことを想定して2016年に今の場所に移転しました。駐車場は22台分確保していて、待合室の真ん中には広めのキッズスペースを用意しています。熱があるなど感染症が疑われる場合は、感染症専用の出入り口から個室の待合室にスムーズに入れる動線を確保しています。個室の待合室を4つ、診察室を3つ、トイレを2つ、おむつ替えスペースや授乳室を設け、予防接種や乳用児健診だけの時間帯も分けているので、安心して来院していただけると思います。

印象に残っている患者さんとのエピソードを教えてください。

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック4

アトピー性皮膚炎の患者さんは、目に見えて肌の状態が良くなることが望めるので、親御さんからも感謝してもらえることが多いです。小学生の患者さんが、ケアをしたお肌の質感になぞらえて、僕のことを「もちもち先生」と呼んでくれていると聞き、うれしく感じましたね。現在、当院には春日市や大野城市だけでなく、太宰府市や那阿川市など少し遠方の方もお越しになります。もし肌の調子が良くならないのは当たり前、かゆいのは当たり前だと思って諦めている方には、ぜひ相談してもらえればと思います。

父の歴史を継承しつつ、地域の助けになるクリニックに

今後の展望や目標を教えてください。

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック5

父がこのエリアの患者さんの健康を守ってきたので、僕自身も子どもたちの助けになる診療を続けていきたいと思っています。またクリニックでは診ることが難しい重度のアレルギー症状を持っている患者さんに対しては、僕が週1回アレルギーの診療に行っている福岡大学筑紫病院と連携し、食物経口負荷試験や治療を進めています。専門性を生かしながら地域医療に貢献していきたいですね。

休日の過ごし方を教えてください。

2児の父なので、子どもたちと遊んで過ごしています。体育館で子どもとバスケットボールをしたり、図書館に行ったり、公園に行くことが多いですね。妻と一緒に勉強しながら試行錯誤して子育てしている経験が、診療だけでなく、患者さんや親御さんへの声がけにも役立っているように感じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

久保田慧院長 くぼたこどもアレルギークリニック6

街のクリニックとして、このエリアの方々に適切な医療を届けることが使命ですし、父が守ってきた歴史を引き継いで、この地に根づいた小児科医になりたいと考えています。肌がガサガサしていてぼりぼりかいている、年中鼻をすすっている、咳が出やすいなど、ちょっと悩んでいるけど診断がついていない、もしくは治療を受けていても解決につながっていない事例が多くあるのだなと感じています。そういう人たちに「ひょっとしたらアレルギーなのかも」と思ってもらい、少しでも気になることがあれば気軽に相談してほしいです。小児科専門医でもあるので、ちょっとした風邪や予防接種などでも、気軽に足を運んでいただけたらと思います。

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