高木 友博 院長の独自取材記事
脳神経外科 クリニック高木
(福岡市早良区/藤崎駅)
最終更新日:2024/12/26

学生やファミリー層からの人気も高い藤崎エリアにて、長年にわたり脳神経外科として地域の健康を支援し続けてきた「脳神経外科 クリニック高木」では、2024年に父からクリニックを引き継ぎ、高木友博先生が院長を務める。クリニックは広々としてゆとりのある空間となっており、明るいガラス張りの待合室はとても居心地が良い。「地域に根差して、患者さんの要望にも応えながら必要な治療をきちんと提供していきたいですね」と語る高木院長は、脳卒中をはじめとする重度の脳の病気や、頭痛、各種検査の深い経験をもとに、現在は頭痛の外来などにも力を入れている。地域に根差した脳神経外科の役割を大切にされている高木院長に、クリニックの主な診療内容、力を入れていきたいこと、これからの展望など幅広く話を聞いてきた。
(取材日2024年11月21日)
子どものケガから、認知症、脳卒中の予防まで対応
医師をめざしたきっかけ、勤務医時代のご経験について教えてください。

父が医師だったので、自然と将来の選択肢の一つとして入っていました。それだけでなく、7歳の頃に頭のケガで入院をしたことがあり、その際に福岡大学病院で治療をした経験も私の中で深く印象に残っています。昭和大学医学部を卒業後、大学病院、関連病院などで脳神経外科医として外傷や脳卒中の患者さんの治療を中心に行ってきました。とてもハードワークな日々を経験しましたが、その経験が、今の礎になっているんだと今でも実感しています。特に脳卒中については後遺症も残りやすく、患者さんの生死にも関わる病気であるため、できる限り元気に社会復帰してほしいという思いで、日々の治療、手術にあたっていました。
クリニックを継承され、今後はどのような運営にしていきたいですか?
もともと実家のクリニックを継承したいという思いがあったので、父と相談しながら2024年に院長に就任しました。昔から父を慕ってお越しいただいている患者さんも多く、皆さまの期待に応えられるように頑張っていきたいですね。これからもこの地域の健康を担うクリニックをめざし、時代のニーズに合わせて柔軟に対応できるようにしていきたいです。近頃は頭痛でお悩みの方が相談に来られることも多いので、頭痛の診療にも積極的に取り組んで、現役世代の皆さまのQOL(生活の質)向上にも貢献していきたいですね。
この地域の患者さんの特徴はありますか?

昔からの住宅街ではあるので、さまざまな世代の方がお越しいただくのですが、ご高齢の方が増えているのかなと感じています。また、当クリニックの近くには小学校もあるので、お子さんのケガ、主に頭部外傷で相談に来られるケースも多いですね。お子さんのケガというのはよくあることかもしれませんが、頭部のケガとなると親御さんも特に心配になると思います。きちんとした検査機器、判断できる医師に相談するのが一番だと思いますので、そうした際のかかりつけ医として当クリニックを選んでいただけましたら幸いです。当クリニックのMRIはオープン型なので圧迫感も少なく、お子さんでも安心して検査に臨むことができると思います。
少しの頭痛でも、大きな病気が見つかるきっかけに
力を入れていきたい診療の一つ、頭痛の外来について教えてください。

頭痛というのは皆さまにとってもありふれた症状かと思います。だからこそ、見過ごされがちな怖い病気をきちんと見つけていくのが脳神経外科医の役割です。頭痛の原因として多いのは、緊張型頭痛や偏頭痛です。これらは慢性化しやすく、放置をしておくと治りが悪くなり、次第に日常生活に支障が出てくることもあります。「これまでは痛み止めを飲んでやり過ごしていました」という患者さんも、根本の原因を探りながら改善を図っていくことで、少しずつ頭痛に悩まなくなる日々をめざせると考えています。日々のQOL(生活の質)を向上していくためにも、自分の不調と向き合って、頭痛の改善を図ることをお勧めしています。
頭痛をきっかけに怖い病気が見つかるということですが、どのようなケースがありますか?
頭痛は、つらいけれども命に関わらないものが多いです。しかし、一部の頭痛は放っておくと命に関わるものもあります。例えば、くも膜下出血、脳腫瘍などです。この場合、激しい頭痛と吐き気などを伴い、多くの方が緊急搬送されます。しかし、まれなケースではありますが、頭痛が激しいということで歩いて医療機関にかかられた方が、実はくも膜下出血だったということもあります。頭痛の原因を調べてみたら、実は大きな病気が隠れていたということもあるのです。早期発見をすることで、重症化を防げる場合がありますので、違和感を覚えた時にはクリニックを受診するのが良いですね。
脳卒中の予防、病後のリハビリテーションなどにも取り組んでいらっしゃるとお聞きました。

脳卒中については、特に予防を大切にしています。当クリニックにかかってくださる患者さんをはじめ、地域の皆さまには「脳卒中にならないように事前に気をつける」ことを常に促しています。主な対策方法としては、生活習慣の改善、高血圧や高コレステロールの治療などです。日々の食生活、運動を見直して心がけるだけでも、脳卒中のリスクはしっかりと下がることが見込めます。脳卒中は、脳の血管が詰まるなど、血液循環が悪くなることで、意識や運動に障害を引き起こしてしまう重度の病気です。そのため、未病の段階で防ぐことが本当に大切になります。だからこそ、地域のかかりつけ医として日々啓発していくことが重要だと思い、取り組んでいます。
子どもの頃から過ごしたこの街へ恩返しを
認知症に関するサポート、治療も行っているのですね。

はい。認知症のご相談では、多くの場合ご家族から「本人の様子が変わった」「物忘れが目立つようになった」というお話をいただくことが多いですね。まずは、ご家族と一緒にお越しいただき、機能検査を行います。認知機能が低下していることが確認できたら、さらに詳細の検査を行っていきます。完治するための治療はないのが現状なのですが、進行を遅らせる目的の薬はありますので、気づいた時に早めに相談が鉄則です。本人はもちろんご家族でも気づいていただきやすいのが、今まで当たり前のようにできていた簡単な計算や作業ができなくなった時です。認知症は長期的にゆっくりと進行していくので、日々の観察が重要になります。
診療時に大切にしていること、スタッフに日々伝えていることなどはありますか?
私自身は、患者さんの話をよく聞いて、患者さんの伝えたいこと、伝え方などをくみ取って診療に生かすようにしています。お話を丁寧に伺うことで、少し診療時間が長引いてお待たせすることもありますが、病気のことを体感して、一番理解しているのはご本人なので、聞き漏らしがないように伺うようにしています。そのために、患者さんが話しやすくなるような診療スタンスというのも大切にしていますね。そして当クリニックのスタッフは、前院長の頃から在籍してもらっているベテランのスタッフがほとんどなので、私以上にこれまでの患者さんのこと、ご家族のことなどを知っています。いつも私のほうがスタッフも頼っており、本当にお世話になっていると思います。
読者へのメッセージをお願いします。

前院長の頃より長らく、地域に根差して診療を行ってきました。私が院長になってからも、地域に根差して医療を通じて貢献していくというスタンスに変わりはありません。私自身の生まれや育ちもこのエリアということで、思い入れも強くあります。小さい頃からお世話になったこの街に少しでも恩返しができるよう、これからも相談しやすいかかりつけ医として頑張っていきたいですね。「こんなことでも相談していいのかな?」「ちょっとした頭痛だけれどクリニックに行ってもいいのかな?」と悩むことなく、いつでも気軽にご相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック Aコース(MRI、MRA(脳血管)、血圧)40分/2万円
脳ドック Bコース(MRI、MRA(脳血管)、頸動脈エコー、血圧)60分/2万6000円
脳ドック Cコース(MRI、MRA(脳血管)、頸動脈エコー、心電図、血液、検尿、血圧、身長、体重)90分/3万5000円
※脳ドックは予約制(自費診療)となっています。ご希望の方はお問い合わせ下さい。