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進藤 静生 理事長、進藤 亮太 先生の独自取材記事

しんどう小児科医院

(福岡市城南区/金山駅)

最終更新日:2020/10/15

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開院から約30年、子どもとその家族の心と体を守り、多くの親子を笑顔に導いてきた「しんどう小児科医院」。児童図書館のような建物が印象的な同院で理事長を務める進藤静生先生は、日本小児科学会小児科専門医と日本腎臓学会腎臓専門医の資格をもつ。一般小児科をはじめ、病児保育、心身症などさまざまな相談窓口も開設。中でも子どもの心と発達に関する相談は年々増えており、特に力を入れて取り組んでいるそう。そして来年は、現在交代で診療にあたっている息子の進藤亮太先生へ完全に引き継ぐことも検討中とのこと。今取材では、子どもが怖がらないよう白衣ではなくネクタイ姿で子どもと向き合う進藤理事長と、新生児集中治療室の勤務経験もある亮太先生に、子どもを取り巻く問題について語ってもらった。
(取材日2020年7月14日)

虐待の連鎖を断ち切るためには環境の整備が重要

開院されたのが1989年ですので、もう30年以上。建物もすてきですね。

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【進藤理事長】当時、建築家と相談していく中で、「先生のご希望をまとめると児童図書館のようなイメージですね」ということになり、そのような建物になりました。2階が自宅なので、私の子どもたちが小さい時は走り回ってうるさくしたら、ずいぶんと叱ったものです(笑)。
【亮太先生】僕は開院当時3歳でしたので、今よりも大きな建物に感じていましたね。いつもここに患者さんがいて、声も上まで聞こえていたので、日常の風景として見ていました。
【進藤理事長】時代とともに医療も変わっていくでしょうけど、この仕事は子どもの将来にも夢が持てますよね。夢や希望が広がる仕事であることはこれからも同じです。

こちらにはさまざまな窓口があり、何でも診てもらえるという印象を受けます。

【進藤理事長】小児科というのは結局、子どもの全部を診るんですよ。アメリカの病院や久留米市にある聖マリア病院などでさまざまな子どもたちを診て、救急もしましたし、虐待を診ることもありました。虐待は気づかれていないことのほうが多く、発見されているよりもたくさんの子どもたちが犠牲になっていると思うんです。そして親も虐待を受けて育っていることが多く、被害者なんですね。そういう世代間の連鎖を断ち切るために、環境の整備が必要だと考えています。われわれもその一つで、予防接種の際でも「おや」と思う気づきが大切。その気づきは看護師も同じで、院内では優しく接していたお母さんが、車に乗せる時は別人のように子どもに怒鳴っている姿に気づくこともあります。「おや」と気づく人たちを増やし、連携する。その網目を地域に張り巡らせておかなければなりません。

精神的に不安定な親御さんが増えているようですね。

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【進藤理事長】今は核家族が増えサポートが得られない方が多いというのが一番大きいでしょうね。そういうこともあって心身症の診療を始めたんです。子どももそうですが、母親のケアも重要なんです。福岡市は核家族化が進み相談する相手がいない母親が非常に多いんです。一日中子どもと2人だけで過ごすと、だんだんストレスもたまって、子どもがする些細なことにイライラします。そうなる前に相談できる場所が必要なんです。
【亮太先生】子どもが幸せになることが最終的な目標なので、核家族や共働き世帯の家庭をどうサポートしていくかですよね。ちょっとした育児の悩みも吐き出せる場所でありたいなと思っています。

子どもや保護者に寄り添い笑顔になってもらえるように

病児保育もされているとお聞きしました。

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【進藤理事長】30年前は病気の子を預けることにいろんな意見がありました。しかし、共働きが当たり前の今、現実的に無理ですよね。そして当院の患者さんたちが困っているということが一番の理由です。これまで院内に設けていましたが、環境を整えるために一時休止し、来年頃、敷地内に病児デイケアルームが完成予定です。福岡市は病児保育については進んでいますから、母子手帳にも施設一覧が掲載されています。

ネクタイ姿と子どもの手にキャラクターを描いてあげる診療スタイルもこの医院ならではですね。

【進藤理事長】白衣を着ると子どもを怖がらせてしまいますからね。白衣を着ないかわりにネクタイはちゃんとします。ネクタイは患者さんがプレゼントしてくれたものも含め200種類以上持っています。診察後は頑張ったご褒美として、子どもの好きなキャラクターを手の甲に描いてきました。マニアックな子になると、新幹線の車両を指定したリクエストがあったりも。描くにはポイントをおさえるのが大事。「やまびこ」であればグリーンの線をいれるとか。今は新型コロナウイルスの問題があるので、受付スタッフが作ってくれたシールを看護師がペタッと貼っています。
【亮太先生】ちょうど私の子どももそういうのが好きなので、参考にしていますよ(笑)。今いろんなアニメや戦隊シリーズがありますから、日曜日の朝は時々見てチェックしていますね。

医療機関ではありますが、子どもも親も笑顔で帰れそうですね。

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【進藤理事長】それが一番です。今は予防接種の種類も多いですから、これからは病気で来る子が減ってくると思います。その中から心身症で悩んでいる方たちにどのようにアプローチしていけるかが課題だと考えています。そういうアンテナは医師、看護師、受付、薬剤師も含め全体で張り巡らせておかなければなりません。
【亮太先生】私にも子どもがいますし、やっぱり育児って大変だと感じます。そんなふうに親御さんの気持ちも理解できるので、例えばやってほしいことを伝える時も「なかなか難しいですよね」と寄り添えるように多少はなれたかと思います。

悩みのある親の話を根気強く聞いてあげることが大事

ここは親御さんが相談できる場所でもあるようですね。

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【進藤理事長】そうです。親の相談相手というのも必要ですからね。話を根気強く聞いてあげることが大事です。今、よくご自分のお子さんが発達障害ではないかと悩まれているお母さんが多いです。そこは学校の問題もあると思うんですね。先生が子どもをコントロールできない場合に発達障害を疑うケースもあります。確かにわれわれの時代でもクラスの中に落ち着きのない子やいつも叱られている子もいましたが、年を重ねるごとに落ち着いていました。それに対して診断をつけたほうがいいのかというと、そうでないケースもあるわけです。学校はいろんな子がいることを学ぶ場でもありますからね。もちろんADHDなどの症状が強い子には治療薬もあります。それを使って親御さんを安心させてあげる必要がある場合もありますが、まずはその子の状態を知ること。親の不安もありますから、そこもうまくくみ取ることが大事です。

診療する際、大事にされていることは何でしょう。

【亮太先生】中には「こんなことで受診してすみません」と言われるお母さんもいて、そういう時はウエルカムな姿勢を示して、気軽に来てもらえるような雰囲気づくりをするのは大事だと思っています。ちょっとしたことでもお母さんにとってみれば大きな悩みなわけで、それこそ発達障害じゃないかと過剰に心配していっぱいいっぱいになってしまうのは子どもにとっても良くないですから、不安を軽減することができるようにカバーしていければなと思っています。

では最後に今後クリニックをどのように引き継ぎ、引き継いでいかれたいかお聞かせください。

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【進藤理事長】ある程度本人の考えでいいと思っています。実体験で言うならば、刺激をもらうために新しいことに挑戦するのは大事だと思いますね。
【亮太先生】自分の父親ながらすごいなと思うことは、知識を常にアップデートしているところで、そういうことは当然私もやっていかないといけないことだと思っています。そしてこれも父にずっと言われてきたことですが、「それで子どもたちがハッピーであるか」ということ。あとはちょっとしたことであってもご家族の悩みを解決できたらと思っています。今日もお子さんの耳垢が気になって来られた方がいましたしね。
【進藤理事長】耳垢も取りますよ。何でも気になることがあれば気軽にいらしてください。

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