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前田 邦彦 院長の独自取材記事

まえだ眼科

(福岡市中央区/六本松駅)

最終更新日:2025/06/09

前田邦彦院長 まえだ眼科 main

福岡市地下鉄七隈線六本松駅から徒歩12分、油山観光道路沿いの笹丘1丁目交差点にある「まえだ眼科」は1996年に開業。院内での白内障、緑内障、眼瞼手術に携わるほか、訪問診療にも力を注いでいる。そこには前田邦彦院長の対馬での離島医療経験が大きく関わっているという。前田院長は「緑内障は自覚症状がないままに進行してしまう慢性疾患で、悪化すれば失明してしまう怖い病気。歩行が困難で病院に行けないという高齢者の中にも罹患している人は多いはずですから、それを発見し治療につなげていくのも医師の役割だと考えています」と話す。今回はそんな前田院長に、これまでのキャリアをはじめ、注力する訪問診療、慢性疾患である白内障や緑内障などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2022年3月28日)

離島医療を経て地域医療に尽力

まずは医師をめざしたきっかけや、眼科を選んだ理由を教えてください。

前田邦彦院長 まえだ眼科1

実は高校時代にテレビで見た洋画がきっかけなんです。無実の罪を着せられた医師が警察から逃亡しながら真犯人を探すというドラマで、そうした状況下にあっても患者を治療していく姿に憧れました。それから自治医科大学に入学し、教授に勧められる形で眼科を選んだのですが、眼科は患者さんの反応がダイレクトに伝わってくる診療科。人は外部情報のほとんどを視覚に頼っていますから、治療に非常にやりがいを感じています。また診療の進め方においても、視診で8〜9割の診断をつけることができますし、外科的な領域もあるので魅力のある診療科だと思います。

大学卒業後は離島医療を経験されたと伺いました。

自治医科大学は卒業後に地域医療に携わるのですが、私は長崎県対馬いづはら病院に赴任しました。11年間にわたり眼科部長として離島医療に関わりましたが、当時の人口は5万5000人ほど。街中のクリニックは少なく医師も足りない状況だったため、非常に忙しい毎日でした。眼科領域ではそれこそ目にごみが入ったという軽微な症状から白内障や緑内障の治療まで、さまざまな経験をさせていただきました。また医師不足のため内科や外科の外来診療も手伝っていました。

もともと開業しようというお気持ちはあったのでしょうか?

前田邦彦院長 まえだ眼科2

対馬で務めた後、1996年に開業しました。ここの近くにあった博愛会病院の理事長からここで開業しないかというお話をいただいたことがきっかけなのですが、博愛会病院は内科と整形外科の病院だったので、高齢の患者さんも多く眼科の需要もあったのだと思います。以来、開業から26年が過ぎましたが、住宅街なので子どもから高齢者まで幅広い世代の患者さんに来ていただいています。主訴は結膜炎、近視や遠視などの屈折異常、白内障、緑内障、糖尿病網膜症とさまざま。また院内でコンタクトレンズと眼鏡も処方しているので、中高生の患者さんもいらっしゃいます。

通院が困難な人の慢性疾患を見つける訪問診療

先生は訪問診療にも取り組んでいるそうですね。

前田邦彦院長 まえだ眼科3

対馬は病院に行こうと思えば車で1時間かかるという人も多く面積が広いため、各地に訪問して眼科検診を行っていたのですが、その時に白内障や緑内障といった慢性疾患が見つかることがよくありました。特に緑内障は自覚症状がないため、通院が困難な人の病気を見つけることが難しいんです。失明に至る怖い病気でもありますし、こちらから出向いて病気を発見するというのも重要な役目と考えています。そのため、こちらでもニーズがあるのではないかと考え、開業当時から訪問診療にも積極的に対応しています。眼科の訪問診療はあまり聞いたことがないかもしれませんが、高齢になって通院できない方、寝たきりの方などからの希望も多いです。

手術経験が豊富なことも先生の特徴の一つですが、今はどのような手術に対応されているのでしょうか?

離島医療に携わっていたことから、白内障や緑内障、糖尿病網膜症の患者さんの外科治療をたくさん経験してきました。現在では白内障や緑内障、眼瞼やレーザーの手術などを行っています。緑内障については症状の進行を抑えるための点眼治療がメインなのですが、点眼では難しい場合には手術を行います。網膜剥離や硝子体出血などで硝子体手術を必要とするような疾患は、大学病院など高度医療機関をご紹介するようにしています。

些細な相談であってもしっかり検査を行うとお聞きしました。

前田邦彦院長 まえだ眼科4

例えば目にごみが入ったという主訴だとしても、実際見てみるとほかの病気が隠れていることがあります。自覚症状がないまま進行する慢性疾患もありますから、長く眼科を受診していないという人も機会を捉えて検診を受けてみてはいかがでしょうか。健康診断では眼圧を計測するケースがありますが、日本人には正常眼圧緑内障が多いので、精密な診断のためには、眼底写真を撮る必要があります。特に40歳以上からは20人に1人が緑内障に罹患しているともいわれているので、40歳になったら一度眼科を受診することをお勧めしています。また糖尿病の診断を受けた人も、定期的に眼科を受診することが肝要です。糖尿病網膜症は早期には自覚症状がないので、1年に1度は眼底の検査を受けるようにしましょう。

コンタクトの処方からドライアイ治療まで幅広く対応

コンタクトレンズや眼鏡については、インターネットや量販店で購入される方も多くなりましたね。

前田邦彦院長 まえだ眼科5

当院は院内でコンタクトレンズと眼鏡を処方しているのですが、医療器具なのできちんと医療機関を受診したほうが良いと思っています。コンタクトレンズに関しては材質が悪いものを装用していたり、装着時間が長かったり、消毒やケアが不十分だと目に傷がつき、角膜炎や結膜炎を引き起こすことがあります。角膜炎は、処置が遅れて重症化してしまうと失明することもあります。皆さんが思っているよりもコンタクトレンズは危険な面があります。少なくとも半年に1度は受診して、目に異常がないか、視力は変わっていないかを調べてください。眼鏡もそうですが、度数が合っていないと目に負担がかかり、疲れ目や頭痛の原因になります。また目の病気が隠れていることもあるので、定期的な受診が肝心だと思います。

リモートワークやリモート授業が増え、疲れ目、ドライアイも増えているとか。

相談は増えている印象ですね。ドライアイは症状がない人もいますが、一般的には目が乾く、目が疲れる、違和感がある、異物感がある、充血するといった症状があります。もちろん軽度な場合は市販の目薬でも構いませんが、日常生活に支障があるようであれば眼科を受診したほうが良いでしょう。黒目の表面に傷がついたり、結膜炎を起こしたりしますし、医療機関でなければ処方できない点眼薬もありますので、気になる方は気軽にご相談ください。

最後に目のケア方法についてアドバイスをいただけますか?

前田邦彦院長 まえだ眼科6

目を温めることをお勧めしています。目の周囲を温めると血流が促され、目の疲れが取れやすくなります。ドライアイの症状の軽減にもつながります。現代ではスマートフォンやパソコンが普及し、仕事や学校もリモートが増え、皆さん目が疲れている状態です。特に成長期のお子さんは近視の度数が進みやすいので注意が必要です。スマホなど近くを見る作業は30分くらいたったら5分ほど遠くを見て、リラックスしましょう。

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