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原田 直之 院長の独自取材記事

東比恵内科

(福岡市博多区/東比恵駅)

最終更新日:2024/09/10

原田直之院長 東比恵内科 main

「培ってきた漢方の知識と診療経験を生かせれば、西洋の内科治療のみでは解決できない症状の緩和が望め、治療効果の向上にもつながると考えています」。そう穏やかな表情で話すのは「東比恵内科」の原田直之院長だ。2024年に同院を継承し、これまで同様地域に根差した診療を行っている。原田院長は、遺伝子計測機器開発の研究職を経て医師をめざした、バイタリティーあふれる人物。そして、内科のみならず、呼吸器や漢方分野の専門家でもある。原田院長は、西洋医学の思想が「分析」なのに対し、東洋医学の思想は体全体を整える「統合」であると考え、「その両側面の併用で相乗効果を図り、改善をめざすのが私の診療スタイルです」とほほ笑む。そんな原田院長の背景にもふれながら、同院の診療内容を詳しく聞いた。

(取材日2024年5月23日)

遺伝子計測機器開発の研究職を経て、医師をめざす

まずは、社会人を経て医師になられた経緯からお聞かせいただけますか?

原田直之院長 東比恵内科1

私が小中高生の頃はゲームなどコンピューターブームでしたので、大学はそういった方向に進みたいと思い、情報工学部を学べる大学へ進学し、その後、大学院まで進みました。当時、世界的な機運として人間の一般的な遺伝子解析完了をめざすヒトゲノムプロジェクトが進行しており、卒業後に入職した企業の研究所も国家プロジェクトへ参画し、遺伝子計測機器の開発とともに、得られた情報を解析するシステム開発を行っていました。今でこそ種々の技術が医療に応用され、各分野での治療内容が劇的に変化しましたが、当時は治療に生かされるまでには相当な時間を要すること、個々人の体質を考慮した医療というには、まだ入り口にすら立てていない現状に限界を感じる日々。その一方で、母が太極拳の指導者をしていたこともあり、高校時代から中国武術に親しみ、東洋の医学思想にも大きな影響を受けていました。

医学の分野にも興味を持っていたのですね。

西洋の医学思想が「分析」手法をもとに普遍的知識を持って異常を正していこうとするもののであるのに比べ、東洋の医学思想は体全体のふるまいをそのまま捉える「統合」を基盤として、個人に合わせて異常を調和させていくものと私は考えています。先進的な医療の基盤となる業務内容と、その対極にある趣味でもあった中国武術と養生の考え方との間で葛藤があり、次第に個人の健康や養生に携わる仕事がしたいと考えるようになりました。転職するにあたり、関連する職種として、鍼灸師、柔道整復師、理学療法士の方に相談をしましたが、人々の生活や疾患の治療にまで本格的に関わることができるのは医師だけだと思ったんです。その結果、当時関東に住んでいたことから群馬大学医学部を再受験し、入学しました。

どのようなことを学ばれてきたのですか?

原田直之院長 東比恵内科2

当時、群馬大学には、東洋医学思想を実践している漢方診療科という領域があり、学生時代から勉強会などにも参加し、知識を身につけました。卒業後は、初期研修を経て、漢方診療科の教授が外来をしていた病院で内科を専攻すると同時に、漢方診療科も並行して継続。内科については、サブスペシャルティーとして呼吸器内科を専攻しました。これは、呼吸器内科が他の分野と比べて論理的思考を重視し、丁寧な診察を行う印象を受けたためで、過去に研究職をしていた私にとってはたいへん親しみを感じ、実際の業務でも印象どおりの診療を行うことができました。

内科・呼吸器・漢方を軸に、西洋医学と東洋医学を併用

クリニックの継承にはどのような背景があったのでしょうか?

原田直之院長 東比恵内科3

初期研修以降、地域の中核となる三次救急病院で主に診療を行っていたため、一般外来と救急科外来で重軽傷問わず、多様な患者さんを診療しました。経験を積むとともに、日本呼吸器学会呼吸器専門医と日本東洋医学会漢方専門医の資格も取得し、一区切りついたので、念願であった、患者さんの疾患の治療のみならず、体質や生活に対する考え方なども相談でき、ともに人生・生活の向上を図る場としてのクリニック開業を決意しました。それまでは、漢方診療の手ほどきを受けた教授のいる関東圏で診療していましたが、出身地である福岡県で開業しようと決めていたので、2021年に帰福。開業に先立ち、漢方のスキルをさらに向上させ開業につなげるべく、漢方の分野でよく知られる飯塚病院で研鑽を積みました。

スキルをしっかり磨いた上で継承されたのですね。

私は再受験によって、同級の医師よりも約10年遅れを取っていたので、年齢などを考えて、新規開業ではなく事業継承を前提に進めたところ、ご縁があって、前院長と事業継承の合意を頂きました。当院は、博多駅周辺という立地から患者さんの約半数がオフィスワーカーという若年の方が多く、私がめざす診療スタイルを考えると非常に期待を感じています。一般的には、内科疾患を多く抱え、症状を多数抱える高齢者の方にこそ漢方診療が適している印象を持たれがちですが、生活スタイルを見直して、治療とともにその後の重症化を予防するという、医療者と患者双方が行動する医療には、40~50代の比較的若年層の方が適していると考えています。もちろん、ご高齢の方にも内科と漢方治療の併用が治療に有用であることは言うまでもありません。

今、社会的にも漢方に注目が集まっていますが、どのようにお感じですか?

原田直之院長 東比恵内科4

新型コロナウイルス感染症の流行によって既存治療薬の選定や新規治療薬開発が難航し、漢方治療へのニーズが飛躍的に高まったように感じています。その結果、漢方薬について広く認知され、高齢化が加速する今、その必要性がますます高まっていくと予想しています。西洋の内科診療のみでは解決できない症状や疾患特有の生活への悪影響を緩和することが期待できます。また、呼吸器と漢方を専門とする医師は少ないと思うのですが、全身を多面的に診ることができるのが当院の強みです。西洋医学と東洋医学をうまく併用し、症状の改善、健康維持をめざす診療を行っていきます。

各領域の知見を生かした多角的な視点での診療が強み

まさに、院長が理想とされていたオーダーメイドの医療が受けられるのですね。

原田直之院長 東比恵内科5

そうですね。もちろん診療は、一般的な健康診断や各種予防接種、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患の診療も行っておりますし、前院長時代の患者さんも引き継いで診療していますので、さまざまな症状の方がおみえになります。その中で漢方を取り入れると良いのではと判断した場合は、患者さんへお伝えし、ご希望があれば併用した治療を行います。以前からのスタッフもそのまま在籍していて、患者さんのこともよく知っていますから、私も心強いです。診療においては、これまでの内科に、呼吸器、漢方の分野が加わり、より治療の幅が広がったと感じていただけるのではと考えています。

受診をきっかけに漢方を知る方や、その可能性に期待される方も増えそうです。

そうなることを私自身、期待しています。漢方を専門にしている医師はまだ少ないですし、特に冷えや月経不順、月経前症候群、更年期などの症状で悩んでおられる女性の方はご相談ください。男性の方でも腰痛や腰の痛み、夜トイレが近いなどの相談にもお答えしています。漢方がそもそもめざしているところは「体全体のずれを正す」ことですので、年齢問わず適用範囲は広いです。大人だけでなく、夜泣きや朝起きられないといったお子さんの不調などもご相談にいらしてください。それから、漢方というと作用が緩やかだと思われがちなのですが、慢性的な症状であっても、2週間、長くても1ヵ月後には効果が出ているかの判定をします。感染症の治療では即効性を期待して使用する漢方もありますので、漢方は長く飲むものという印象は払拭したいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

原田直之院長 東比恵内科6

今後もこれまで同様に、地域のかかりつけとして貢献できるクリニックでありたいです。過去に内科や呼吸器内科の診療を経験された方は多いと思いますが、漢方の診療はどんなことをされるのかご不安な方もいらっしゃるでしょう。東洋医学では独自の診療方法で、足のむくみや冷え、脈、舌、おなかを診るのが基本で、特に重視するのはおなかの触診です。おなかから得られる情報は無数にありますので、それらをもとに適した漢方を処方して様子を見てもらい、必要に応じて次の診療につなげます。私自身、会社勤めの経験もあり、子育て真っ最中の親でもありますので、無理せざるを得ない状況や子育ての悩みや大変さも理解できます。何かしらご自身やご家族の不調を感じている方は、お気軽にご相談ください。

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