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穴井 堅能 院長の独自取材記事

引野口循環器クリニック

(北九州市八幡西区/穴生駅)

最終更新日:2024/09/05

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック main

北九州都市高速・西鉄バス「黒崎インター引野口」バス停留所から徒歩1分という交通の便に優れた場所に位置するのが「引野口循環器クリニック」だ。1998年に穴井堅能(けんのう)院長が開業した同院は、もともとは院長の義父が産婦人科として診療していたとのこと。循環器のクリニックとして生まれ変わってからは、地域住民に親しまれる頼れる存在だ。循環器だけでなく、内科全般を診てもらえるところも特徴の1つ。「地域のかかりつけ医として、必要であれば夜中でも対応しています」と語る院長は、外来の患者を診ながら北九州市医師会長もしている。手入れされた白い髭がトレードマークの院長には、「毎朝孫の世話をして出勤するのが日課」という、ほほ笑ましい一面も。そんな院長に、クリニックの特徴やこれからの展望などを詳しく聞いた。

(取材日2022年10月13日/情報更新日2024年9月2日)

地域密着型のかかりつけ医として患者に寄り添う

これまでのご経歴と、医師をめざされたきっかけを教えてください。

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック1

私は福岡大学出身で、心臓血管外科で医学を学びました。のちに、鹿児島や北九州の病院に数年ずつ勤めた経緯があります。その他の期間はすべて福岡大学で研鑽を積んできました。それからここで開業するという流れになってから20年以上、地域住民の健康を守るべく、日々診療を続けています。医師をめざしたのは、家族に先天性の心臓病がある人がいたので、同じような病気の人を助けたいと思ったのがきっかけです。その家族は私が学生の時に亡くなりましたが、それまで入退院を繰り返している姿を見ていてつらかったですね。もともと私は熊本出身で、父は杖立温泉で旅館を経営していたんです。私が医師をめざすことになったので、後に旅館は閉館しました。今は地域のかかりつけ医として人の役に立つことにやりがいを感じています。

患者さんの主訴や年齢層はどのような感じでしょうか。

当院は開業して20年以上たちますが、ほとんど地域の方が来られますね。やはり若い方より高齢者が多いと思います。循環器の疾患を持っている方たちですから、ある一定の年齢以上になりますね。循環器の看板を掲げているので、血圧が高かったり不整脈があったり循環器系に何かがあって来られる方や、コレステロール値が高いとか、歩くと胸が痛いとかも結構あります。若い方でも血圧が高い人もいますし、先天性の心臓病があると通院されていますね。病院でステント手術や弁置換術を受けられた方、ペースメーカーを入られている患者さんの術後フォローアップも行っています。とはいえ、内科全般を診ますから、いろんな患者さんが来られますよ。

他のクリニックなどと連携を取られているのだとか?

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック2

はい、そうなんです。診察をして私の専門ではない患者さんは、迅速に他の病院を紹介しています。大きな病院であれば九州病院、萩原中央病院、製鉄記念八幡病院、済生会八幡総合病院、北九州市立八幡病院、産業医科大学病院などが主な紹介先です。必ずしも大きな病院にだけ紹介するのではなく、必要であればクリニックにも紹介しています。患者さんの病状によって適切に判断することが求められますから、日頃から周囲の病院との連携は大事にしています。

いつでも患者の立場に立ち、丁寧な診療を心がける

どのようなことを意識して患者さんと接していますか?

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック3

日本医師会が作っている「医の倫理綱領」を基本にして、患者さんと接しています。つまり、「患者さんには優しく丁寧に接する」とか「医療従事者と協力し合いながら患者さんに医療を提供する」などを指します。医師として当然知っておくべきことなのですが、つい忘れてしまいがちなんですね。当たり前のことを毎日こなすのは意外と難しく、意識していなければできません。ですから私は入り口に「医の倫理綱領」を貼って、忘れないようにしています。長く通ってくださる患者さんとはフレンドリーに接していますが、常に敬語で話すことを徹底しています。それは看護師も同じです。患者さんと医師は対等の立場ですから、上から目線になったり、なれなれしくなったりしないように気をつけています。そういった対応が患者さんとの信頼関係を築くものだと思っています。

先生と看護師さんのコミュニケーションも良好なようですね。

看護師は現在4人在籍しています。看護師長は、当院が開業した当初から勤めていて、もう1人もその2~3年後からいます。実は看護師長は30年以上前に鹿児島で一緒に働いていたことがあって、ここの地に来てからもまた一緒に働いているんですよ。そんな不思議な縁もあるものですね。そういうわけでベテランの看護師たちと患者さんとのコミュニケーションも良好です。私だと患者さんに聞きにくいと感じるようなプライベートなことを、看護師たちは知っていることもあるんですよ。それだけ患者さんとの信頼関係ができているということで、私はうれしく思います。もちろん、看護師たちも「医の倫理綱領」を自然と取り入れて患者さんと接していますよ。

クリニックには運動療法のためのジムや発熱の外来もあるのだとか?

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック4

はい。2階が運動療法のためのジムになっています。自転車4台、ウォーキングマシン4台、筋力トレーニングの道具をそろえています。サンドバッグもあるので、患者さんが思いっきり殴ってストレス発散していますよ。楽しみながら運動ができるので、ここに通われる患者さんは長続きしています。現在は新型コロナウイルス感染症流行によりでジムを予約制にしていて、火・水・金曜日にそれぞれ1日4人まで利用可能です。また、発熱の外来は当院の駐車場の横に小さなスペースを設けていて、発熱がある患者さんはそちらにご案内しています。一時期は新型コロナウイルス感染症の陽性者が1日40人も出る日がありました。今は落ち着いてきましたが、冬に向けてインフルエンザも増えてきますから、引き続き対応していきます。

もともとは運動療法をメインにするために開業

2階のジムはどのような患者さんが利用されているのでしょうか。

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック5

まず第一に、普段から少なからず歩く習慣のある人が利用しています。その上で、雨で外を歩けない日があったり暑さ寒さで歩けない日があったりする時に、当院を利用する方が多いです。自発的に歩く習慣のない人がここに来て機械を使って歩くことはありませんね。なので「自分で運動してみる」という最初の一歩を頑張って踏み出してほしいです。高齢者であれば、デイサービスなどを利用して少しずつ歩くことを始めてみるのがいいのではないでしょうか。ちなみに、ジムを利用の際は一応「診察」というかたちをとっているので、再診料をいただいています。新型コロナウイルス感染症が収束したら、男女別に3つずつ備えているシャワーブースも解放したいと思っています。

こちらのジムを利用するメリットなどはありますか?

健康運動指導に関する専門知識を持ったスタッフがつき、個人に合った適切な運動量を把握した上で運動できるところです。速さや時間など、定量的に運動をするというのはとても大事なんですよ。自分に無理のない範囲で始めて少しずつ伸ばしていく方法が長く続ける秘訣で、ここではそれが実現できるんです。運動量が多すぎても少なすぎても変化がありませんし長続きしませんからね。それを、適切な指導のもとで実行できるところが最大のメリットだと思います。指導にあたるのは専門的な知識がある人ですから、安心して指導を受けてくださいね。実は私の妹もスタッフの一人で、火・水・金曜日に来て指導しているんですよ。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

穴井堅能院長 引野口循環器クリニック6

将来的には在宅医療を行いたいと思っています。外来だけではカバーしきれないことが多いですから、個人のお宅に伺って食事や運動のアドバイスをしたいですね。医師会長の任期を終えたら在宅医療を視野に入れて活動する予定です。また、以前は2階で行っていた、栄養士による食事指導もいずれは再開したいですね。食事と運動を適切に管理できる環境をもっと整えたいと思います。当院に来られる患者さんの半数以上が高血圧ですから、普段から食生活に気をつけて運動を意識的に取り入れてほしいです。また、寒い季節は循環器の病気が増えますから、特に朝起きた時と入浴時は気をつけてください。患者さんには、何かあった時に頼れる「かかりつけ医」を持ってほしいですね。2024年4月からは火曜日と金曜日の午後診療を息子に担当してもらうようになり、親子2人でどんなことでも相談に乗りますので、まずは気軽に足を運んでいただきたいです。

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