全国のドクター14,035人の想いを取材
クリニック・病院 156,450件の情報を掲載(2025年11月13日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 北九州市八幡東区
  4. 八幡駅
  5. 医療法人 原内科循環器科クリニック
  6. 原 洋 理事長、原 健人 院長

原 洋 理事長、原 健人 院長の独自取材記事

医療法人 原内科循環器科クリニック

(北九州市八幡東区/八幡駅)

最終更新日:2025/10/24

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック main

北九州市八幡東区祇園にある「原内科循環器科クリニック」。原洋(ひろし)理事長による1994年の開院以来、地域のかかりつけとして多くの患者を支えてきた。2021年に院長に就任した原健人先生は、医療と介護の垣根をなくし、クリニックとデイケアが一体となって支援できる体制づくりを進めている。2025年にはデイケアフロアを全面リニューアルし、「屋内で屋外のような心地良さ」をテーマに空間を刷新。「ご高齢の方が住み慣れた家で、できる限り自分らしく過ごせるよう支えたい」という健人院長の思いが、医療と介護の現場に息づいている。今回は、健人院長に注力しているデイケアやリハビリテーションについて、洋理事長に今後の展望について聞いた。

(取材日2025年9月30日)

循環器だけではない幅広い領域への対応力が強み

こちらは理事長であるお父さまが開院したクリニックだそうですね。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック1

【健人院長】ええ、父が久留米大学病院の心臓外科を経て、1994年に開院しました。私が院長に就任したのは2021年4月です。医師としては10代目になります。医師家系なものですから、親戚も医師が多く小さな頃から当たり前のように医療が身近にありました。自宅は福岡市内の旧市街でしたので、地域に伝わるお祭りに参加するなど、活発に伸び伸びと育ったような気がします。中学は自由な校風でしたが、長崎の規律の厳しい高校に進学してからは一変(笑)。多くの規則がある中、サッカー部で3年間過ごした後、久留米大学医学部へ進学しました。大学では空手部の主将も務め、練習で顎を骨折したことも。代々続く医師家系でしたので、子どもの頃から何となく医師になるんだろうなと思いながら育ち、大学には同じような環境で育った人がたくさんいましたので、話も合いましたし、相談することも多かったですね。

ご卒業後はどのようにキャリアを積まれたのですか?

【健人院長】久留米大学の内分泌・代謝内科へ入局し、その後は市立病院などで研鑽を重ねました。小倉記念病院では糖尿病内科の立ち上げにも携わり、食欲ホルモンと時計遺伝子の研究、救命救急、そして2020年まで勤務した病院では新型コロナウイルス専用の病棟も担当しました。日本内科学会総合内科専門医と日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を持っていますが、それ以外にも幅広く経験を積ませてもらい、何でも診られる医師を目標に取り組みました。当院で診療を開始してからも、風邪や生活習慣病はもちろん頻尿や腰痛、頭痛など専門分野にとどまらない症状を可能な限り診させてもらっています。その診療内容の幅広さと対応力は自負するところです。もちろん対応が難しい場合は紹介状を書きますが、自分の専門分野だけという診療スタンスではまったくないんです。

院長に就任されてから院内のシステムも一新されたそうですね。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック2

【健人院長】診療部門・介護部門の両方で、連携を最優先に体制を整えました。電子カルテをはじめ、院内の情報共有はすべて一元化し、職員からの報告がリアルタイムで私の端末に届く仕組みです。「患者さんの体調が優れないようです」といった報告が入れば、その瞬間に対応の指示を出せるようになっています。医療的な対応に移るまでのタイムラグを最小限にすることが目的です。こうした体制づくりを進めたのは、地域のご高齢の方々が最後まで住み慣れた自宅で、自分らしく過ごせるよう支えたいという思いから。診療と介護を分けずに、一つの歯車として動かしていくことで、よりきめ細かな支援を実現しています。

デイケア施設を細部にこだわり全面リニューアル

デイケアとデイサービスの違いを教えてください。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック3

【健人院長】大きな違いは、医師が日常的に関わっているかどうかです。デイサービスは生活支援を主としていますが、デイケアでは医療の目を持ちながらリハビリテーションや健康管理を行います。また、当院のデイケアでは「会話」を何よりも大切にしています。昼食時には私や理事長も一緒にテーブルを囲み、自然な会話の中でその日の体調や気分を感じ取ります。時には、患者さんがこれまでどんな人生を歩んでこられたのか、どんなお仕事をされていたのか、逆に自分の家族の話をすることもあります。それが人間の本質だと思うんですよね。家にこもってばかりいると、気持ちが沈みがちになりますから。また、人と会話をすることは認知症をはじめ、さまざまな病気の予防にもつながると思います。会話を通して笑顔が増えたり、意欲が湧いたりすることも多く、心が前向きになることにもつながっていると感じますよ。

デイケア施設のリニューアルについて教えてください。

【健人院長】2025年にデイケアフロアを全面的にリニューアルしました。単なる改装ではなく、「利用者さんが過ごす時間そのものを豊かにする」ことを目的にしています。設備やデザインの選定はすべて、どうすれば心が安らぐか、どうすれば前向きになれるか、という視点から考えました。光の入り方や音の響き、素材の手触りといった感覚的な部分まで丁寧に設計し、医療施設でありながら居心地の良い「もう一つの居場所」をめざしています。「自分のためのぜいたくではなく、患者さんや利用者さんのために資源を使いたい」というのが私の基本姿勢です。医療も介護も、環境の力で人の心が変わる。そのことを、このデイケアを通して感じていただければと思います。

そこまでこだわった先生の思いを聞かせてください。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック4

【健人院長】私は、これまで日本の発展を支えてこられたご高齢の皆さまに、心から敬意を抱いています。戦前・戦後の混乱期を乗り越え、家族や社会のために懸命に生きてこられた方々が、今の豊かな日本を築いてくださいました。そうした世代の方々に、人生の最終章を穏やかに過ごしていただくことが、私たち世代の責任だと感じています。「もう年だから仕方ない」ではなく、「今まで頑張ってこられた方々を、どれだけ大切にできるか」を考えながら日々の診療に臨んでいます。デイケアのリニューアルも、その敬意を形にした取り組みの一つです。設備や空間づくりに力を入れるのは、単に快適さのためではなく、「この場所で過ごす時間を誇りに思ってもらいたい」からです。ご高齢の方々が笑顔で過ごす姿を見るたびに、私たちが支える意味を改めて感じます。

医療や介護を、もっと前向きで誇りを持てる環境へ

デイケアは、送迎つきの体験も実施されているのですね。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック5

【健人院長】そうですね。雰囲気を知っていただくためにもまずは体験をお勧めしています。ご希望の際は、ぜひご連絡ください。私自身、ご利用いただいている方や患者さんから教わることがたくさんあり、皆さんが教科書だと思っています。どんなことを伝えたいと思われているのか常に理解し、想いをくみ取れるよう努めていますので、こんなこと言っていいのかと躊躇するような些細なことでも構いません。気軽にお話しください。

リハビリテーションにも注力されているそうですね。

【健人院長】リハビリテーションは、その方の身体状況や生活背景を丁寧に把握した上で、個別のプランを立てています。プログラムだけでなく、コミュニケーションを通じて心が元気になればと思い、環境づくりを重視しています。スタッフも利用者さんとの会話を欠かさず、日常の中での小さな変化を拾い上げてくれています。医療と介護が一体になって動くことで、利用者さんの「その人らしさ」を守りながら回復をめざすことを支援できるのが当院の強みです。総勢18人のスタッフが、それぞれの専門性を生かしながら一人ひとりに寄り添うケアを実践しています。

最後に、クリニックの今後についてお聞かせください。

原洋理事長、原健人院長 医療法人 原内科循環器科クリニック6

【健人院長】これからの医療や介護は、空間もサービスもどんどん進化していくと思います。ただ、どんなに技術が進歩しても、人の温かさや心の通い合いは変わらないはずです。だからこそ、私たちは「人が前向きになれる医療」を追求していきたいです。高齢者施設も病院も、もっと明るく、誇りを持って通える場所に。それくらい医療や介護に対する概念を変えていきたいです。
【洋理事長】彼に院長を引き継いで4年になります。私たちの世代はアナログの時代に育ち、働きぬいてきた世代です。今の若い世代はデジタルを自在に扱い、新しい発想で医療を前に進めてくれています。その姿を見ていると、安心して任せられると感じます。テクノロジーの進歩を活用しながらも、人として大切な本質の部分も忘れずに、これからも親子2代で、それぞれの時代に合った形で地域の医療に貢献していきたいですね。

Access