大原 延年 院長、大原 武代 副院長の独自取材記事
大原小児科医院
(北九州市戸畑区/戸畑駅)
最終更新日:2024/09/25
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院 main](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_banner_url/79580/85742_top_2.jpg)
戸畑区役所バス停留所から徒歩約5分。「大原小児科医院」は閑静な住宅街の中にある。同院はもともと、現在の院長である大原延年先生の祖父が1932年に開業した。その後、父が2代目となり、延年院長は3代目として1994年に継承して30年がたつ。妻で副院長の大原武代先生も、小児科の医師として日々診療にあたっている。駐車場は20台分のスペースが確保され、車でもアクセスしやすい。また、ジェンダーレスな時代に合わせて院内の内装や診察券など、細部にわたって「男女」という区別をしない配慮をしているところも特徴だ。「核家族の時代で子どもに関する悩みを相談できない人が増えているため、ぜひ当院を利用してほしいです」と語る延年院長。今回は、延年院長と武代副院長に、患者や地域住民への思いなどについて詳しく聞いた。
(取材日2024年6月1日)
祖父の代から築いてきた患者との信頼関係を大切に
クリニックの歴史についてお伺いします。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院1](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url1/79580/pc_DF_1_Z57575_20240601___19_.jpg)
【延年院長】祖父が1932年に開業した当時は、小児科というものが目新しい学問だったそうです。内科の医師が子どもを診療するのが一般的だった中で、小児科を単独で標榜することに非常に興味を持ったようですね。今でもこの地域に小児科は少ないのですが、昔はもっと少なかったと思います。祖父の次に父が2代目として継承したものの、父が他界して一時期クリニックを閉院していた時期がありました。私はその当時、市立戸畑病院に勤めていたのですが、クリニックを改装して継承することを決意しました。やはり長年通ってくれていたり、親子にわたって当院を利用してくれていたりする患者さんのことを考えると、引き続き地域に貢献したいと思いましたね。そうやって通ってくれる患者さんを、これからも大切にしていきたいです。
院内でこだわったポイントなどはありますか。
【武代副院長】院内の壁や天井は、黄色やピンク、オレンジなどカラフルにしています。子どもたちが、明るくなったり楽しい気持ちになったりしてくれたらいいなと思っています。また、最近お手洗いを改装したのですが、黄色を基調にして照明も明るい黄色、そして子ども用のスペースにはキリンの絵を描いています。ジェンダーレスの時代に、男女を区別しない色である「黄色」をあえて選んだのです。また、お手洗いを子どもが1人で利用することを考えて、手を挟まないようドアの「つがい」の部分にアクリル板のようなものを設置しています。そして私の診察室の壁紙はピンク、延年院長のほうは水色と分けていて、ちょっと雰囲気が変わるようにもしているのですよ。
どのようなスタッフさんが働かれているのでしょうか。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院2](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url2/79580/pc_DF_2_Z57575_20240601___13_.jpg)
【延年院長】看護師も受付も、みんな長く勤めてくれているベテランばかりです。子育てに関してもベテランの人がほとんどなので、患者さんへの対応も慣れていますよ。スタッフと患者さんのコミュニケーションも良好ですので、長く通ってくれる方が多いのではないかと思います。ありがたいことですね。
【武代副院長】一番若い受付のスタッフは、もともと当院の患者さんだったのですよ。その人のお子さんもここに通ってもらっています。昔から当院を利用してくれていて、ある時「ぜひここで働きたい」と言ってくれたので今一緒に働いています。そういうご縁があるのもうれしいですよね。ちなみに、院内をリフォームする際のデザインや配色などは、スタッフの意見をかなり参考にしています。みんなで一緒にクリニックをつくり上げる感じです。
患者の言葉だけではなく様子からも気持ちをくみ取る
患者さんからは、病気以外の子育てに関するお悩みやご相談も多いそうですね。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院3](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url3/79580/pc_DF_3_Z57575_20240601___11_.jpg)
【武代副院長】そうですね。子育てに関するすべてのご相談を受けます。ちょっとしたケガや湿疹などのお悩みも多いですね。あとは小さいお子さんの成長や状況に関して「これは当たり前なのか?」「よくあることなのか?」という疑問を持たれる親御さんが多いです。周りに相談する人がいない場合、夫婦で悩んでしまうことがあるのでしょうね。そんな時にも、当院にお問い合わせください。もし、子育てについて誰に聞いたらいいのかわからず悩んでいる親御さんがいたら、ぜひ私たちにご相談いただきたいです。子育ては些細なことでも気になるものです。どのようなことでもいいので、悩みを解決しながら前に進んでほしいと思います。
離乳食や食事のアドバイスは、どのようにされていますか。
【延年院長】主に健診の際に、アドバイスしています。北九州市は個別健診を行っていますので、その子に合った食事の助言ができる点は、患者さんにとっても有益なのではないかと思います。私たちも親御さんからヒアリングして、その子の特徴を把握しながら対応するよう心がけています。
【武代副院長】好き嫌いが激しい子や何でも食べる子、自分で手づかみで食べる子、逆に食べさせてもらわないと食べない子など、本当にいろいろなお子さんがいます。それぞれ好みがあったり家庭環境によって食事が違ったりするのは大人も同じです。ですので、ご家庭の状況を聞きながらお子さんが健やかに成長できるような食事のアドバイスをしています。やはり飲食は生活の中で重要な要素です。食べたり飲んだりすることが次の成長へ結びつきます。そうやって、すべてがつながっていくのですよ。
患者さんへの対応で配慮されていることや気をつけていることを教えてください。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院4](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url4/79580/pc_DF_4_Z57575_20240601___54_.jpg)
【延年院長】当院は医師2人体制で診療していますので、できるだけ患者さんに時間をかけてじっくりお話を聞くようにしています。できれば来院してもらった時に親御さんの悩みも解決できるように心がけています。親御さんが不安なまま帰ると、お子さんの症状にも影響するように思いますので、安心して帰ってもらいたいです。そして最近は、お父さんがお子さんを連れてくることも多いです。「夫婦で子育てを頑張っているのだな」と感じますね。ご両親の労をねぎらうような気持ちで診察しています。
【武代副院長】地域のかかりつけ医として、病気でなくても頼ってもらえるような環境をつくりたいですね。ですので、ちょっとしたお悩みにも寄り添い、すぐに元の生活に戻れるようなアドバイスができればいいなと思います。患者さんの生活環境や状況を考慮しながらいいアイデアを提供することを心がけています。
どのような小さなことでも気軽に相談してほしい
患者さんにとって受診しやすい環境が整っていますが、具体的にどのような工夫をされていますか。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院5](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url5/79580/pc_DF_5_Z57575_20240601___77_.jpg)
【延年院長】当院では受付をオンラインで行っています。「順番が近づいてきたので来院してください」というようなお知らせをすることで待合での混雑を避けられ、感染症の予防にもなります。ギリギリまで車で待たれる患者さんもいることから、駐車場を20台停められるように広くしたのですよ。また、予防注射や健診は他の患者さんと重ならないように別枠で時間を確保しています。でも時間が合わないという患者さんには、個別で臨機応変に対応していますのでご相談くださいね。
先生方の子育ての経験を伝えることも、患者さんにとって心強いアドバイスになりますね。
【武代副院長】子育てに関して、親御さんは小さなことでも気になるものです。でもあまり神経質にならずに、悩みすぎないようにしてほしいですね。ここでいろいろと話をして、安心して帰ってもらいたいです。また診察中は子どもだけでなく親御さんの表情や様子、雰囲気を見ながら会話を進めることもあります。親から睡眠不足や疲れを感じ取れれば、声かけをするようにしています。かかりつけ医として、お子さんの成長を一緒に見守るつもりで患者さんと関わっていますよ。
患者さんや地域住民へのメッセージをお願いします。
![大原延年院長、大原武代副院長 大原小児科医院6](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctordf/img_url6/79580/pc_DF_6_Z57575_20240601_-_76_.jpg)
【延年院長】とにかく当院を気軽に利用してほしいですね。ちょっとしたご相談であれば、お電話でお答えできることもあるかもしれません。私たちが一緒に解決に向けて動きますので、ご両親だけで悩まず何でもお話しくださいね。
【武代副院長】最近は共働きのご家庭が非常に多いため、お子さんの薬をできるだけ少なく、1日2回で済むものにしたり保育園や学校に持って行きやすい薬を考えたりしています。また親御さんがどんなに一生懸命お子さんと向き合われていても、一瞬目を離した隙に子どもがケガをしてしまうこともあると思います。ですがその時に、ご自分を責めすぎないようにしてほしいですね。何かあればすぐ来ていただき、状況を確認しますので当院を心のよりどころにしていただけると幸いです。