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寺谷 禎史 院長の独自取材記事

大西クリニック

(今治市/大西駅)

最終更新日:2023/06/05

寺谷禎史院長 大西クリニック main

旧大西町の国道196号沿いにある「大西クリニック」。寺谷禎史(てらたに・よしふみ)先生は、縁あって2022年1月に新院長に就任。1992年の開業以来、地域の幅広い患者に親しまれてきた同院を初代院長の曽我部仁史先生から引き継ぎ、地域密着の診療に力を注いでいる。専門とする循環器内科のみならず、内科全般の診療にも注力。風邪や生活習慣病、心疾患など幅広い症状の患者を診ている。予防的な健康診断からプライマリケア、リハビリテーション、介護施設と連携した在宅ケアまでトータルな医療サービスの提供を目標に掲げる寺谷先生に、地域のかかりつけ医としての想いなどを聞いた。

(取材日2022年10月26日)

病診連携を強化し、医療と介護をつなげた支援を

クリニックの診療体制について教えてください。

寺谷禎史院長 大西クリニック1

心臓血管外科のスペシャリストである今治第一病院の理事長、曽我部仁史先生が開業されたクリニックですので、もともと外科に強いクリニックでした。私は当院唯一の内科医師として赴任しました。現在も今治第一病院から心臓血管外科、消化器外科などを専門とする先生に来てもらい、外科と内科の2分野で地域の患者さんの幅広い症状、疾患にお応えしています。当院は地域密着のクリニックですから、小児から100歳を超える高齢者の方まで、疾患も風邪から生活習慣病、不整脈や心不全などの心疾患、外傷までと幅広いのが特徴です。また通所リハビリテーションを継続して利用されている患者さんも多いですね。

手術が必要な患者さんについては、今治第一病院と連携されているそうですね。

例えば当院の患者さんで、心臓や血管の手術や腹腔鏡や内視鏡を使った手術、下肢静脈瘤の手術などについては、今治第一病院との連携によりトータルでの治療をご提供しています。また当院で診察した結果、より専門的な検査や手術が必要な場合は、今治第一病院に限らず、地域の医療機関との病診連携(地域の病院と診療所が役割を分担して連携すること)を強化し、迅速に紹介を行っています。地域の便利な医療機関として、最初に頼っていただける存在でありたいと願っています。

介護施設も併設されていますね。

寺谷禎史院長 大西クリニック2

2007年に開所した「シルバーステーション オリーブ」は、介護つき有料老人ホーム、地域密着型通所介護(デイサービス)、居宅介護支援事業所を展開しています。医療と介護が連携し、すべて目の届く範囲で完結できるので、利用者さんもご家族さまにも安心して利用していただけるのではないかと思います。また当院では通所リハビリテーション(デイケア)も開設し、理学療法士によるサポートで身体機能の回復、維持のための取り組みにも力を入れています。脳梗塞などで麻痺が残る方、骨折して筋力が低下している方のリハビリが多いですね。温熱療法や電気治療の器具も取り入れています。

人を診る、それが地域のかかりつけ医としての務め

院長に就任されるまでのご経験について教えてください。

寺谷禎史院長 大西クリニック3

出身は兵庫県なのですが、愛媛大学医学部への進学を機にこちらに住んでいます。実はもともと循環器は苦手科目でもあったのですが、循環器科の研修で指導してくださった先生がとても良くしてくださって、この道を志すことにしたんです。今となっては経験も豊富になり専門として自信を持っていますし、この道を選んでよかったと思っています。卒業後は松山市民病院循環器内科、よつば循環器科クリニックに勤務しました。よつば循環器科クリニックはカテーテル治療の症例が多いクリニックでしたので、カテーテルの経験を深めることができたのは大きかったです。基幹病院や専門クリニックでの診療を経験して、次のステージを考えていた矢先、こちらの前院長の曽我部先生が後継者を探しているという情報を得まして、応募させていただいたんです。

大西クリニックに赴任してから、診療スタイルに変化はありましたか?

松山市民病院やよつば循環器科クリニックの時代は、命に関わる心疾患の患者さんが多かったので、検査結果を確認し経過を注意深く診ていくことに注力していましたが、今は患者さんご本人をしっかり目で見て、聴診器で音を聞いて確認していくことのほうが大切だなと思うようになりました。これは内科全般を診るようになったから気づけたことでもあると思います。検査結果ではわからない食生活や普段どのくらい動いているか、喫煙や飲酒などのライフスタイルについても、丁寧にお伺いするようにしています。

患者さんを診るために心がけていることはありますか?

寺谷禎史院長 大西クリニック4

患者さんのちょっとした変化に気づいてあげられるようにというのが一番ですね。診療は、患者さんが診察室に入ってくる瞬間から始まっています。歩き方、仕草、表情、顔色などから感じる変化を見逃さないように心がけています。加えて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病はご本人の訴えがないとわからないことが多いので、血圧と脈拍は毎回計測しています。血圧がいつもより高い、低いという結果には生活習慣病だけでなく不整脈や脱水などさまざまな原因が隠れています。この地域は農業が盛んなので、70代、80代でも元気に農作業をされている方が多いのですが、そういった方が炎天下の作業で脱水になり、熱中症で運ばれるリスクは高いんです。

健康管理からリハビリ、介護まで包括的にサポート

院長に就任されてから新たに導入された検査や治療もあるそうですね。

寺谷禎史院長 大西クリニック5

まず、血液検査の項目を増やしました。糖尿の値や白血球、赤血球を調べられるものを導入しましたので、患者さんには採血の当日に検査結果をお伝えできるようになりました。また睡眠時無呼吸症候群の検査機器を導入しました。睡眠時無呼吸症候群は心不全憎悪の原因にもなりますので、もともと松山で診ていた患者さんにも検査やCPAP治療を行ってきました。なので、心不全の抑制につながればいいなと思い導入を決めました。それに、睡眠時に無呼吸の状態になると深い睡眠を取ることができず、慢性の睡眠不足状態になってしまうため、日中に眠気を起こし重大な事故を引き起こしてしまう……ということもあり得ます。自分ではなかなか気づけない疾患のため、隠れ睡眠時無呼吸の方を見つける必要性を感じています。

地域におけるクリニックの役割についてはどのようにお考えでしょうか?

この地域はクリニックの少ないエリアですので、やはり地域に密着して、周辺にお住まいの方々の健康管理をしっかりとできるクリニックであることが基本であると考えています。生活習慣病などをお持ちの患者さんのプライマリケアを継続的に行い、リハビリが必要な方には通所リハビリテーションを、通院が困難になった方には訪問診療や在宅ケアを、またご自宅での生活が難しくなった方には併設の老人ホームを、というふうに、なるべく患者さんが不自由、不都合なく医療を受けて生活ができるようなサポートをめざしています。

では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

寺谷禎史院長 大西クリニック6

当院は地域密着のかかりつけクリニックです。病気を診るというよりは、人を診ることを大切にしています。患者さんのQOLの維持・向上に尽力し、健康寿命をできる限り長く、そして最期までサポートできるように。大げさかもしれませんが、自分が診ている患者さんの人生を医療人として支えることができたらという想いは強く持っています。一歩踏み出していただければ、私たちができることは精いっぱいさせていただきます。ですから、困ったことや気になることがあればお気軽にご相談をいただきたいですし、ご本人が来られない場合はご家族の方に来ていただいて、不安やお悩みなどを打ち明けることのできる、ホッとできる場所になれば幸いです。

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