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永山 晋也 院長の独自取材記事

永山内科・循環器内科

(松山市/梅本駅)

最終更新日:2021/10/12

永山晋也院長 永山内科・循環器内科 main

永山晋也先生が2代目院長を務める「永山内科・循環器内科」は、父である先代院長の頃から約40年にわたり、近隣住民の健康を支えてきた。2018年に院長を継承した永山院長は、京都大学医学部附属病院での研修医時代に循環器内科のやりがいを実感。以来、いくつかの現場で研鑽を積みながら、専門を深めてきたという。勤務医時代と違い、何かあればすべて自分が対応しなくてはいけないという覚悟で患者と向き合っているという永山院長に、日々の診療についてなど、さまざまな話を聞いた。

(取材日2019年7月23日)

元気に退院する患者の姿から循環器の道を志す

医師をめざしたきっかけと、循環器内科を専門に選んだ理由を教えてください。

永山晋也院長 永山内科・循環器内科1

父がこの場所で開業してから約40年がたちます。物心がついた頃にはすでに、「後を継ぐ」という気持ちはうっすらと持っていましたが、はっきり決めたのは高校生になってからです。父の専門は消化器なので、その分野に進むことも少し考えていたのですが、研修医をしていた時に内科全般の科をひととおり回った中で、特に循環器が面白かったんです。それまでは心電図もよく読めないし、循環器って難しいものだろうという意識がありました。でも、救急で運ばれてくる患者さんが命に関わる状態だったのに、元気に帰っていく姿を見て、大きなやりがいを感じて、最終的に循環器を選びました。

循環器領域の中で、特に強みにされているのはどのようなことですか?

ずっと専門にやってきたのは狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療です。愛媛に戻る前の数年間は不整脈の治療もしていました。ペースメーカーの手術や、狭心症、不整脈のカテーテル治療など心臓の手術を経験されている方のお役に立てると思うので、ぜひその後のフォローをさせてもらえたらと思っています。また、高血圧、糖尿病、高脂血症などでコレステロールや中性脂肪の数値が高い方、喫煙する方というのは循環器疾患のリスクが高いといわれています。血糖や血圧をしっかりコントロールできれば血管の病気にはなりにくいと思うので、気になる方には気軽に来ていただきたいですね。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんもいらっしゃるそうですね。

永山晋也院長 永山内科・循環器内科2

はい。40代くらいの働き盛りの世代の方も結構いらっしゃいますね。体形でいうと、太り気味の人は寝ている時に気道が圧迫されるため、なりやすいですね。あとは顎の小さい人や扁桃がもともと大きい人もなりやすいと思います。調べるには、簡易検査として自宅での就寝時に指先と鼻に機械を装着してもらい、寝ている間の酸素濃度や呼吸がきちんと伴っているか、いびきの程度などを見ます。この病気の人は、寝ているはずなのにしっかり睡眠が取れていない。だから昼間すごく眠かったり、体のだるさを訴えられるんです。実際にデータを見ると、睡眠中の酸素濃度が下がっていて、結果として脳や肝臓、腎臓などいろいろな臓器に酸素が行き届かず、だるいなと感じる原因になっています。ご家族から「呼吸が止まっている」、「いびきがひどい」と言われて受診される方もいらっしゃいますよ。

患者の訴えに耳を傾け、重大疾患を見逃さない

今まで診てきた中で心に残るエピソードについて教えてください。

永山晋也院長 永山内科・循環器内科3

14、5年以上も前のことですが、研修1年目の時に、ある患者さんが狭心症で外来にいらっしゃったんです。検査をしたところ心臓の血管に動脈硬化が見つかり、当時、経験豊富な教授が大学病院にいらっしゃったことから、足からカテーテルを入れる治療を行うことになりました。治療開始し、初めはうまく入っていったのですが、途中の血管が完全に詰まっていたことから、カテーテルがそれ以上進まなくなってしまったのです。それで心臓も一度止まってしまって。普通に歩いて病院に来られた方だったのに、手術室を出たら自力で呼吸ができず、足から人工心肺につながった状態になっている。当時はまだ1年目で何が起こったかよくわからないし、「死んでしまったんじゃないか」とびっくりしました。最終的には良くなって元気に退院されたのですが、担当する患者さんが急変した初めての経験でした。

急変が起こると命にも関わりますから、心臓の手術は責任重大ですね。

そうですね。心臓につながる血管は3本しかなくて、太くても4ミリとか5ミリくらいなんです。そこが詰まってしまうと、カテーテルやさまざまな器具を入れて治療するのですが、血栓ができて血管が損傷してしまい急変することがあります。それが心臓の怖いところですね。先ほどの患者さんのケースでは、まだ研修医だったことから、「この方は本当に大丈夫なのだろうか」という、はらはらした思いでした。病院に泊まり込みで治療していたことを思い出します。心臓の領域では、急変は常に起こり得ると想定して気をつけないといけません。

こちらに戻ってからで印象に残る患者さんはいらっしゃいますか?

永山晋也院長 永山内科・循環器内科4

糖尿病の患者さんなのですが、「肩が痛い」とおっしゃるので話を聞いたところ、どうもこの訴えは狭心症じゃないかと感じたのです。胸が痛いという典型的な訴えではないですが、重症な糖尿病だとそもそも動脈硬化のリスクが高いし、神経障害のせいで痛みの感覚がにぶっているかもしれないと思ったんです。それで、「もしかしたら狭心症かもしれませんよ」と愛媛県立中央病院にご紹介しました。そうしたら、やはりひどい狭心症だったのです。後でしっかり治療してもらったと喜んでくださって、命の恩人だと言っていただきました。肩が痛い人のほとんどは肩凝りでしょうが、その患者さんに関しては私が循環器専門だったから見つけられたと思っています。当院で心臓疾患のカテーテル治療などはできませんが、訴えを聞きながら気をつけて診察し、大きな病気は見逃さないようにと思っています。

患者の高齢化を見据え、地域に貢献できる医院に

お忙しいと思いますが、オフの時間はどのようにリフレッシュされていますか?

永山晋也院長 永山内科・循環器内科5

もともと運動が好きなんですが、最近はトライアスロンに出ようと思って、水泳、ランニングと自転車をやっています。去年大会に出場した高校の同級生が「今年も出るから一緒にやろう」と声をかけてくれたので、トレーニングをしているところです。勤務医をしていた頃は、野球やソフトボールをしていたこともありました。でも、当直があったり、土日も勤務で参加できないことも多かったですね。オンコールで自宅待機していないといけないこともありましたし、重症の患者さんがいれば、ずっと病院にいる必要があります。そうすると練習に行けず、どうしても足が遠のいてしまうということもありました。そういう意味では、今は以前より自由な時間が少し増えたかなと思っています。

今後の展望について教えてください。

患者さんはだんだん高齢化していきますし、地域に貢献しようと思ったら訪問診療を行う必要が出てくるかもしれません。ご家族の車で通院されていても、運転する方に仕事があったりして来られなくなると、薬も飲まないことになってしまいます。そうならないように、定期的に診察できる環境をつくったほうがいいかもしれないと考えています。あとは骨粗しょう症について、これからは内科の医師も積極的に診る必要があると思っています。内服や注射など治療の選択肢は増えてきているのですが、コルセットをしている患者さんに聞くと、お薬は飲んでいないという方もいます。管理が行き届いていない場合は、治療をお手伝いすることができますし、寝たきりにならないよう、防げるものは防いでいけるよう、しっかりサポートしていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永山晋也院長 永山内科・循環器内科6

若い方でも尿酸値やコレステロール、中性脂肪など、健診で引っかかったら放っておかずに必ず受診してほしいです。コレステロール値が高いのをそのままにしても、すぐにどうにかはなりませんが、10年20年というスパンで考えると確実に動脈硬化が進行します。それが脳梗塞や心筋梗塞にならないように、定期的に来ていただけたらと思います。血管は心臓から全部つながっているので、動脈硬化があると全身どこに症状が起きてもおかしくありません。当院では頸動脈エコーを導入しており、これで検査すれば、頸動脈に脂などのプラークがどのくらいたまっているかで、動脈硬化リスクの程度がわかります。動脈硬化性の疾患は自覚症状がある時は既に進行している場合が多いので、早期発見が大切なんですね。愛媛県は心疾患の死亡率が全国平均より高いといわれているので、禁煙など節制に努め、何かあれば受診していただきたいですね。

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