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相原 忠彦 院長の独自取材記事

相原整形外科

(松山市/北久米駅)

最終更新日:2021/10/12

相原忠彦院長 相原整形外科 main

松山市南久米町、国道11号沿いにある「相原整形外科」は、1990年に開院したクリニック。ベテラン医師である相原忠彦院長が、スキルを備えた看護師や理学療法士などのスタッフとともに、一般整形外科の治療を行っている。症状の改善だけでなく、症状の背景にアプローチする治療計画を提案し、患者自身が行うリハビリテーションの指導にも力を入れている。クリニックの歩みや整形外科の医師として取り組んでいること、医師をめざしたきっかけなどを聞いた。多くの役職を歴任し、広い見識を持つ相原院長の考える「患者の立場に立った医療」についてもふれることができた。

(取材日2020年8月20日)

精度の高い検査とスピード感のある診断をめざす

クリニックを開院されるまでの経緯について教えてください。

相原忠彦院長 相原整形外科1

私は1977年に杏林大学医学部を卒業した後、医局に入り、昭和の時代は大学で研鑽を積みました。故郷愛媛での開業を視野に入れ、1989年に愛媛に戻り、約1年半の松山赤十字病院整形外科勤務を経て、このクリニックを開院しました。1990年のことですから、もう30年になります。大学や松山赤十字病院で脊椎の疾患の治療を専門にしていたので、脊椎疾患の治療の手術をクリニックでも続けようと、手術室や広いリハビリテーション室も設け、リハビリ室にはプールも備えていました。現在は、麻酔科医師との時間調整の難しさもあり、全身麻酔が必要な手術はしていませんが、そういった手術が必要な患者さんがスムーズに手術治療を始められるように正確な検査と診断をスピーディーに行うことを心がけています。

現在はどのような主訴の患者さんが多いですか?

圧倒的に多いのが慢性的な腰痛、膝痛で悩んでおられる方です。患者さんの7割ぐらいを占めています。膝の痛みを症状として訴えて来られる方のほとんどが変形性膝関節症です。腰痛で来られる方は、圧迫骨折や変形性腰椎症、脊柱管狭窄症などです。最近は肩凝りや肩の痛みを訴えて来られる患者さんも多くなりました。肩凝りは頸椎症など首に原因があるケースが多いのですが、四十肩、五十肩といわれる肩関節周囲炎が肩凝りに通じているという方もいます。患者さんの年齢層的には中高齢者がほとんどで、6~7割が女性です。

診療方針についてお聞きします。

相原忠彦院長 相原整形外科2

当院では整形外科分野の幅広い診療に対応していますが、専門的な治療が必要だと判断した場合は、なるべく早く専門の先生に紹介するようにしています。「整形外科」の中にもさまざまな分野があり、専門化が進んでいますので、専門的な治療をしたほうがよい方に対しては、その分野が得意で実績のある先生をご紹介します。もちろん患者さんのご要望があれば、それに沿った病院におつなぎします。私は「なるべく早めに」が重要だと考えているので、確実性とスピード感のある診断をするようにしています。そのために詳しい検査ができるように設備の充実を図ってきました。MRIは開業から5年目くらいの時に備え、2008年には骨密度測定装置も導入しました。

整形外科医師として健康寿命を延ばす医療を提案

患者さんの多くを占める慢性的な腰・膝の痛みへのアプローチについて教えてください。

相原忠彦院長 相原整形外科3

慢性的な痛みに対しては保存療法でアプローチするわけですが、リハビリテーションが大事になってきます。物理療法も行っていますが、私は特に患者さん自身が家で行うリハビリテーションが重要だと考えています。整形外科領域の疾患の場合は、家で患者さん自身が筋力強化や可動域訓練をしっかりやるかどうかで随分違いが出るんですよ。当院では理学療法士のほか、運動器のリハビリテーションを専門に学んだ看護師が、患者さんにマンツーマンでリハビリテーション指導をしています。いつどんな運動をどれくらいすればよいのか、患者さんに応じてプランを立て、わかりやすく説明します。そしてパンフレットを見ながら実際にクリニックでやってもらい、覚えて帰ってもらうことを繰り返します。そして地道に継続することの重要さを耳にたこができるくらいお伝えしています。

先生が注力されている治療について教えてください。

骨粗しょう症の治療です。骨粗しょう症の方は転倒した際に大腿骨頸部骨折を起こすケースが多いのです。大腿骨頸部骨折は圧迫骨折と異なり、手術が必要になり、高齢者の場合、それが原因で寝たきりになってしまうこともあります。「骨卒中(こつそっちゅう)」という造語をご存じですか? これは骨粗しょう症による骨折の重篤さを「脳卒中」になぞらえて表現したものです。この骨卒中を予防し、健康寿命を延ばすためには、原因となる骨粗しょう症を治療することが大事だと考えています。骨粗しょう症は服薬による治療を行います。当院では骨量測定により服薬による骨量の増加具合を患者さんにお示し、治療の経過を確かめながら治療を行っています。骨粗しょう症の治療に取り組むことが健康寿命を延ばすことにもなるし、結果的には医療費を抑えることにもつながると思います。

骨粗しょう症の方は多いのでしょうか。

相原忠彦院長 相原整形外科4

高齢化や長寿化も背景にあるとは思いますが、増えています。骨粗しょう症は自覚症状がなく進んでいきます。腰や背中が痛いということで来院される患者さんの診察をすると、圧迫骨折なんですよ。その方を検査してみると、骨粗しょう症があるケースがほとんどです。患者層としては閉経後の女性が9割以上。閉経後の方で腰痛を訴えて来院される方に対しては、他に原因が見当たらなければ骨粗しょう症の検査をしています。背中や腰に痛みを感じる、背中が丸くなってきた、身長が若い頃に比べて5cmくらい低くなった、といった症状がある方は骨粗しょう症の検査を受けてみることをお勧めします。

開業医の立場で意見を発信し、社会の役に立ちたい

先生が医師を志したきっかけについてお話していただけますか?

相原忠彦院長 相原整形外科5

医師をめざすと決めたのは高校3年の時でした。それまでパイロットになりたいと思ったこともありましたし、社会的なことに興味があったもので弁護士や新聞記者もいいかなと考えたりしていました。ただ、自分の将来についてそれほど真剣に考えてはいませんでした。医師をしていた義兄が「ありがとうと言われるいい仕事だ」と医師という職業について話してくれたことがあり、それが背景となり、医師の道を選んだように思います。私は愛媛県立松山東高等学校でラグビー部に所属していたのですが、高校3年の時に全国大会に出場することになったんです。花園での全国大会は1月ですから、その時の同級生部員は私を含めみんな1年浪人することを覚悟しました。そして1年浪人するのであれば、そのぶんしっかり勉強して医学部を受験しようと考えたのです。当時はそんな気持ちでした。

先生のお休みの日の楽しみは何ですか?

趣味のゴルフを楽しむことです。暇があれば、ゴルフに行っています。スポーツ観戦もします。高校時代に自分がしていたので、ラグビーは特に好きですね。昨年日本で「ラグビーワールドカップ2019」が開かれた際には、日帰りや1泊で出かけて行き、数度の観戦をしました。ワールドカップは想像していた以上に良くて、期待を上回る感動がありました。一生の思い出になる時間でしたね。

先生の今後の展望をお聞かせください。

相原忠彦院長 相原整形外科6

クリニックのことで言えば、これまでどおり、患者さんのことを考えた診療、健康寿命を延ばすためのサポートを続けていきます。また、骨粗しょう症の治療の重要性について伝え広めていきたいです。3年ほど前に提案し、愛媛県医師会、愛媛大学、愛媛県の臨床整形外科医、日本整形外科学会が合同で進めてきた骨粗しょう症に関する県内調査の結果が出ますから、そのデータや論文をもとに啓発活動にも取り組もうと考えています。また、医療制度についてや、病院選びの参考になる指標づくりなどについて、開業医の立場で意見やアイデアを出していければいいと思っています。

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