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大野 尚文 院長、大野 尚徳 副院長の独自取材記事

おおの整形外科内科医院

(松山市/土居田駅)

最終更新日:2024/08/07

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院 main

2020年5月にリニューアル。1986年の開業以来診療してきた内科・消化器科に整形外科が加わり、新たなスタートを切った「おおの整形外科内科医院」。吹き抜けの明るく開放的な院内で、受付では守り神のシーサーが迎えてくれた。内科・消化器科が専門の大野尚文院長と、息子で整形外科医師の大野尚徳副院長が連携しながら地域の患者に寄り添っている。肝炎の患者が全国的に多いとされている愛媛県において、長年B型肝炎やC型肝炎の早期発見・早期治療に力を注いできた大野院長と、基幹病院の整形外科で研鑽を積んできた尚徳副院長。科は違えど、ともに検査・診断の精度にこだわり、的確な治療の提供をめざして情熱を注ぐ2人に、地域の患者への思い、診療において大切にしていることなどを聞いた。

(取材日2020年9月17日)

整形外科と内科が連携した診療体制

2020年5月にリニューアルされた経緯を教えてください。

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院1

【大野院長】1986年の開業以来、内科・消化器科の医院として30数年診療を行ってきましたが、このたび整形外科医師の息子が診療に加わることになりました。岡山県や四国各地で整形外科医師として経験を積んできた息子ですが、当院で一緒に診療をすることになった一つの決め手は、この土居田地区に整形外科のクリニックがなかったためです。当院の患者さんからも、「整形外科は少し離れたところまで通っている」というお話を聞いていました。息子が帰ってきてくれたことで内科と整形外科、一緒に診療することができるようになりました。

尚徳先生は勤務医から開業医になることに葛藤はなかったですか?

【尚徳先生】クリニックでは大がかりな手術は行いませんから、整形外科医師にとってメスを置くというのは大きなターニングポイントとなります。そこで私は、クリニックだからこそできることに医師としてのやりがいを見出していこうと考えたんです。勤務医の頃は、手術加療を選択しなければならない骨折をした高齢者の方を多く診療していました。骨折の治療をしていくうちに、骨折をさせないことや2回目の骨折をさせないことの大切さを知り、開業医として骨折するのを防ぐ予防的な診療にも力を入れていきたいと思いました。

患者さんの主訴や年齢層などはいかがでしょうか?

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院2

【大野院長】地域の開業医ですから、風邪や腹痛などの内科的な症状で来られるご近所の患者さんが中心ですが、圧倒的に多いのは高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を抱えるご高齢の方。近年は不整脈などの循環器系の症状を訴えて来られる方も増えています。あとは私の専門である肝臓病や胃腸疾患の患者さんですね。B型・C型肝炎などの患者さんは松山市外からも来られています。
【尚徳先生】整形外科では、肩凝りや腰痛、膝痛などの慢性疾患を抱えるシニア層の患者さんの通院がメインです。あとはスポーツでの捻挫や骨折などの急性疾患で来られる学生や若い方も多いですね。

痛みの原因を突き止め、意味のある治療を行う

内科と整形外科の連携について、メリットはどのような点でしょうか?

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院3

【大野院長】リニューアルしてまだ半年ほどですが、整形外科の患者さんに肝機能検査異常が見られ、詳しく検査したところ難病の原発性胆汁性胆管炎だったケースが3例もありました。肝臓を専門としている医師でも発見することが少ない珍しい疾患なのに、まさか整形外科を受診された無症状の患者さんから見つかったことに驚いています。息子が整形外科の診療で行った血液検査をきっかけに見つけることができたので、連携の良さをあらためて感じました。
【尚徳先生】検査結果をすぐに共有できるのは早期発見・早期治療につなげる上でもメリットが大きいと思います。当院の患者さんは比較的高齢の方が多いので、内科を受診された患者さんも膝痛や腰痛を抱えている場合は結構ありますから、一つのクリニックで受診していただけることは強みではないでしょうか。

それぞれの診療方針、診療において大切にしていることを教えてください。

【大野院長】特に専門とする肝炎治療においては、東京で行っている先進的な治療を松山でもタイムラグなく提供していくよう努めています。愛媛県はB型・C型のウイルス性肝炎の患者数が全国的にも多いので、早期発見し適切な治療につなげていくことが求められます。今は新しい経口抗ウイルス薬が出て、肝がん治療も向上してきています。しっかり治療を継続し、症状を抑えていきましょう。
【尚徳先生】私が開業するにあたり、診療のコンセプトとしたのは「痛みやしびれは何が問題なのかを患者さんに理解していただくこと」です。一つの検査をするにも、一つの薬の処方にも、すべてのことに意味がありますから、どこが痛いかを的確に捉え、なぜ痛いかを考えた上で、意味のある治療をご提案することが大切だと思うのです。まずは痛みの原因がどこにあるか、患者さんの症状や生活状況を聞いた上でしっかりと体を触り、どの筋肉、神経が原因か見極めていきます。

意味のある治療とは、どのような治療ですか?

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院4

【尚徳先生】不調の根本をピンポイントに治療していくことです。痛みの場所や原因がピンポイントでわかればその後の予防にもつなげられますから、慢性疾患にならないように根本を治すことに努めています。それに役立つのがエコーを用いた診断です。エコーなら神経・血管や筋肉まで見ることができ、より精度にこだわり治療を進められます。例えば捻挫の場合、これまではレントゲン検査で骨に異常がない場合は捻挫という診断で治療法も限られていましたが、エコーならどこの靱帯が伸びているか、切れているかまでわかり、局所にアプローチをできるようになるというわけです。捻挫も状態によってはギプスで固定する必要がある場合もありますから、それを見極めるためにもエコーによる検査は重要です。また、痛みの原因となる部位に薬を注入する「筋膜リリース注射」もエコーを用いて行いますので精度も上がり、安全に配慮して行えます。

健康寿命を延ばすため予防医療に注力

尚徳先生は予防にも力を入れているそうですね。

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院5

【尚徳先生】加齢により骨が弱くなってくると、1ヵ所折れたら骨折の連鎖が起こるリスクが高まります。ですから、その1ヵ所目を予防することが大事ですし、連鎖を食い止めることも大事だと考えます。高齢の女性で、腰が曲がっている方は周りにおられませんか? 骨折により腰も曲がるんです。骨粗しょう症になると、くしゃみ一つでも骨折することがあります。自分でも気づかない間に骨折していて、「痛いなぁ」と思いつつも放置している間に腰が曲がってしまうということがあるのです。ですから、毎年の健康診断で身長が2〜3cm縮んでいる方は骨粗しょう症の可能性があるので、ぜひ骨密度検査を受けることをお勧めします。当院では、基幹病院などでも導入している腰椎と大腿骨の2ヵ所の骨密度が測れます。また、薬物療法や運動、食事療法を組み合わせた治療まで、トータルで予防に取り組んでいます。

大野院長がやりがいを感じるのはどのような瞬間ですか?

【大野院長】肝炎の患者さんをフォローしていく中で、早めにがんを発見し、進行する前に内科的治療や手術的治療へと進められたときですね。患者さんの生命予後にも関わることですから、そういうときには早期発見の重要性を改めて考えさせられます。すべて「早期」であることが肝心なのです。このたび、息子が整形外科医師として加わったことで、スクリーニングの精度を上げられた点は本当に良かったと感じています。また、抗がん剤やステロイドホルモン剤などの投与により免疫力が落ちた方は骨密度も低下する傾向もありますから、骨粗しょう症などこれまで内科だけでは診られなかったさまざまな症状を抱える患者さんもフォローしていけるようになりました。ですから、まだまだやりがいは増していますよ。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

大野尚文院長、大野尚徳副院長 おおの整形外科内科医院6

【尚徳先生】健康寿命と平均寿命の間をいかに短くするか。これは私の整形外科医師としての課題です。年齢的に仕方ないと諦めている痛みや悩みもあると思いますが、私は患者さんに「年だから」と言うつもりはありません。いくつになっても、少しでも良くなるように、少しでも状態を維持できるように治療やアドバイスができたらと考えています。ですから決して諦めることなく、痛みや不調があれば、肩凝り一つでもどうぞ気軽にいらしてください。整形外科医師として、しっかりと患者さんの体を診て、適切な治療から継続的な予防へとつなげていきたいと思います。

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