森 健茂 副院長、森 真理 先生の独自取材記事
森内科・循環器・こどもクリニック
(観音寺市/観音寺駅)
最終更新日:2025/05/16
香川県観音寺市で、地域住民の健康を40年間見守ってきた「森内科医院」が、2025年5月から「森内科・循環器・こどもクリニック」として生まれ変わった。森冨茂(もり・とみしげ)院長の息子で日本循環器学会循環器専門医の森健茂(もり・たけしげ)副院長と、その姉で日本小児科学会小児科専門医の森真理(もり・まり)先生がそれぞれの診療科で加わり、建物も一新。1階には内科・循環器内科、2階には小児科のフロアが設置される。「まさか一緒に診療することになるなんて」と、顔を見合わせて笑う2人は取材中の息もぴったりだ。観音寺市において、約20年ぶりとなる小児科の開業は地域にとっても喜ばしいニュースだろう。新たなスタートを前に、笑顔を見せる健茂副院長と真理先生から、医師としての歩みや診療への想いなどを聞いた。
(取材日2025年5月1日)
地域で40年続く内科医院が、次世代へバトンをつなぐ
リニューアルに至った経緯をお聞かせください。

【健茂副院長】神戸大学への進学以降、県外で約10年研鑽を積みましたが、父のクリニックを継承する展望は常に脳裏にありました。子どもの就学を機にUターンしたのは、2017年のことです。当時はまだ急性期医療に身を投じていたいという思いがあり、地域の中核病院である三豊総合病院に入職。クリニックの外来を少しずつ手伝うようになってから、建物の建て替えとクリニックの継承に本腰を入れ始めました。当院は高齢の患者さまが中心でしたが、「新たに小児科を設置すれば、全年代を網羅して地域医療を支えられるだろう」と考えて、東京で小児科クリニックの院長を務めていた姉に声をかけたのです。
【真理先生】当時の私は、院長として雇われてまだ2年目で、すぐに答えを出すことはできませんでした。悩んだことは事実ですが、いずれは開業をと考えていたので、28年ぶりに香川に帰ることを決めました。故郷での診療を、今から楽しみにしています。
クリニックの診療体制や、診療内容はどうなりますか?
【健茂副院長】内科と循環器内科の診療は、父と私の二診体制となります。診療内容は、引き続き生活習慣病の管理が中心になってくるでしょう。日々の管理は循環器内科を専門とするクリニックで、症状が悪化した場合の治療は大規模病院でと分担し、循環器内科のサテライトの役割を果たしていきたいです。
【真理先生】小児科を担当するのは、私一人です。専門がアレルギー診療と新生児医療ですので、一般診療や予防接種・乳幼児健診だけでなく、アレルギー症状のご相談もお受けします。医療安全、感染対策の観点から、1階は内科・循環器内科、2階は小児科と区分けしており、受付や待合室も別々です。症状のある、小さなお子さまをお連れの方も安心してお越しください。
リニューアルにあたってのこだわりは?

【健茂副院長】大人も子どもも、快適に安心して過ごせる空間づくりにこだわりました。1階の内装は、「森」だけにグリーンとブラウンがベースカラーです。設備面では心臓超音波検査や24時間心電図検査、動脈硬化検査の装置などをそろえ、糖尿病の血液検査機器に関しては、当日に結果が判明するモデルを導入しました。患者さまの通院負担を、少しでも軽減するためです。
【真理先生】2階の小児科は、明るくやわらかい雰囲気を重視しました。診察室や処置室の入り口は丸いアーチ状にして、扉には動物のモチーフをあしらっています。病気でつらいお子さまや、家事に育児にと忙しいご家族の負担軽減につながればと、ウェブ予約も導入済みです。問診票も、事前にウェブ上で記入することができます。また受付に設置したセミセルフレジは、キャッシュレス決済に対応しています。DX化によって、従来よりもさらに利便性の高い医療をお届けします。
それぞれ異なる場所で培った、豊富な経験を生かす
健茂副院長の、医師としての歩みを詳しくお聞きしたいです。

【健茂副院長】人の命に関わる科にやりがいを覚え、循環器内科を専門に選びました。最初に勤務した中核病院ではカテーテル治療の他、腎臓内科や脳神経内科といった他科の診療にも多く携わり、この時の経験が私の基礎・基盤を形づくっています。帰郷後に入職した三豊総合病院では、循環器内科を中心とした総合的な内科診療を提供。同時に地域救命救急センターのセンター長を兼任し、循環器内科での、重症患者さまの診療経験を生かすことができました。しかし、一刻を争う救急搬送では患者さまの意思確認ができないまま処置に至るケースも多かったため、まずは一次救急や一次医療の診療に力を注ぎ、終末期の医療について、早くから話し合うプロセスを取り入れたいと思うようになりました。そして急性期病院を離れ、回復期リハビリテーション病院で新たな研鑽を積み、このクリニックへと帰ってきたのです。
真理先生の、これまでの歩みはいかがでしょう?
【真理先生】北里大学卒業後は、順天堂大学医学部附属順天堂医院の小児科に入局しました。小児科に進んだのは、未来につながる仕事がしたかったからです。中でも順天堂大学の小児科を選んだのは、「アメニティー」と呼ばれる取り組みに興味を抱いたからですね。これは入院せざるを得ない子どもたちの生活環境を、できるだけ快適で居心地の良い状態に整えるというものです。順天堂大学では、小児科の医師や看護師、保育士をはじめとした専門家が中心となって、さまざまな工夫を凝らしていました。医局員時代は大学病院や市中病院などで多岐にわたる経験を積み、クリニックでアルバイトをする機会も多く得ましたが、最終的にはさいたま市の総合病院で小児科部長を、東池袋のクリニックで院長を務め、現在に至ります。
お二人の診療のモットーをお聞かせください。

【健茂副院長】医療の質に地域格差があってはいけないので、可能な範囲で先進の医療を提供したいと考えています。そのためには、知識のアップデートも欠かせません。急性期の病院では、治療を終えたら一区切りつきますが、クリニックでは生涯にわたって患者さまと関わっていきます。ですので、患者さまの日常生活に寄り添う診療も大切にしていきたいです。
【真理先生】患者となるお子さま本人を治療するだけでなく、その背後にいるご家族にも配慮した診療や対応を心がけています。例えば、気になることがあればすぐに受診する方もいれば、様子を見てからでないと受診しない方もいらっしゃるでしょう。心配される内容や、その度合いは人それぞれです。小児科の診療は、お子さまとそのご家族のためにあるものだと考えながら、それぞれにとって適切な医療を提供できたらと思います。
乳幼児から高齢者まで、家族全員のかかりつけ医に
オフタイムはどのようにお過ごしですか?

【健茂副院長】1回10km程度のランニングを、週に数回、続けています。坂が多い神戸にいた頃は考えもしませんでしたが、観音寺市は道もフラットで、近くには景色のいい公園もある。環境の良さをきっかけに始めてみると、体重が減少して、血液検査の数値も改善されました(笑)。生活習慣病の予防や改善という意味でも、ランニングやウォーキングはお勧めです。
【真理先生】私は音楽が好きなので、ライブやフェスに足を運んだり、スポーツ観戦をしたり、旅行に出かけたりしています。非日常空間に行くことが、私のリフレッシュ法です。
これから力を入れていきたいことはありますか?
【健茂副院長】心臓病や、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の予防・治療に加えて、睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れたいと考えています。睡眠中に息が止まったり、眠りが浅くなったりして睡眠の質が悪化すると、血液中の酸素が欠乏し、脳、心臓、血管への負担が増加します。心疾患や脳血管疾患を予防するためにも、積極的に検査受診を呼びかけ、必要な治療を提供したいと思っています。
【真理先生】地域の皆さまからご期待いただけるのであれば、病児保育なども実施して、地域の子育て支援に貢献していきたいです。子どもたちのためにやりたいことは、まだまだあります。
読者へのメッセージをお願いします。

【真理先生】子どもは、未来を担う存在です。私は小児科の医師として、お子さまやそのご家族のニーズに合わせたサポートを提供し、子どもたちの健康を見守っていきたいと思います。
【健茂副院長】乳幼児から高齢者まで、地域の皆さまの健康をサポートする。それが当院のコンセプトです。私たちはご家族全員のかかりつけ医として、末永く信頼されるよう全力を尽くし、故郷の地域医療に貢献いたします。

