福田 修久 院長の独自取材記事
ふじみ眼科・内科クリニック
(坂出市/坂出駅)
最終更新日:2025/09/30
坂出市富士見町で、2022年に内科を加えリニューアル開業を遂げた「ふじみ眼科・内科クリニック」では、一般眼科の沖津由子理事長、内科の福田修久院長、小児・一般眼科の福田美穂副院長が医師3人体制で診療している。「具合が悪いけれど何科を受診すればいいのかわからない方、全身をトータルで診てほしい方は、当院へご相談ください」と快活に話す福田院長は、離島での診療経験から総合内科を志したという。同院では循環器内科・感染症内科の専門性を生かしつつ、臓器ごとに分けられた診療科の垣根を超えた、「人を診る」医療に力を注ぐ。研鑽を怠らず、地域で先進の医療を心がける福田院長に、クリニックの特徴や眼科との連携などについて詳しく尋ねた。
(取材日2025年6月5日)
時代に合った感染症対策と検査設備を強化して
2022年の開業とお聞きしました。

1992年に開業した当院は、30周年を迎える年に施設を一新させました。理事長は一般眼科、理事長の娘で副院長の妻が小児・一般眼科、私が内科を担当しています。新型コロナウイルスの感染拡大期に開業した背景もありますが、私の専門分野の一つが感染症内科ですので、クリニック北側には動線を分けて入室できる感染症室を用意しました。発熱症状のある方に加え、アデノウイルス感染症などの結膜炎が疑わしいお子さんもこちらを利用されています。さらに院内感染対策として、5分おきの換気を実現する先進の換気システムを導入しました。このシステムによって、「病院で風邪をもらう」ということが起こらないよう、取り計らっています。
検査機器に、患者負担を減らす強いこだわりがあるそうですね。
当院では新型のエコーを診察室に備え、必要とあれば医師自身が即座にエコー検査を実施できる体制を整えています。「問診と診察で80%の疾患は診断できる」という格言を大切に、昔ながらの「手当て」と先進の機器を組み合わせたクリニックをめざしました。AIが第二の目として支援するエックス線撮影装置(レントゲン)も、県内での導入は限られますが、肺がんの早期発見、見落としの回避に役立っています。また血液検査や感染症の検査については、当日短時間で結果を出す機器をそろえました。こうした設備の用意は難しく、開業医では、翌日以降で結果を聞きに行くスタイルが一般的です。しかし比較的症状の重い心不全や腎不全などの方では、結果が判明しなければ、薬の細かな調整もできません。結果を待つ間に状態が急変する可能性や、ご多忙な方、お体の不自由な方の通院負担などを考慮すると、検査設備は充実させるべきだと考えました。
クリニックと並行して、近隣の総合病院にも毎週お勤めだとか。

当院開業前は回生病院で、循環器内科部長と総合内科部長を兼任していました。院長就任後の現在も、引き続き外来診療やカテーテル治療に行っています。クリニックで顔を合わせているかかりつけ医に担当してもらえたら、患者さまは病院に行きやすいですよね。同じ医師であれば、「普段の状態を知ってくれている」という安心感もあるでしょう。総合病院は人員を投入し、CTやMRIなどの検査に精度を上げて対応できる一方、各工程に時間を要し、担当するスタッフや医師が変動しがちです。当院は最初から最後まで、トータルで患者さまを診られるよう努力し、より高度で専門的な対応が必要な場合には、責任を持って適切な医療機関をご紹介します。
眼科とも連携の上、心身をトータルで診療
先生のご経歴を教えてください。

憧れに近い気持ちで医学部に入学しましたが、本当の意味で「人を救う医師になりたい」と心から望むようになったのは、入学後のことです。私は医学生時代に、小学校からの親友を心臓の病で亡くしました。この時どれほど医師に助けを求めたか、結果的に救うことはできませんでしたが、医師という仕事の重みを感じることとなり、循環器内科医への道を決意しました。そこからは心臓カテーテル治療などの専門的治療を研鑽し、石垣島で離島医療を経験したことを機に、総合内科診療を志したのです。離島では循環器疾患でも消化器疾患でも、眼科・耳鼻科領域の疾患でもすべて診る必要がありました。地域に密着しながら、診療科の垣根を超えて心身を診る、「人を診る」総合内科に必要性を感じた後は、自分に足りないもの、学びたいと思う領域を求めて幅広く診療経験を積み、その後は妻の故郷であるこの町で、当院の院長に就任しました。
内科にはどのような患者さんが来られますか?
当院には「他院では原因がわからなかったけれど、つらい症状が続いている」と訴える方が多く来られます。息切れ、動悸、倦怠感、めまい、ふらつきとその症状は多岐にわたり、病名がはっきりしないまま受診されるケースも少なくありません。そのため、丁寧な問診と診察を重ね、可能性のある疾患を慎重に見極めています。中には重大な疾患が隠れていることもあれば、病気ではなく、ご年齢のせいということもありますね。さまざまな症状の鑑別はたいへん難しく、多くの臨床経験と最新の医学的知見が求められますが、私は総合内科の医師としてのトレーニングを重ねてまいりました。ストレスや心因性の問題といった、心療内科領域の診療も対応できますので、「つらい」症状があればまず、ご相談いただけましたら幸いです。
眼科とは、どのように連携を取られているのですか?

内科の問診中に、症状の一つとして「目の前が真っ暗になった」「物がだぶって見えた」「視野が欠けて見えた」などと、目の症状を訴える方も多くいらっしゃいます。その場合はすぐに眼科の精密検査に移っていただき、内科と眼科の所見を合わせて診断を下せるところが、当院最大の魅力です。眼科と循環器内科は診療の相性が良く、例えば網膜の状態を見る眼底検査は、血管の状態を直接視認できる唯一の方法ですので、眼底写真から動脈硬化の状態を評価したり、眼底に出血などの異常が生じた糖尿病や高血圧症の患者さまは、この所見によって重症度分類を行ったりもします。眼科で検査のみを行い、眼科医師が読影した結果を内科医師からお伝えするという、待ち時間の短縮を意識した連携も可能です。
地域に必要とされる、「人を診る」医療を提供
開業から数年たちますが、ご感想は?

専門分野が細分化されている、大学病院や総合病院でさえ、「私は循環器の病気です」と言って受診される方はほぼ見かけませんでした。循環器以外の病気が、まったくないという方も少なかったです。しかし、当院ではさらにこの傾向が顕著で、より総合的な治療が求められると感じます。私自身としては、従来よりも患者さんのお話が聞けることや、何かあれば遅い時間や土曜日などで対応できることがうれしいです。無医村に近い離島時代と比べると、坂出市はかなりの都会ですが、それでも開業医に求められるものは同じだと思います。体の臓器を診るのではなく、あくまでも「人を診る」という姿勢。世間話から、重要な症状が聞き取れる展開もありますし、地域を愛し愛されるかかりつけ医とは、そういうものなのだと思います。
検査や治療に対する姿勢も変わりましたか?
例えば病院時代であれば、「薬を止めたい」という方を説得していましたが、今は薬を控えるリスクをお伝えした上で、お一人お一人のご意向やご事情をより尊重するようになりました。日本高血圧学会の目標値ガイドラインは、40代でも90代でも、同じ値です。年齢や性別、基礎疾患の有無に加えて、個々人の治療に対する考え方や金銭的なご事情もあり、一律で同じ目標値をめざす治療法には違和感を覚えます。今はガイドラインに基づきながらも、患者さん個人に寄り添った、本当にその方のためになる治療法の選択をお手伝いしたいと思うようになりました。
読者へのメッセージをどうぞ。

私は循環器内科と感染症内科が専門ですが、「専門外です」という言葉は絶対に口にしません。総合内科の医師として、外傷以外のすべての症状に対応することを心がけています。私を信頼して通院してくださる患者さまのお体は、診療科の垣根を超えて、私自身が守っていきたいのです。年齢を重ねると、複数の疾患が重なり合い、症状も増えていきます。そんな時に総合内科があれば、患者さまも、そのご家族の方もきっと助かるはずです。当院は心と体のトータルサポートを通じて、皆さまの健康をお守りします。「どの診療科を受診すれば良いかわからない」、「1ヵ所でなるべくすべての治療を受けたい」方は、当院へご相談ください。私たちは最後まで責任を持って、かかりつけ医としての役目を果たします。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGA治療/【内服】7700円~、【塗布】8800円〜

