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大塚 和俊 院長の独自取材記事

大塚整形外科医院

(高松市/瓦町駅)

最終更新日:2022/12/28

大塚和俊院長 大塚整形外科医院 main

高松市を南北に貫く大通りと、東西に走る大通りの交差点付近に位置する「大塚整形外科医院」。白い4階建ての建物は新しく、外観はモダンで都会的。2020年には、市の美しいまちづくりに寄与する建築物として表彰されたこともあるという。院長の大塚和俊先生は、父が開業した整形外科医院を2016年に継承。移転・新築した医院で、専門とする脊椎・脊髄疾患だけでなく、整形外科全般の疾患に対応している。診療では患者の痛みの軽減を優先し、理学療法士らと協力しながら根本原因にアプローチ。穏やかな表情と落ち着いた口調から、温かい人柄が伝わってくる大塚院長に、医師をめざした理由や今後の展望などを語ってもらった。

(取材日2022年11月12日)

父の医院を移転継承。患者のQOL向上をめざす

これまでのご経歴と、院長に就任するまでの経緯をお教えください。

大塚和俊院長 大塚整形外科医院1

私は岡山大学の医学部を卒業後、同大学の大学院へと進み、その後、栗林病院(現・りつりん病院)でさまざまな臨床経験を積みました。その中で特に興味を持ったのが、脊椎に関する外科の領域です。大学院でリハビリテーションに関する論文を書いていたこともあり、恩師からはリハビリの道に進むことを勧められたんですが、ちょうどその頃、オーストラリア、アデレードの基幹病院から脊椎脊髄外科の教授が来日されたんです。これをきっかけにオーストラリアへ半年間留学して、脊椎疾患治療を基礎から専門的に学ぶ機会を得ました。留学は見知らぬ土地で視野を広げることができたという意味でも、良かったと思います。帰国後は地域の基幹病院である県立中央病院に勤務し、2016年に父の医院を継承。父の代の建物は古くなっておりましたので、隣接するこの土地で移転開業しました。今でも週に1回は、父が外来を担当しています。

医師になられたのは、やはりお父さまの影響でしょうか。

父から「医師になれ」と言われたことはありませんので、「医師というのはいい仕事だぞ」と思うように、うまく育てられたんだろうと思います(笑)。医院の上に自宅があり、父の仕事姿もよく見ていましたから、苦しむ人を助けられるところに自然と興味を持ちましたね。内科系よりは外科の道に進もうと思っていたんですが、整形外科医になろうと決めたのは学生時代のことです。当時の医療現場ではがんの治療が最前線で、実習でも胃がんの患者さんを担当したのですが、病気を治すための手術を施しても、術後は食べるものが制限され、QOL(生活の質)が著しく低下しているように見えたんです。一方、整形外科の実習では、動けない人を動けるようにする、つまり患者さんのQOLを上げられるような治療が多く、患者さんの生きる喜びに直結するこの道を選びたいと思うようになりました。

医院を経営するようになって、勤務医との違いは感じましたか。

大塚和俊院長 大塚整形外科医院2

やはり感じましたね。経営となると、やりたいことをやるだけでは当然許されません。基幹病院では主に外科的手術を行ってきたのですが、こういった医院では、いかに患者さんの痛みを和らげ、QOLを上げて差し上げられるかが重要だと感じています。一度で根本的に完治させることは難しくても、例えば痛みを緩和する注射を1本打って、患者さんに笑顔で帰っていただくような、そういった治療が必要なのではないでしょうか。その上で再び痛みが起こらないよう、根本的な治療を行っていくことが理想的だと考えています。

脊椎脊髄外科のみならず、整形外科全般に幅広く対応

医院を新築するにあたって、どんなところにこだわられましたか?

大塚和俊院長 大塚整形外科医院3

小中高と一緒だった同級生が建築士をしていたので、設計はすべて彼女にお願いしました。リハビリテーション室はしっかりとスペースを取れるよう、3階のフロアをすべて使いましたし、2階の診察室でも、患者さんが歩けるスペースを作っています。「歩容」というのですが、診察の際に患者さんの歩き方を見ることで、状態の判断につなげられるケースがあるからです。さらに私の専門は脊椎脊髄外科ですので、ブロック注射や脊椎関連の検査・治療ができるスペースも確保しています。治療機器は、必要に応じて新しいものに更新していますね。リハビリについては痛みを抑えるだけでなく、積極的に筋力強化を図れるような物理療法機器をそろえています。父の代にはいなかった理学療法士も、5〜6人在籍する体制を整えていますよ。

そもそも、脊椎脊髄外科とはどんな診療科なのですか。

脊椎脊髄外科は、体の軸である脊椎や脊髄の疾患を治療する診療科です。首から腰までを診療範囲とし、腰痛治療を中心に首や腰のケガの治療も行います。腰は体を支えながら動かすものですので、日頃から大きな負荷がかかり、やがては損傷して痛みを起こしてしまうんです。腰の痛みは原因の正確な診断が重要ですから、慢性化予防のためにも、脊椎脊髄外科に精通した医師への受診をお勧めしたいです。また整形外科は治療学の要素が大きいのですが、脊椎脊髄外科は診断学が重きを占めます。さまざまな検査を行って特定の所見を導き出し、そこからどんな病気かを診断します。例えば椎間板ヘルニアの場合、症状がどこにあるかは画像検査をすればわかりますが、まずしびれや痛みがある場所、力が弱っている場所を診察し、これはこの辺のヘルニアだなと予測を立てる。そこからMRIなどで調べて確証につなげていく。医師の立場から言えば、そんな面白さもある分野です。

主な患者さんは、やはり腰の痛みでお悩みの方々ですか?

大塚和俊院長 大塚整形外科医院4

腰の痛みがある方だけでなく、膝などの関節の痛みを訴える方もおられます。年齢層でいうと、最も多いのはご高齢の方々ですね。方々から通うことができる立地なので、お子さん、学生さん、お勤めの方なども幅広く来られていますよ。県立中央病院から引き続き来られている患者さんも多いです。当院では骨粗しょう症やリウマチの治療、スポーツ整形など、整形外科全般の診療に対応していますので、今後も専門とする脊椎・脊髄関連の症状でお困りの方だけでなく、あらゆる世代の方々に来ていただければと思っています。症状の治療後は、患者さん一人ひとりの声に耳を傾けながらリハビリテーションを実施し、身体機能回復のお手伝いをさせていただきます。

スタッフ全員がプロとして、専門的な知識で患者を導く

スタッフさんたちと、共有しているポリシーはありますか。

大塚和俊院長 大塚整形外科医院5

昔の日本には、「患者は医師の言ったことに従わなければならない」といった、医療におけるパターナリズムがありましたが、近年は「患者と医師は同等でなければいけない」と盛んに言われるようになりました。中には医療をサービス業と捉え、患者さんを「患者さま」と呼ぶような風潮まで見られるようになりました。ただ、私はこうした風潮に少し違和感を覚えているんです。立場は当然一緒でなければいけないのですが、医療を提供する側は、ある程度患者さんを導いてあげられるような専門的な知識を持って、診療に臨む。それが大切だと思っています。医院の継承にあたっては、父の代から引き続きベテランのスタッフが残ってくれましたが、「看護師も理学療法士も、医療のプロフェッショナルとして専門の知識をしっかりと持ち、患者さんを導いていける存在になりましょう」と常に話しています。

今後の展望をお教えください。

これまでと同様、整形外科全般の診療を網羅しながら、痛みを緩和・予防するアプローチを続けていきたいと考えています。骨折を起こして寝たきりになるリスクを高める骨粗しょう症なども、しっかりと向き合わなければいけない疾患ですね。また私は大学時代からずっとバスケットボールをしていましたので、その関係でアスリートの身体損傷の初期対応についても経験を積んでいます。近年のスポーツ整形外科では、「いかにケガをさせないか」が重要視されるようになっていますので、ケガや故障の治療だけでなく、予防のためのアドバイスも積極的に行っていきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大塚和俊院長 大塚整形外科医院6

病院に勤務し、第一線で経験してきたことは、今の診療にも生かされていると感じています。症例の少ない疾患も数多く診てきましたので、幅広い視野で、さまざまな疾患に対応することが可能です。これまで学んだ知識や知見を存分に生かしながら、これからも継続して適切な診断と治療を行っていきます。首や腰、肩、膝の痛みや手足のしびれなど、体の症状でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。当院で身体機能を改善し、そして健康寿命を延ばしていきましょう。

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