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宮河 真一郎 院長の独自取材記事

宮河小児科医院

(廿日市市/廿日市市役所前(平良)駅)

最終更新日:2022/11/24

宮河真一郎院長 宮河小児科医院 main

廿日市市の中心街にある住宅地に、1966年に開業した「宮河小児科医院」。開業以来56年にわたり、地域の小児医療に取り組んできた歴史ある同院の2代目院長は、穏やかで優しい宮河真一郎先生だ。小児科の医師として30年以上の実績を誇る先生の専門分野は、低身長などの成長障害や糖尿病といった小児の内分泌疾患。勤務医時代に直面した、小児がん患者が抱える内分泌分野における後遺症をなんとかしてあげたいという想いが、先生の専門分野を決めるきっかけになったという。発熱の外来にも奔走する忙しい日々でも常に物腰やわらかで地域住民からの信頼も厚い宮河先生に、同院の診療の特徴など詳しく話を聞いた。

(取材日2022年7月25日)

廿日市市の歴史ある小児科医院

先生は廿日市市のご出身だそうですね。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院1

はい。当院は1966年に私の父がこの地に開業した小児科医院で、私自身もここ廿日市市で育ちました。この辺りは昔から広島のベッドタウンとして成長してきたところで、決して新しい町ではありませんが、近年は大型のショッピングモールができて便利になりましたし、子育て世代が今も転入してくる魅力的な町です。私は2015年から当院の診療に加わり、現在は父の後を引き継いで院長を務めていますが、当院は開業以来変わらず、地域に根差した小児医療に取り組んでいます。中には親子3代で通院してくださっている患者さんもいらっしゃるんですよ。また、私の専門である内分泌分野に関しては、廿日市市外からも広くご来院いただいています。

小児科の医師になられた経緯についてお聞かせください。

医師になりなさいと家族から言われたことはないですが、幼い頃から父の背中を見ていましたので自然と医師をめざすようになり、大学は愛媛大学の医学部へ進学しました。卒業後は広島大学の小児科に入局して、それから入院設備のある各地の総合病院で、小児がんであったり、新生児の治療であったり、さまざまな症例にあたって経験を積ませていただきました。小児科に進もうと決めたのは、一つは患者さんをトータルで診たかったからなんです。専門分野に細分化されている一般内科と違って、小児科ではすべてを診ます。ウイルス性の急性疾患はもとより、アレルギー疾患、発達・発育の悩みなど、小児科では患者さんを全身的に診られないと何もできないわけです。その点が、「患者さんを包括的に診たい」という私の希望と合致していました。

小児科の医師には総合的に患者さんを診るスキルが必要なのですね。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院2

そうなんです。それから何より、小児医療が「前を向いた医療」だというところにやりがいを感じました。生まれたばかりの赤ちゃんを診察して、その子がやがて幼稚園に入り、小学校に入り、思春期を迎え、そこでちょっとしゃべってくれなくなるんですけど(笑)、そうこうしているうちに恋愛をして親となり、今度はその子の赤ちゃんが訪れる。そんな未来へ続く道のりを、小児科の医師はともに歩んでいくことができるんですよ。ほかの医療にはない小児科の医師だけの特権というか、面白さですよね。小児医療に携わって30年以上たちますが、その間に出会った子どもたちが今では大人になり、ときには一緒に食事に行ったり、お酒を飲んだりすることもあります。未来ある子どもたちの成長をご家族とともにじっくり見守っていけるというところが仕事のやりがいにつながっていると感じます。

成長障害による低身長や糖尿病などの内分泌疾患に注力

先生の専門分野など、こちらの診療の特徴について教えてください。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院3

当院は、風邪症状や嘔吐・下痢といったウイルス性の急性疾患はもちろん、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、それから予防接種・乳幼児健診などの予防的な診療まで幅広く対応しています。また当院は、私の専門分野である内分泌疾患の診療にも注力しています。小児の内分泌疾患にはいろいろなものがありますが、当院では低身長などの成長障害や糖尿病などを中心に診療しています。低身長は、原因を調べることで裏に隠れている重大な病気が見つかる場合がありますので、気になる際には早めにご来院ください。また、1型糖尿病だけでなく、最近は小児の肥満が急増し、子どもの2型糖尿病も増えているため注意が必要です。だるい、疲れやすい、食べても痩せる、多飲・多尿などの症状があれば早めの受診をお勧めします。

診療で印象に残っているエピソードはありますか。

大学卒業後、広島大学病院などで小児がんを患っている子どもたちの診療に数多く携わりました。平成初期の当時は今ほど医療が進んでおらず、なかなか助けてあげられなかった時代でしたから、救いたいという想いと同時に強烈な無力感があったことを覚えています。そして時代が進み、小児がんはだんだんと治せる病気になってきたのですが、一方で、化学療法や抗がん剤を使用した治療で低身長や糖尿病といったさまざまな後遺症に苦しむ子どもたちが大勢出てきたんですね。QOL、つまり「生活の質」が今度は大きな問題になってきました。そのような後遺症に苦しむ患者さんたちを目の当たりにして、手助けしたいと思ったことが転機となり現在につながっています。

小児の診察は大人よりも難しそうですが、診療のコツなどはあるのでしょうか。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院4

子どもは正直なのでわかりやすいんです。「痛い?」と聞いて「痛くない」と言っても、おなかを押さえれば泣きますし、痛ければ歩かないですし、機嫌も悪い。そういう意味では大人よりも実は診察しやすいんですね。ですからお父さんやお母さんにはお子さんをよく観察していただいて、気づいたことをありのまま伝えていただけたらと思います。ごはんを食べないとか、元気がないということはすごく大切な情報です。診療のコツといえるかどうかはわかりませんが、テクニカルなことでいえば、目線をちょっとずらすということですね。アイコンタクトをすると泣かせてしまいますから、目線を少しずらしつつ、怖くないオーラを醸し出す(笑)。でも、泣いても別に構いません。泣かれて怒るようなこともありませんし、何をされても私はなんとも思いませんので、気になさらないでくださいね。

未来を担う子どもたちとその家族をサポートする

小児医療に長く携わってこられて、変わったなと感じることはありますか。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院5

昔も今も子ども自身に大きな違いはありませんが、新型コロナウイルス流行の影響で、子どもたちが外で遊ばなくなっていることが心配ですね。家の中にずっといると体力的な問題が起こり得ますし、運動不足で肥満になる子どもが今すごく増えているんです。そして最も気になることは、スマートフォンが子どもたちに及ぼす影響です。今の子どもたちは1日に平均2、3時間スマ-トフォンを使用しているそうですが、20年前であれば、その時間は勉強していたり、漫画を読んだりテレビを見たり、友達としゃべっていた時間だったわけです。それが今では、すべてネット上で行われるようになっていますよね。そうした習慣のある子どもたちが大人になり、やがて親になって社会ができていくので、令和の時代はその生活が普通になるのだと思いますが、視力や学力の低下以外にも、心身にどのような影響が出てくるのか非常に気になっています。

今後の展望についてお聞かせください。

これまで同様、今後も地元の方々を大切に、地域に根差した小児医療を提供していきたいと思っています。当院は、そのような地域医療をベースに据えた上で、内分泌疾患の患者さんについては広く門戸を開き、総合病院に通うのは気が引けるという方でも気軽に受診できる、敷居の低い小児科医院でありたいと思っています。現状では、内分泌疾患の患者さんのための時間があまり取れていないので、今後は曜日や時間を固定して専門の外来のような形で診療の枠を設け、より受診しやすい環境にしていけたらと考えています。また、入院や高度な治療が必要になった際は近隣の大きな病院を紹介できますので、その点もご安心ください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

宮河真一郎院長 宮河小児科医院6

当院は“子どもと家族のクリニック”を合言葉に、今後も次世代を担う子どもたちとそのご家族のお力になれるよう、患者さんとご家族に寄り添った小児医療に取り組んでまいります。子どもの急な病気や成長に関するお悩みなど、気になることがあれば気軽に受診いただき、何でもご相談ください。私がこれまでに出会った多くの患者さんやそのご家族から経験させていただいたことを診療に生かし、スタッフ皆でサポートさせていただければと思います。

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