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藤井 謙太郎 院長の独自取材記事

藤井脳神経外科

(東広島市/西条駅)

最終更新日:2025/08/19

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科 main

馬木IC近く、黒瀬川沿いにある「藤井脳神経外科」。通院経験はなくとも、クリニック前の桜並木を見に来たことのある人もいるのではないだろうか。開業40年。先代院長が丹精込めて育てた植物や患者が描いた絵画などで彩られた院内は、年季が感じられるものの清掃が行き届き、心地良い空間になっている。現院長は、大学病院や留学先である米国の病院で脳腫瘍治療の知識を深めてきた藤井謙太郎先生。ここでは専門に特化せず、頭痛や物忘れ、しびれ、生活習慣病、睡眠障害など幅広く対応。同院では、薬によっては院内で受け取れる院内処方も可能。脳神経外科というとハードルが高く感じるかもしれないが、「気になることがあれば気軽にご相談ください」と院長は優しくほほ笑む。穏やかな空気の中、クリニックの特徴や今後の展望などを聞いた。

(取材日2025年7月8日)

地域のニーズに応えるため幅広い疾患の診療に対応

こちらを継ぐことを意識し自然に医師をめざしたそうですが、実際引き継がれていかがですか?

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科1

直近7~8年は大学病院で脳腫瘍を専門で診療してきました。大学病院ではその専門領域を深く診てきたのですが、ここは地域のクリニックという性格上、大学病院のような先端の検査・治療は行えない一方で、内科的なことも含めて幅広く診る必要があることを実感しました。こうした状況にも、少しずつ慣れてきたところです。大学病院のような深刻な訴えは少ないですが、「日常的に見られる一般的な症状への対応を、可能な限りここで完結させる」というのが、私の役目かなと感じています。とはいっても、常により良い選択肢を患者さんに提供したいと思っていることもあり、今も週1回呉共済病院に勤務し、先端の医療にふれるようにしています。ちなみに、私が病院に行っている間は、ここの診察は父がしています。

多い患者層と基本的な診療の流れを教えてください。

やはりご高齢の方が多いですね。特に多い主訴は頭痛ともの忘れ。頭痛は若い方も多いです。それからめまい、手足のしびれ、ケガとか。ご高齢の患者さんが多いこともあり、必要に応じて専門用語も使いますが、なるべく平易な言葉での説明を心がけています。患者さんの疑問がなくなるまで、丁寧にお話しするようにしています。問診や検査の結果、こちらで対応できることは対応し、脳動脈瘤や脳腫瘍などより高度な医療が必要な場合は、私が週1で勤務している呉共済病院や近隣の東広島医療センター、中国労災病院、広島大学病院や所属している医局のある岡山大学病院などへ速やかに紹介する流れです。

ご専門としている分野について教えてください。

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科2

私自身は脳腫瘍をメインとする分野で研究と臨床を重ねてきました。臨床では脳腫瘍全般を経験し、大学院では神経膠腫(グリオーマ)について、留学していたブリガム・アンド・ウィメンズ病院では、脳腫瘍のウイルスを用いた治療について研究していました。実は市中病院でも脳腫瘍の手術を積極的にするところはそう多くありません。そのため、脳腫瘍の患者さんは大学病院へ紹介されることが多く、手術もかなり経験してきました。ただ、脳腫瘍の患者さんって1万人に1~2人ぐらいで、正直こういったクリニックでの遭遇はほとんどありません。クリニックではあらゆる疾患に対応することが求められるので、ここでは専門に特化せず、頭痛や物忘れ、生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、予防接種や健診など、内科的な疾患も含めて幅広く診ています。

頭痛や睡眠時無呼吸症候群の検査も充実

頭痛と一口に言っても、原因がさまざまだと伺います。

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科3

痛みの原因となる病気がない一次性頭痛と病気がある二次性頭痛があります。一次性頭痛の代表的なものが片頭痛と緊張型頭痛。くも膜下出血や脳腫瘍など重篤な病気が隠れている二次性頭痛への対応は緊急を要します。一次性頭痛はいわゆる「頭痛持ち」の頭痛で、危険というわけではありませんが、慢性化すると生活に支障が出てきます。特に片頭痛は慢性化しなくても痛みが強いため、会社や学校でのパフォーマンスが落ちたり、休まなければいけなくなったりで、悩んでいる人が少なくありません。一次性頭痛による経済的損失がこれだけあると数値で示されることもあります。ただの頭痛だと我慢して過ごす人も多くいらっしゃるかもしれませんが、最近は片頭痛に効果が期待できる、新しい薬もいろいろ開発されています。QOL(生活の質)向上のために治療をするという選択肢があってもいいと思います。

頭痛予防のために自分でできることはありますか?

まずは、しっかり睡眠を取ること。職場や学校など周囲の協力も必要になってくるかもしれませんが、ストレスをためないこと。運動もしたほうがいいですし、喫煙、飲酒を控えることです。それから睡眠時無呼吸症候群からの頭痛もあるので、その場合はその治療が必要です。睡眠時無呼吸症候群は想像以上に潜在患者さんが多くいます。にもかかわらず、きちんと治療されている人はごくわずか。実は私自身もそうで、7~8年治療をしています。年齢、性別、体格など関係なくかかる病気です。気になる方はまずは検査することをお勧めします。

こちらの特徴的な治療はなんですか?

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科4

最近CGRP関連抗体薬という片頭痛の予防薬がクローズアップされているのですが、当院でも対応しています。1ヵ月に1回とか3ヵ月に1回3本まとめてとか、定期的に注射するんです。内服で効果がなかった人でも、注射で治療が見込める場合があります。頭痛薬を飲みすぎると薬物乱用性の頭痛になったりするとされ、そこから離脱するのにも有用と言われています。後は、父が頸椎や脊髄などの領域に精通しており、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど手術には至らない段階の患者さんに、牽引や電気などの物理療法を提供しています。よほど混んでいない限り、予約なしで当日MRI検査が可能なのも、うちの特徴かもしれません。頭痛の中には命に関わるような重篤な病気を起因とするものもあります。早い段階で適切に処置することが大切です。早期発見にMRIは有用です。

脳ドックもされているのですよね?

日帰りの脳ドックをしています。繰り返しになりますが、頭痛には重篤な病気が隠れている場合があります。脳ドックは早期発見・早期治療につながるので、40歳以上でこれまで受けたことがないという方は、一度受けてみるのもいいかもしれません。ただし自由診療にはなりますので、そのあたりも考慮して検討していただければと思います。時間的には検査だけだったら15分、エコーも入れたらプラス5分です。画像を見ていただきながら、今の脳の状態や脳疾患リスクなどについてお話しします。そういった説明まで入れて、所要時間トータルで30分程度ですね。

誰でも気軽に相談できるクリニックをめざして

どういうクリニックにしていきたいですか?

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科5

「脳神経外科」というと来院のハードルが高いと思う人もおられるようですが、頭痛や生活習慣病など幅広い疾患に対応していますので、気になることがあれば、気軽に相談に来てもらえるようなクリニックにしたいです。中には「専門的なお医者さんって何か怖そう」と、受診をためらう人もおられると聞きます。昔ながらのイメージでは、確かに怖い印象があったかもしれませんが、今の医者は私も含めて基本的に優しいですし(笑)、スタッフも優しい人ばかりです。また大規模病院をいきなり受診するのはハードルが高いと思いますので、そういったときの受け皿になれたらとも思っています。

先生ご自身がしたいことは?

ここ2~3年の間で集中的に頭痛の専門性を高めたいと思います。日本には頭痛の患者さんが多いと言われているのですが、その割には専門の医師が少ないんです。箔をつけたいというより、一生懸命勉強することが大切だと思います。それによってしっかりとした知識も得て、より良い診療につなげていきたいとは思いますね。

読者へのメッセージをお願いします。

藤井謙太郎院長 藤井脳神経外科6

慢性的な頭痛に悩んでいる人の中には、薬を飲んでも治らない、治療しても仕方ないから我慢しているといった方もおられると思います。頭痛があって当たり前と決して思わないでください。先ほど申し上げた頭痛予防の注射もそうですし、他にも有用な薬が出ています。また「クリニックでは大した治療はできないだろう」と思う方もおられるかと思います。確かに大規模病院のような先端の治療は難しいですが、治療の選択肢は皆さんが想像されているより多く持っています。また、先ほども申しましたが、40代、50代になったら、まずは一度脳ドックを受けに来ていただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

脳ドック/2万5000円~

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