頼島 敬 院長、渡辺 富美子 副院長、頼島 聡 先生の独自取材記事
よりしま内科外科医院
(広島市安佐南区/下祇園駅)
最終更新日:2025/12/01
JR可部線下祗園駅または古市橋駅から徒歩10分ほどの場所にある「よりしま内科外科医院」。祇園で育った頼島敬(よりしま・たかし)院長と、妹の渡辺富美子(ふみこ)副院長、そして院長の娘婿にあたる頼島聡(さとる)先生が診療を行うクリニックだ。同院は昭和初期の1929年に開業して以来、親から子へ受け継ぎながらもうすぐ100年を迎える。診療科は外科、内科、リハビリテーション科、放射線科と幅広く、同じ法人内の訪問診療や介護関連施設とも連携している。異なる専門分野を持つ3人の医師それぞれが共通して強く必要性を感じているのが、在宅医療だ。他職種と連携しつつ、地域の中で多角的に患者を支えたいと奮闘している。地域住民の健やかな暮らしのために使命を担い続ける先生たちに、その想いを聞いた。
(取材日2025年9月25日)
地域に尽くす精神を受け継ぎ、まもなく100年
長い歴史がおありですが、大切にしてこられたことは何ですか?

【敬院長】2029年で創業100年になります。先代たちから受け継いできたのは、「営利ではなく使命としての医療を提供する」という精神です。日々「地域貢献」や「人助け」を意識しながら精いっぱいの対応をしています。開業して長いので、患者さんのご家族構成や病歴、地域の背景などがわかっている部分もありますから、おせっかいでない範囲で配慮しながら治療を進めているつもりです。2025年4月からは、院長である私と、妹の副院長、そして娘婿の3人で診療しております。
【渡辺副院長】父や祖父が、医療人として昼夜問わず尽くしている姿を見て育ちました。今も時々患者さんから先代について聞くことがあります。代々大切にしてきたものを基本に、外来や訪問診療にあたっています。
先生方それぞれのご専門について教えてください。
【敬院長】さまざまな外来患者さんが来られる中で、3人とも外来診療にも力を入れています。私の基盤は外科なので外傷に関わる治療が多いですが、認知症やプライマリケアも対応しています。副院長はここで20年ほど内科全般を診ており、内視鏡検査については、渡辺副院長、頼島聡先生の2人体制で行っており、胃がん検査も積極的に行っています。また聡医師は肝臓疾患が専門で、生活習慣病に精通しています。救急や地域医療への学びを経て、当院に着任しました。それぞれ違った経歴ですが、3人ともに共通しているのが、地域の在宅医療に目を向けた診療を行っていることです。
【聡先生】地域医療と真剣に向き合う医師が学ぶ臨床現場で、外来と訪問、そして終末期医療に関わりました。地域になくてはならない医療や福祉について、より一層強く考えさせられましたね。ここ祇園では、診療だけでなく看取りについての講演などもやらせていただいています。
どんな患者さんが多く来られていますか?

【敬院長】地域のご高齢の方が多いです。ご家族と来られることも少なくないので、一緒に治療や介護のご要望を伺っていますね。
【聡先生】私は中年層の脂肪肝などに対応することが多いですが、訪問診療ではお看取りに携わることもあります。
【渡辺副院長】私自身が祇園で生まれ育っていますし、もう長くここで診療していますので、昔の同級生や親子代々通ってくださるなじみの患者さんが多いです。学校医などもやらせていただいているので、学生さんや女性特有のお悩みもお聞きしています。
「外来」「在宅」「介護」の3本柱で深く地域に根差す
訪問診療に注力されているとお聞きしました。

【敬院長】患者さんがご自分で来院できない、奥さまもまたご高齢で連れてくることができない、というお声に応えるため、先々代の頃から訪問診療も行っています。
【渡辺副院長】高齢者の医療と介護の問題は切り離すことができません。私たちが院外に出かけることで解決するなら、医師としてできることを精いっぱいしていきたいですね。院長はお話を聞くのが得意で、よくケアマネジャーさんと長く話をしたり患者さんのご家族からご相談を受けたりしています。
【聡先生】院内に医師が3人いると、緊急の場合には誰かが向かうことができます。また、腹水を抜いたり痛みのコントロールをするなど、通常の訪問診療ではできない専門的な処置が行えることも、当院ならではだと思います。
居宅介護支援事業所や訪問看護など、他職種との連携体制についてお聞かせください。
【渡辺副院長】患者さんの中には、老々介護をしながら治療を続ける方や認知症などでご家族が抱えきれないという状況の方がいらっしゃり、医師だけの力では解決して差し上げられない部分がたくさんあります。治療を通してご縁ができた以上は、少しでも安心して過ごしていただきたい。そのため、当院では法人内の居宅介護支援事業所や訪問看護ステーション、デイケア、デイサービスなどとも連携し、幅広い支援を提供しています。
【敬院長】院内は医師3人と20人弱のスタッフで対応していますが、グループ全体では看護師や介護スタッフなどと協力しております。医師が専横的にすべてを決定したりせず、対等に意見や知識を持ち合うことで、患者さんにとって良い形になると考えております。
【聡先生】私も、こちらに着任したときはまず関連の事業所の皆さんへごあいさつに行きました。ともに地域の在宅医療を支える仲間という意識でおります。
地域の中でどのような存在でありたいですか?

【敬院長】来られた方を粛々と一生懸命診る――。それを続けることで「よりしまに行けば必ずちゃんと取り合ってくれる」と思っていただける場所になれると良いですね。患者さんご本人の要望だけでは治療の環境が整わないこともありますから、ご家族とも話し合えるようでなくてはならないとも思っています。実は、心療内科を診療していた頃もありまして、心理学もだいぶ勉強しましたから、お話を聞く上で役立っているかもしれません。
【渡辺副院長】いろいろな方々の深いお悩みに関わりますので、話しやすい存在でありたいですね。まずは当院で初期対応をしっかり担い、必要な連携先につなげる。そういう役割を担っていきたいです。
【聡先生】できる限りの選択肢を提案し、その中から患者さんとご家族が望む医療や福祉を提供できるのが一番です。
幅広い診療体制と相談のしやすさが強み
診療の中で、喜びややりがいを感じることは何でしょうか?

【敬院長】患者さんに元気になっていただくことが一番の喜びですが、一方で介護はゴールがなく継続します。お困り事と私たちの支援がうまく結びついて、楽になっていただけるとうれしいですね。最期は家で過ごしたいという方が多いですから、なるべくかなうようにお手伝いすることがやりがいです。
【渡辺副院長】これだけ高齢化や核家族化が進んでくると、地域医療だけではうまくいかないことがあります。医師としての経験に私たち自身の人生経験も加えながら、患者さんの心身が落ち着くよう整えることに使命を感じます。福祉サービスや病診連携などで、患者さんを尊重できる形を築いていきたいですね。
休日の過ごし方やリフレッシュ法を教えてください。
【敬院長】私は釣りが好きですね。それから、僕も副院長も音楽が好きなので、音楽にはよくふれています。
【渡辺副院長】そうなんです。もともとは兄である院長が昔からピアノをしていたのですが、今では私のほうが夢中でやっていまして、コンクールに出たりしています。
【聡先生】私は子育てに奔走しています。自分に子どもができてから、小さなお子さんを連れて来院される親御さんの気持ちもよくわかるようになりました。
最後に、地域の患者さんへメッセージをお願いします。

【渡辺副院長】当院は、外科、内科、生活習慣病、感染症、認知症、そして介護面でお困りの方のお力になれると思います。また、婦人科も小児科も行きにくいといった女子中高生の子宮頸がんワクチン接種も行っています。デイケアでは音楽を用いたケアにも力を入れております。
【聡先生】生活習慣病が気になる方がいらっしゃいましたら、検査はもちろん食事や運動などのアドバイスもさせていただきます。広島市の元気じゃ健診などの特定健診、原爆健診、2世健診、胃カメラを使った胃がん検診など各種がん検診も積極的に行っています。何でもご相談ください。
【敬院長】3人の医師それぞれに専門分野があり、年代も違っていますので、この医師が良いということがあれば気兼ねなくおっしゃってください。ウェブ予約も取り入れていますので、何かありましたらいつでもお越しください。

