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絹谷 正之 院長の独自取材記事

絹谷産婦人科

(広島市中区/本通駅)

最終更新日:2021/10/12

絹谷正之院長 絹谷産婦人科 main

広島本通商店街にある「本通ヒルズ」の4階・5階にあるのが「絹谷産婦人科」だ。1981年に不妊治療専門のクリニックとして開業し、現在は絹谷正之先生が父から受け継いで2代目院長を務めている。完全予約制や主治医制を徹底し、初診前にカップルでの参加が必須である「初診前説明会」の開催や、「絹ちゃん会」「こころセラピーサロン」といったメンタルケアの体制も整えるなど、患者を多方面からサポートする。クリニックのホームページには設備や治療実績、診療内容なども細かく記載し、患者のための情報を充実させている。「不妊治療は精神的にも肉体的にも不安が伴う。だからこそ、できることは全力ですべてやりたい」と熱心に話す絹谷院長に、患者への思いや診療時の心がけなどを聞いた。

(取材日2021年7月7日)

患者に信頼される父の姿に影響を受け、産婦人科の道へ

先代の院長がこちらを開業されたのは、1981年だそうですね。

絹谷正之院長 絹谷産婦人科1

そうですね。父である前院長が50歳の時に開業しました。当時はここから少し離れた場所にあったんです。40年前はまだ、不妊治療を受ける方も現在ほど多くはなかったようですが、徐々にクチコミで広がっていきました。開業当初、僕はまだ高校生で、開業がどんなものなのかまったく見当がついていませんでした。それより前は、父は勤務医として働いていました。例えば旅行に行った時も、3日泊まる予定が、診療の都合で2日で切り上げて帰ってくる、なんていうこともよくありました。そんな姿を常にそばで見ていて、「医師って大変そうだな」と思っていましたね。

医療の道を選ばれたのは、やはりお父さまの影響が大きかったのでしょうか。

それは大きかったですね。先ほども言ったように、僕は父のことを「大変そうだな」と思っていたのですが、父は自ら「大変だ」とは口にしていなかったんです。患者さんが安心できるような環境で診療を受けていただいたり、出産をしていただくことを大切にしていたんだと思います。僕自身も医師になり、最初は産科の診療や、婦人科の手術なども学びたいと考えていました。しかし頭の片隅にはずっと「不妊治療で人の役に立ちたい」という思いがあったんです。

先生のご経歴をお聞かせいただけますか?

絹谷正之院長 絹谷産婦人科2

1989年に愛媛大学の医学部を卒業し、広島大学医学部産科婦人科学教室に入局しました。その後は東京にある山王病院リプロダクションセンターの、井上正人院長のもとで、高度生殖医療などを学んだのです。そのとき広島から東京に出たことで、もっと広い世界を見ておきたい、と思うようになりました。そして1999年から、カナダやイギリス、アメリカに渡り、高度生殖医療のトレーニングを受けました。高度生殖医療はヨーロッパで始まり、その後世界に広まったといわれています。しかし、決して日本が遅れているわけではないんです。海外の先生方と同じラボに通っていると、僕たちが日本で悩んでいることと、同じようなことで悩んでいる姿がある。日本も海外も、そこまで大きな違いはないんだなと再認識することができました。逆に文化が大きく違う部分もあり、総合的に学ぶことができた。このタイミングで海外に渡って本当に良かったと感じています。

不安の多い不妊治療を多方面からサポートする

40年の歴史があるクリニックですが、過去と比べて患者の年齢層などに差はあるのでしょうか。

絹谷正之院長 絹谷産婦人科3

やはり不妊で悩む患者さんは増えていますし、年齢層は高くなっています。その理由はご存じの方も多いかもしれませんが、やはり日本社会の晩婚化の影響と言えるでしょう。20年前と比べて、社会は大きく変わりました。今は女性も働く時代ですから、当然、結婚や出産も遅くなる傾向にあります。当院にはご結婚されてから何年かたち、子どもができないという患者さんが多くいらっしゃいます。例えば、30歳でご結婚されたとして、だいたいいらっしゃるのが35歳くらいになる印象です。社会が変化しても、女性の生殖機能は変化しませんから、いらっしゃる患者さんが増えているのだと思います。

クリニックならではの特徴を教えていただけますか。

まず当院は、初診を受ける前に必ずカップルで「初診前説明会」に参加していただいています。説明会は2時間から2時間半くらいかけて、当院の方針や治療のスタンスから、妊娠のしくみ、行う検査や治療についてなど、じっくりとお話ししています。また当院は完全予約制で、1人の患者さんに1人の医師がつく主治医制を取っています。医師は僕を入れて4人いますが、全員が日本生殖医学会認定生殖医療専門医の資格を持っています。また「絹ちゃん会」というグループカウンセリングや、「こころセラピーサロン」、「リラクゼーションサロン」といったメンタルケアのセッションも備えています。また患者さんから定期的にアンケートを取り、院内づくりをはじめ、クリニックに関するさまざまな点の改善に励んでいます。

患者を多方面から支える体制づくりに注力されていますね。

絹谷正之院長 絹谷産婦人科4

妊娠は女性が1人でできるものではありませんから、説明会のご参加は原則カップルでお願いしています。不妊治療はなかなか先が見通せないので、大きな不安が伴います。でもお二人で手を取り合っていけば、同じ不安でも少しは違ってくると思うのです。また治療を進めるにあたり、女性が病院に通うことが多くなります。そうすると、どうしても男性側の治療内容の理解が追いつかなくなってしまうことがあります。ですので、まず最初にどんな検査や治療があるかを知っておいてもらうことが重要だと考えています。カウンセリングに関しては、実際に参加いただければ「受けて良かった」と思っていただけるはずです。でも「カウンセリング」や「グループカウンセリング」といった名称だと、どうしても敬遠しがちな方も多い。多様な案を出し「絹ちゃん会」「サロン」のような親しみやすい名称にしたところ、興味を持ってくださる患者さんが増えやりがいを感じています。

知識をつけて治療を受けることで、達成感を得てほしい

先生が診療の際に心がけていることを教えていただけますか。

絹谷正之院長 絹谷産婦人科5

いかに患者さんの立場に立って診療できているか、という視点を常に持つことです。専門家として知識、技術を習得するのは基本中の基本で、もちろんとても大切なことですが、その先で医師として患者さんにどうアウトプットしていくかもとても大切なことです。そのアウトプットの部分で、患者さんはどう思うか、どう感じるかといつも念頭に置くように心がけています。とはいえ、まだまだ至らない点も多々あると思います。そんな部分を省みるために、先ほど言った患者さんからのアンケートはとても役に立っています。患者さんから頂いた貴重なご意見ですから、できることはすべてやりたいと思っています。僕もスタッフも、患者さんからの意見を聞くことで、初めて気づかされることも多くあります。

お忙しい日々だと思いますが、どのように息抜きされているのでしょうか。

日曜も午前中は基本的に診療しています。ですので、日曜の午後は家で家庭菜園をすることが多いですね。一番好きなのは旅行で広島を離れて、遠くに向かうひとときがたまらなく好きなんです(笑)。海外旅行が大好きなので、昨年はまだ行ったことのないアフリカに行こうと計画していましたが、新型コロナウィルス感染症流行の影響でそれが駄目になってしまって……。今は旅行に行くことができないので、なかなかつらいところです。洋画を観るのも好きなので、最近は映画鑑賞を通して外国に行ったような気分を味わっています。

最後に読者の方にメッセージをお願いできますか。

絹谷正之院長 絹谷産婦人科6

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があります。これは不妊治療に対しても言えることで、まず、妊娠がどういうものなのかを知っていただくことが重要だと考えています。一般的な年齢の影響や流産率、自分の状態などからも目を背けず、しっかりと知識として身につけておくことで、先が見通せない不妊治療の中にも「やり切った」という感情が生じると思うのです。また、僕自身も病院に行くときは、先生に自分の思い、身体を託します。そんな時に「不妊治療を受ける方たちも、信頼して思い、身体をわれわれに託しているのだな」と感じます。僕たちも説明会の内容を充実させ、患者さんに知識をつけてもらうことで、信頼関係の構築につながると考えています。不妊治療は精神的にも肉体的にも不安が伴いますが、お互いにできることはすべてやって、患者さんが達成感を得られる治療を提供していきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

・検査(抗ミュラー管ホルモン検査)  3850円~
・人工授精  2万7500円~
・体外受精  31万200円~
・凍結融解胚移植  14万3000円~

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