医師と理学療法士が連携し
ニーズに寄り添ったリハビリテーション
マスカット整形外科医院
(赤磐市/瀬戸駅)
最終更新日:2025/08/26


- 保険診療
リハビリテーションとは、加齢や手術による後遺症などで日常生活に支障を来した身体機能を、医学的アプローチによって回復へと導くための取り組みである。「マスカット整形外科医院」では、医師・理学療法士・作業療法士が連携し、患者一人ひとりの症状や生活背景に合わせた治療プランを提案している。腕や腰の痛みといった一般的な症状に加え、脳梗塞など脳疾患の後遺症にも対応し、幅広いニーズに応える体制が整っている。「ケガは治療した後が大切。適切なリハビリテーションを行わないと関節が固まってしまうこともある」と訴える渡辺雅仁院長と、理学療法士の守安啓(もりやす・あきら)さんの2人に、同院のリハビリテーションの特徴やチーム医療のあり方について話を聞いた。
(取材日2025年7月29日)
目次
患者一人ひとりに合わせたメニューを作成し、早期回復できるようにサポート
- Qどのような症状で来院される方が多いですか?
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A
▲さまざまなリハビリ対応に力を入れる渡辺院長
【守安さん】当院には、肩や腰に痛みを感じる方、ケガの後遺症に悩む方など、さまざまな症状の方が相談に来られます。特に多いのは椎間板ヘルニアをはじめとした腰痛ですが、「原因は不明だけれど痛い」という非特異的腰痛の方も少なくありません。私たちはリハビリテーションを通じて、正しい動かし方やトレーニング方法を提案し、患者さんの回復をサポートしています。
【渡辺院長】整形外科的な疾患だけでなく、脳梗塞後のリハビリテーションにも対応しています。最近では地域の皆さんに少しずつ信頼していただけていると感じています。「ここに来て良かった」と思っていただけるようこれからも努めていきます。
- Q高齢者のリハビリテーションはどのように行っていますか?
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A
▲患者のリハビリを支えるリハビリ室
【守安さん】高齢の方は痛みを抱えて来院されることが多いため、無理をせず、その日の体調や症状に合わせたリハビリテーションを心がけています。痛みが強い場合には、負担の少ない動きからスタートし、できる範囲で体を動かすことを大切にしています。また、リハビリテーションはクリニックだけで完結するものではありません。ご自宅でも継続して体を動かすことが重要なので、一人でもできる簡単なトレーニング方法をお伝えし、「おうちでも少しずつ続けてくださいね」と声をかけながら進めています。大切なのは、患者さんに無理をさせないこと。その日の調子をしっかり見ながら、安心して取り組んでもらえるように心がけています。
- Qスポーツでのケガやリハビリテーションはどのように進めますか?
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A
▲医師とスタッフが連携しリハビリ体制が整っていると語る守安さん
【守安さん】スポーツでのケガに関しては、特にアスリートの方の場合、試合の日程が迫っていることも多いため、「その日に最大限のパフォーマンスを発揮できるか」が大きなポイントになります。まずは医師がケガの状態や運動機能をしっかり診断し、その上でどのようなリハビリテーションが必要かを判断します。私たち理学療法士はその方針をもとに、試合日から逆算して、安全面にも配慮しながら段階的にプログラムを組み立てていきます。当院の強みは、医師と理学療法士の間に垣根がなく、何でも気軽に相談し合える関係性があること。疑問や気になる点があればすぐに確認し、情報を共有しながら進めていける体制が整っています。
- Qリハビリテーションで患者さんに接する際に心がけていることは?
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A
▲理学療法士が患者の想いや目標に寄り添いながらサポート
【守安さん】まずは、痛みがあるうちはその軽減にしっかり取り組むことが第一です。しかし、痛みが落ち着いた後にどんな生活を送りたいのかは、人それぞれ違います。だからこそ、普段の何げない会話の中から、その方の想いや目標をくみ取ることを大切にしています。「痛みがなくなったらゲートボールに復帰したい」「また日本舞踊を踊りたい」など、皆さんそれぞれにやりたいことがあります。その目標を一緒に共有し、実現に向けて寄り添っていくことが、私たちのリハビリテーションの大切な役割だと感じています。リハビリテーションを通じて、また日常の楽しみを取り戻せるよう、心を込めてサポートしていきたいと思っています。
- Qリハビリテーションにおける今後の展望を教えてください。
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A
▲今後はさらに幅広い世代のニーズに対応する体制に力を入れる
【渡辺院長】「0歳から100歳まで診るのが整形外科」とは大学病院時代によく耳にした言葉ですが、その言葉どおり、当院でも幅広い世代のニーズに応えられるよう、体制を整えていきたいと考えています。具体的には、理学療法士の増員やリハビリテーション施設のさらなる拡充に力を入れ、より多くの患者さんに質を重視したリハビリテーションを提供できるようにすることが目標です。現在も、私と理学療法士との間ではオープンな情報共有ができる関係を大切にしており、連携の良さが治療の質にもつながっています。今後もこの関係性を軸に、医師とリハビリテーションスタッフが一丸となって、患者さんにとって最善の医療を提供していきたいです。