歯ぎしり・食いしばりの対策に
手軽に始められるマウスピースを
樋口クリニック歯科
(岡山市北区/岡山駅)
最終更新日:2025/02/25


- 保険診療
朝起きると顎や頬の疲れ、痛み、凝りなどの違和感を覚えることはないだろうか。もしかするとそれには就寝時の歯ぎしりや食いしばりが関わっているかもしれない。就寝時の食いしばりは、日中に比べて数倍の力が歯にかかるといわれており、放置していると口腔内だけでなく全身の問題につながることもあるという。岡山駅前の大通り沿いにある「樋口クリニック歯科」では、歯ぎしり・食いしばりの対策にマウスピースの活用を提案している。就寝時にマウスピースを装着する方法で、短い期間で症状の緩和が期待できるという。「放置することによるリスクを知ってもらい、早めに相談に来ていただきたいです」と語る樋口讓院長に、どのような症状が出たら歯ぎしり・食いしばりを疑えば良いか、また放置することの危険性についても話を聞いた。
(取材日2025年1月23日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q夜間の歯ぎしり・食いしばりはどんな影響を引き起こしますか?
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A
起床時に歯や顎、舌に痛みや違和感を覚えることがあります。ただ、寝ている時のことなので、自覚症状がないことのほうが多いですね。無自覚のまま放置すると、歯の損傷だけにとどまらず、知覚過敏の進行や顎関節症などにも発展する場合があります。また、食いしばることで顎が疲れ、肩凝りや首の痛みが生じるなど、口の中だけではない全身への症状にもつながりかねません。歯並びが原因と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。人は誰しもストレスがかかると歯を食いしばりますし、詰め物・かぶせ物の不具合による食いしばりや、生理的に食いしばる癖がある場合もありますので、誰でも起こるリスクがあります。
- Q歯ぎしり・食いしばりに有用なアプローチはありますか?
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A
歯の矯正や噛み合わせ治療と併せて長期に取り組む必要がある場合もありますが、一般的にはマウスピースでの対処が適用されます。就寝時にマウスピースを装着し、起きたら外すだけですので手軽に始めることができます。また、マウスピースが歯や顎にかかる強い刺激を分散して受け止めてくれるため、装着して数日で症状の緩和がめざせるのも利点です。歯ぎしり・食いしばりに対するマウスピースの作製は保険適用で、一度作れば相当強い食いしばりでない限り通常1~2年は使用できます。当院では検査からマウスピースの製作、調整まで院内で完結しますので、完成まで3日ほど短く、お悩みに素早く対応することができます。
- Q歯ぎしり・食いしばりを放置するとどうなるのでしょう?
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A
放置によるリスクは大きく分けて3つあります。まず1つ目は口の中のリスクです。歯がすり減ることにより欠けや割れが生じ、その結果知覚過敏や歯周病の進行を早めたり、詰め物やかぶせ物が外れたりすることがあります。2つ目は口の周りの痛みです。就寝時の食いしばりは日中の約6倍の強い力がかかるといわれており、顔や顎の筋肉の痛み、凝り、顎関節症にもつながっていきます。3つ目は全身への影響です。顔の筋肉は首から肩・背中にかけての筋肉とつながっているので、首や肩の痛みや姿勢など全身に悪影響が出てきます。歯ぎしりや食いしばりは放置しても改善しにくいので、ぜひマウスピースで対策を取ってほしいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診・カウンセリング
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受付後、問診票を記入しカウンセリングへ。食いしばりの場合は本人も周りも気づいていないケースがほとんどだそうだ。同院では、朝起きた時に違和感がないかなど、一つ一つチェックしていくという。少しでも気になることがあればここでしっかりと伝える。カウンセリング後、精密検査に進む。
- 2精密検査
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違和感や痛みの原因を突き止めるため、エックス線検査、口腔内診査、必要に応じて歯周病検査を実施。エックス線検査では虫歯や歯周病の有無を調べると同時に、歯のすり減りによる悪影響が出ていないか、骨に異常はないかも確認。口腔内診査では虫歯や歯周病の状態と併せ、歯のすり減り具合や、舌や頬の内側の粘膜に歯の痕がないかもチェック。さらに歯ぎしりや食いしばり特有の筋肉の張りがないかや、顎関節の状態も確認していく。
- 3マウスピース製作
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口腔内の現状と今後の治療計画について説明される。歯ぎしり・食いしばりの症状が見られ、歯並びや噛み合わせなど他の治療での対応が必要でなければ、マウスピースでの対応が提案される。同院でマウスピース製作にかかる日数は3日ほど。ゴム製とプラスチック製があり、症状にもよるが、患者の希望によって選ぶことも可能だそうだ。ゴム製はフィット感が良く、プラスチック製は装着後の調整や修理に対応できるという。
- 4マウスピースの装着・調整
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後日受診し、できあがったオーダーメイドのマウスピースを診療ユニットで実際に装着。違和感がないか調整が行われた後、マウスピースを受け取る。その後カウンセリングルームに移り、今後についてや手入れ方法などの細かい説明を受け、必要であれば資料を受け取ることもできる。
- 5定期検診
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口の中の状態は年月とともに微妙に変化していくため、それに合わせてマウスピースの余分な箇所を削ったり、すり減りが強い部分は補強をしてもらったりと、長期的に使用するためにもプロのメンテナンスは不可欠だという。数ヵ月に1回のペースで定期的に通院し、歯に合った適切な状態にマウスピースを保つことが大事だそうだ。