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吉直 正俊 院長の独自取材記事

吉直整形外科クリニック

(出雲市/雲州平田駅)

最終更新日:2023/06/01

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック main

出雲市西平田町、鰐淵寺線沿いの大きな建物が目を引く「吉直整形外科クリニック」は1985年の開院。院長の吉直正俊先生は、日本整形外科学会整形外科専門医として40年近くにわたって地域住民の健康を守り続けてきた人物だ。院長の豊富な経験を生かした整形外科をはじめ、島根大学から専門の医師を招くことで幅広い診療に対応。さらに、疾患の治療に収まらず、デイケアや訪問による専門的なリハビリテーションの提供や、疾病予防を目的としたメディカルフィットネスの設備も備える。また、同院2階のギャラリーには「患者さんには晴れやかな気持ちで帰ってほしい」との吉直院長の思いが込められているそう。そんな吉直院長に、開院までの経緯や診療内容、診療方針、クリニックが持つ強み、力を入れている骨粗しょう症の骨折予防について話を聞いた。

(取材日2023年2月20日)

「患者さんの気分が晴れやかになる場所」をめざして

吉直院長が医師をめざした理由からお話を伺ってもいいですか?

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック1

はい。代々、医師の家系で、私の父も開業医をしていました。父が地域医療に真摯に向き合っていた姿をずっと見ていましたので、自然と自分も「将来は父のような、人の役に立てる医師になろう」と思うように。医師は患者さんを良くしてあげたいという気持ちがモチベーションになっていると思います。その中でも、特に整形外科は痛みや体の不調と、その治療の経過が目に見えてわかりやすいところにやりがいを感じましたね。

開業前の6年間、大学病院に勤務されていたそうですね。

熊本大学を卒業してしばらくたった頃、ちょうど島根大学医学部(旧・島根医科大学)が開設されるタイミングにこちらへ戻ってきました。最初、整形外科は教授を含めて医局員が5人しかおらず、外来、手術、当直と本当に多忙な日々でした。人の2倍働いていないと回らない状態で、毎日多くの患者さんと多岐にわたる症状を診て対応したのですが、おかげでかなりの経験を積むことができました。あの6年間の経験が今でもたいへん役に立っていると思います。そこから開業に至ったのは、自分が本当に「やりたい診療」をしたくなったから。当院では、痛みの緩和や改善を図ったりするのに加え、患者さんが帰る時には気分が晴れやかになっているような診療をめざしています。整形外科は膝が痛い、腰が痛い、肩が痛いといった慢性的な症状の患者さんが多く、患者さん自身、気が滅入りがちに。だからこそ、気持ちを明るく持っていただけるかというのが大切だと思います。

ギャラリーを設けていますが、こちらもそうした気持ちからでしょうか。

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック2

そうです。患者の皆さま、地域の皆さま同士の交流の場として開設しました。今月展示している作品を描かれた方は70代から絵を始められ、まだ2年ですがめきめきと上達されています。来月は90代のおばあちゃんの作品を展示する予定なんですよ。飾る側は作品を見てもらうことで励みになると同時に、同じ年代の患者さんがチャレンジしていることで見る側の患者さんも元気をもらうことができると思います。患者さん同士の心の張りにつながっているんです。

施設とスタッフの充実で高い医療水準の維持をめざす

クリニックについて詳しく教えてください。

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック3

整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科の診療に対応しています。また、スポーツ障害、骨粗しょう症、脳卒中後遺症の痙性麻痺(痙縮)のリハビリに対しても専門性を持って受け入れています。さらに、連携している島根大学から、脳神経内科の長井篤教授、心臓血管外科の今井健介助教、リハビリテーション科の酒井康生講師といった経験豊富な医師の方々に定期的に来ていただいており、脳神経内科、循環器、専門性の高いリハビリにも対応しています。それぞれが連携することで幅広い領域をカバーし、高い医療水準の維持をめざすためにこうした体制を取っています。

クリニックのこだわりは何でしょうか。

患者さんの心身の健康のために、各種設備の充実を図っています。院内にはリハビリテーション室があり、物理療法のための30種類の機器と運動療法を行う理学療法士が常勤で4人在籍しています。疾病予防目的で取り入れているメディカルフィットネスでは、一人ひとりの体調・体力に合わせた運動プログラムをスポーツ医学の観点から提供しており、もともと患者さんでなくともご利用いただけます。機器の導入にも注力し、骨密度を詳細に図るためのレントゲン機器のほか、循環器の分野では患者さんが心臓に負荷のかかる運動をしても大丈夫かチェックするための負荷心電図計を、リハビリでは脊柱彎曲運動の正常化を図るためのリハビリ機器などを備えています。さらに、送迎サービスつきのリハビリテーションをご提供する短時間デイケア施設「リハホーム」、通院や通所でのリハビリが困難になられた方向けの訪問リハビリテーション「STEP」も運営しています。

吉直先生の診療方針をお聞かせください。

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック4

私は“いい加減が一番いい加減”と表現しているのですが、患者さんに対してあまり肩に力を入れずに頑張りましょう、とお伝えしています。“いい加減”というのは“いいあんばい”といったニュアンスでしょうか。頑張ろうと思いすぎると交感神経が優位になりますが、それよりはリラックスして副交感神経が優位になったほうが免疫機能の向上も期待できますから、そのように接することを心がけています。またスタッフにも、患者さんに声かけをしてリラックスできる雰囲気をつくってもらうようお願いしています。

健康寿命を延ばすため骨粗しょう症の骨折予防にも注力

骨粗しょう症の骨折予防の地域連携にも力を入れられています。

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック5

出雲圏域の急性期・回復期の基幹病院と出雲医師会所属開業医が病診連携・診診連携して骨粗しょう症の二次骨折を予防するためのシステム「コツコツネット」の運営に携わり、当院も骨密度検査を引き受け医療機関、栄養指導実施機関として地域連携を図っています。骨粗しょう症による骨折は要介護につながることもありますし、一度折れると連鎖しやすいので、それを防ぐことが大切です。当院で骨粗しょう症の治療を受けた患者さんには、連携ツール「コツコツノート」に治療履歴・検査記録を記載してお渡しし、出雲のどの医療機関に行っても治療やその後のフォローがしやすくなればと考えています。高齢化がますます進む中で、骨粗しょう症の骨折を防ぐことは健康寿命の延伸と医療費の削減にたいへん有用だと思います。

健康や医療情報についての啓発活動も行っていらっしゃいますね。

地域交流の一つとして3ヵ月に1回、「痛みの教室」という講演会を開いています。将来、起こり得る「痛み」を事前に知っておくことで、予防につなげていただくことを目的にしています。次回のテーマはストレッチを取り上げる予定で、ストレッチのやり方や、どんなタイミングで行ったほうがより効果があるのかといったことなどを解説していこうと思っています。これまで「むくみ」「肩凝り」「転倒予防」などさまざまなテーマを取り上げており、通算で50回を超えました。また、毎月「つばさ」という当院の広報誌を発行しており、当院からのお知らせや、自宅でできる体づくりの方法、頭の体操になるクイズ、私やスタッフからのメッセージなど、さまざまな内容を盛り込んでいます。これも当院と患者さんとの交流の一つですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

吉直正俊院長 吉直整形外科クリニック6

まだまだ私自身が浅いので、もっと深くなりたいと思います。勉強もまだ足りないので、常に向上心を持って自分の医療の知識や技術、そして人間性の面でもアップデートしていきたいですね。読者の皆さんには、毎日、少しでいいですから体を動かすことをお勧めします。体を動かすことで抵抗力が増してきます。たくさんする必要はなく、1日15分から30分で結構です。 “いい加減”でいいですから、ぜひ実行していただきたいですね。

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