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東 順子 院長の独自取材記事

山本眼科医院

(松江市/松江駅)

最終更新日:2023/06/21

東順子院長 山本眼科医院 main

JR山陰本線・松江駅から松江新大橋を渡って車で5分、松江から出雲を貫く国道431号線沿いで、47年にわたり診療を続ける「山本眼科医院」。院長の東順子(ひがし・じゅんこ)先生は、開業院長であった父からクリニックを継承、2011年の入職から12年目を迎えた。眼科医になると決めたのも、入職を決めたのも、実家が眼科医院であることだけが理由ではなかったという東院長。あくまでも一人の医師として、客観的かつ合理的な理由で判断を重ねてきた結果、生まれ育った街にたどり着いた。淡々とインタビューに答えながらも、通りかかった患者とは気さくに楽しげに喋る、医師らしい知性と人柄の良さを感じさせるドクターだ。

(取材日2023年5月11日)

病診連携、他科連携で、入院手術もできる眼科医院

クリニックの特徴をご紹介ください。

東順子院長 山本眼科医院1

当院は前院長の父が1976年に開業した眼科医院です。私は2011年から勤務し、2016年に当院を引き継ぎましたが、その際に内装に手を入れて、やわらかい雰囲気の明るい院内に、診察室のある1階はバリアフリーにしました。診療面では、眼鏡やコンタクトレンズの処方から日帰り手術まで可能です。遠方からご来院の方、お一人暮らしなどで翌日の通院が心配な方など、ご希望いただければ最大2泊まで入院していただくこともできます。加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症黄斑浮腫の注射による治療も可能です。お薬は基本、院内薬局で処方しています。眼鏡やコンタクトレンズは、患者さんとお話しして着け心地を確認しながら処方していますので、初めての方でも安心してご利用いただけると思います。

入院可能な眼科医院は珍しいですね。手術についてもう少し詳しく教えてください。

白内障手術では翌日と2日目の受診が必要になります。新型コロナウイルス感染症の流行で、ここ数年は日帰り手術を推奨していましたが、最近は感染症も落ち着いてきたので、患者さんのご要望で入院可能としました。手術は今のところ白内障手術が多く、ほかに翼状片の切除、一般に「逆さまつげ」で知られている眼瞼内反症や、霰粒腫、一部緑内障などの手術も行っています。いずれのケースも、通院していただきながら経過を観察しつつ、患者さんのお気持ちと環境が整ってきた時に行うようにお勧めしています。他の医院や病院からの紹介で、当院に手術希望で来られる患者さんの場合、1、2回程度、通院いただいた上で手術になります。その方の全身の状態も事前に確認し、持病のある方の場合はかかりつけ医と連絡を取りながら、手術の可否を判断します。

患者さんはどのような人が多いですか?

東順子院長 山本眼科医院2

0歳から高齢の方まで幅広く、年齢や性別の偏りは少ないです。目の不調で来られる方、健診の結果を持っていらっしゃる方、当院で健康チェックをしたい方などさまざまです。緑内障や白内障、加齢黄斑変性など経過観察のために定期的に検査や治療を続けている方もいらっしゃいますし、病状によっては初診の方でも地域の基幹病院と連絡を取って迅速に紹介をしています。逆に、大きな病院で手術や治療を済ませて、落ち着いてから管理のために当院に通われる方もいますので、連携はしっかり取れていると思います。訴えとして多いのは、30代から50代の方は疲れ目、もう少し年齢が上がってくると白内障や緑内障の方、内科で糖尿病が見つかって紹介で来院される方などが増えてきます。疲れ目にはドライアイやアレルギーが隠れているケースが多いです。

専門を特化せず、多くの症例から学んだ新米医師時代

医師を志したきっかけは何でしたか?

東順子院長 山本眼科医院3

当院が開業した頃、私は幼稚園から小学校の低学年で、当時はこの建物の3階に住んでいました。母が出かけて不在の時は、学校から帰ると受付に寄って、家の鍵を受け取るなどしていました。同じ建物内なのでスタッフや患者さんと顔を合わせることも多く、自然と関心が強くなって、医学部に進むことにしました。ただ、最初から眼科医になろうとか、実家を継ごうとは考えていなかったんです。せっかく医師免許を取ったので、長く医療を提供していきたいとだけ考えていました。外科にも興味がありましたが、外科では長時間の手術や急な呼び出しなどがよくあります。将来的に家庭を持ち、仕事も続けていきたいと考えた時、眼科でしたら内科的な要素も外科的な要素もあるので、長く続けていけるかなと思い、最終的に眼科を選びました。

ご専門や、こちらの医院に勤務された経緯を教えてください。

眼科の医局内で、専門を特化してきた経験はありません。たまたま最初に赴任した病院では上の先生ばかりで、新人医師は私一人しかいなかったので、専門に縛られず多くの先生たちからいろいろな症例を与えてもらったことが、今も役立っています。当院には2011年に入職しましたが、入職を考え始めた時も、実家だからと決めるのではなく、医師として自分はどんなかたちで医療提供するのが良いか、勤務のままがいいのか開業がいいのか、どの地域がいいのかなど、専門家の客観的な目線も交えながら考えました。実際に入職してみて父が長きにわたって地域医療に携わり、その中で培ってきた患者さんとの信頼関係を継承する大切さを実感しています。

東先生が院長になってから、変えたことなどはありますか?

東順子院長 山本眼科医院4

院内をリニューアルした時に、診察室を増やしてニ診制にしました。以前からの患者さんに限りますが、今でも前院長は時々診察をしていますし、院内が混雑する時は2つの診察室が役に立っています。また眼科は検査機器が多いのですが、全部あっても使い切れませんから、良く使う重要な機材を新しくしました。以前は蛍光眼底造影(FAG)という検査もしていたのですが、検査の際に使う造影剤で体調が崩れる方もいるので、今はしていません。FAGによる要検査対象には糖尿病網膜症の方も少なくないため、基幹病院など、何かあった時にもしっかり対応ができる医療機関で検査をしていただきます。検査結果によって当院で治療を続けるか、検査した病院で治療に進むかの判断になります。当院ではOCTという眼底三次元画像解析装置を導入しており、FAGと近いデータを得られますので、こちらで対応できるものはそうしています。

人は自分の目を自分で見ることはできない

日頃の診察で心がけていることは何ですか?

東順子院長 山本眼科医院5

女性医師だからというわけでもないのですが、なるべくやわらかい雰囲気で、まずは患者さんの話を聞くことに重点を置いています。そして必要な情報をスムーズに聞き取れるように、できるだけ和やかな雰囲気でお話を伺います。質問は患者さんがオープンに話しやすい内容と言葉を選んでいます。訴えである目の話だけではなく、無理のない範囲で患者さんの背景もお聞かせいただき、持病など他科の治療状況なども伺います。混雑している時はゆっくりお話ができないので、余裕のある時はできるだけコミュニケーションを取るようにしています。

最近増えてきた目のトラブルなどはありますか?

働き盛りの現役世代ではドライアイや緑内障、糖尿病網膜症、年齢が上がってこられるとやはり白内障。若い方ではコンタクトレンズのトラブルでしょうか。コンタクトレンズは医療用具であり、中でも人の健康に重大な影響を与える高度管理医療機器とされています。製品や使い方によっては角膜に傷がつく、視力低下が起きるなどの危険も。定期的に検診を受けながら、ご自身に合った安全に配慮された製品を使っていただきたいです。また、花粉症など目のアレルギー疾患は、世代問わず増加傾向にあります。花粉症の場合、症状の軽減を図るには、シーズンが始まる2週間ほど前から点眼薬を使っていただくことがポイント。早めの受診をお勧めします。

読者へメッセージをお願いします。

東順子院長 山本眼科医院6

人の一日の生活で、目から入る情報は8割といわれています。現代の生活では酷使しがちな目ですから、時々は休ませながら、上手に使ってほしいです。近年、予防医学の大切さが認知されてきましたが、目の健康についても予防や健診を利用して、ご自身で意識的にチェックしながら、かけがえのない目を大切に守っていただけたらと思います。緑内障、白内障、加齢黄斑変性など、気づいた時にはかなり進んでいるという病気は少なくありません。だからこそ、自覚症状がなくても、気になることがあれば迷わず受診していただきたいです。何よりも、ご自身の目はご自身で見ることができませんからね(笑)。気軽に見せてもらったほうが話が早いですし、病状が進んでいた場合でも、現状を説明し病状をなるべく悪化させないよう提案させていただます。

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