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中尾 重哉 副院長の独自取材記事

中尾医院

(磯城郡田原本町/田原本駅)

最終更新日:2025/12/19

中尾重哉副院長 中尾医院 main

田原本駅から徒歩2分の場所に、1949年から80年近くにわたって地域の眼科医療を支えてきた「中尾医院」がある。副院長を務める中尾重哉先生は、奈良県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センターなどで研鑽。2020年には、祖父から3代続く同院を継承するため副院長に就任した。「どんな些細なことでも気軽に相談に来てもらいたい」と穏やかな表情を見せる重哉副院長。待合室は、スタッフ手作りの季節の折り紙や、自ら手入れをしているという熱帯魚の水槽が印象的で、訪れる人たちにとって心安らぐ空間となっている。「どれだけその方に向き合えたかが大事」という信念のもと、患者が納得いくまで時間をかけて説明する診療スタイルを貫いている。父から受け継ぐ地域医療への思いや、今後の展望について話を聞いた。

(取材日2025年11月19日)

長年の歴史を大切に、気軽に相談できる眼科医院へ

まずは長い歴史のあるクリニックについて教えてください。

中尾重哉副院長 中尾医院1

当院は祖父が1949年に開業しました。祖父の時代は内科と眼科を標榜し、今でいう総合診療のようなかたちで、地域の皆さんの健康上のお悩みを何でも引き受けていたようです。現院長である父の代から眼科専門になりました。父はこの地で生まれ育ちましたので、患者さんの中には父の小学校時代の同級生もいらっしゃるんですよ。長年にわたって真面目に診療を続けている父を慕って来られる患者さんも多いです。3代にわたって同じ場所で診療を続け、地域との深いつながりを大切にしてきた医院です。

副院長に就任されたきっかけをお聞かせください。

奈良県立医科大学附属病院で助教を務めていましたが、なるべく早く地域の人に顔を知ってもらいたいという思いがあって、当院の副院長就任を決めました。というのも、将来継承する際に患者さんと「初めまして」になるのを避けたかったんです。患者さんに引き続き安心して来院していただけるように最低でも5年は下積み期間を設け、院長とその息子が診療しているということを知ってもらいたいと考えました。また、地域医療や健康増進分野におけるサポートが自分の性格に合っていると思っていましたし、人とコミュニケーションを取るのが好きで、患者さんと長く付き合っていきたいという思いもありました。人の気質も気候も穏やかなこの地域にとても愛着があり、勤務医時代に培ったスキルを生かして貢献したかったんです。

現在は、院長と二診体制で診療を行われているのですね。

中尾重哉副院長 中尾医院2

月曜・水曜・金曜の午前は父と私の二診体制で診療しています。私が受付を担当することもあり、アットホームな雰囲気が特徴です。診察室も祖父と父が2人で診療していた時代からの形を踏襲し、壁で仕切らず一つの広い空間で診察しています。父は、目のこと以外でもいろいろと患者さんの相談に乗る人情味のある診療をしており、地域のかかりつけ医として信頼を得ているのではないかと思います。患者さんに慕われている父へのリスペクトを持ちながら、私も変わらぬ安心感を患者さんに届けたいという思いで診療にあたっています。

誰もが通いやすい環境づくりに力を注ぐ

診療で大切にされていることはありますか?

中尾重哉副院長 中尾医院3

大きめな声でわかりやすく伝えることと、患者さんが納得いくまで時間をかけて説明することを心がけています。時間が許す限り話を続けることもありますね。特に加齢黄斑変性や糖尿病網膜症など治療の難しい病気の場合は、病気の特性を曖昧にせずきちんと伝えるようにしています。その上でこれからどう病気と付き合い生活していけば良いか、患者さんの背景に沿って選択肢を提示し、一緒に考え歩んでいくスタンスを大切にしています。勤務医時代、糖尿病網膜症の手術を終えた方が、緑内障を併発。その後は緑内障専門の先生に引き継ぎ私の手から離れたのですが、悪化していく状況の中で「また先生の顔を見られたら良いのに」と言ってくれたことがあって。そういうふうに言っていただけたことで、結果だけでなくどれだけその患者さんに向き合えていたのかが大事だと、強く考えるようになりました。

通いやすい環境づくりへの工夫を教えてください。

新たに月曜・水曜・金曜の14時から17時までの診療時間を追加したことで、「この時間帯に開いている医院は少ないので助かっています」と患者さんに喜ばれています。院長の方針で薬の院内処方にこだわり、薬の説明や残薬管理にも医師が直接携わっていることも特徴の一つです。薬局へ行く負担がなくなり院内で完結できるので、患者さんの負担軽減につながっているのではないでしょうか。アットホームな環境づくりの一環として、受付周りに飾っている折り紙の作品は、季節ごとにスタッフが手作りしてくれているんですよ。また私の趣味で熱帯魚の水槽を待合室に設置しました。患者さん、特にお子さんが喜んで眺めてくれていいます。これからも患者さんにリラックスして過ごしていただけるような、親しみやすく温かみのある環境づくりを心がけていきたいです。

画像診断への取り組みについてお聞かせください。

中尾重哉副院長 中尾医院4

勤務医時代は、特に加齢黄斑変性などの画像診断に力を入れていました。その経験を生かし、副院長就任時にOCT(光干渉断層計)を導入し、診断のために使うだけでなく、スクリーニングの役割も担ってもらっています。高齢者が多い地域なので、病気の早期発見がとても重要だと認識しているからです。また、持ち運び可能な眼圧検査機器を導入し、患者さんが移動する負担を軽減しています。風を当てる必要がないタイプなので、違和感なく楽に検査が受けられるのではないかと思います。

変わらぬ安心感をめざし、地域医療を次世代へつなぐ

医師として、今に生きていると感じる経験はありますか?

中尾重哉副院長 中尾医院5

奈良県立医科大学への入局1年目に、奈良県総合医療センターで経験した1年間が今の原点です。それまで1人で診療を行っていた体制から3人体制に変わるタイミングで若手枠として配属され、手術件数を増やしたり体制を整えたりする重要な時期を経験しました。さまざまな診療のやり方や患者さんとの接し方を学べた貴重な1年でしたし、診療における大切な考え方や動き方も身についたと思っています。今も部長をされている先生には当時から特にお世話になり、医療の面だけでなく人間としても成長できたと感じています。そのご縁もあって、現在も木曜日は奈良県総合医療センターで外来の診療を担当しています。

他の医療機関とはどのように連携を取られていますか?

より専門的な対応が必要なケースに関しては、奈良県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センター、天理よろづ相談所病院などに紹介を行っています。また、ある程度病状が安定している方は、病院ではなくても当院で対応できる場合があります。例えば、硝子体注射が必要な患者さんには、奈良県総合医療センターで私が注射を行い、当院で経過を診るといった併診の形を取ることも可能です。病院に比べて待ち時間が少なく、通院しやすいと思いますので、必要に応じてご相談いただけたら幸いです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

中尾重哉副院長 中尾医院6

ものもらいや結膜炎、白内障など、ちょっと気になるから相談に来たという方が多く、他院にかかっている方のセカンドオピニオンにも対応しています。今後も、人のつながりが温かいこの田原本の地で、患者さんが安心して通い続けられるような環境を維持しながら、地域の皆さんとともに歩んでいきたいと思っています。将来的には当院で硝子体注射にも対応したいと思っていますが、患者さんが増えて待ち時間が延びる可能性も考慮し、今来てくれている患者さんの負担にならないよう慎重に検討していきます。日常のちょっとしたことでも相談しやすい医院でありたいと思っていますので、遠慮せずお話を聞かせていただけたらと思います。

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