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川本 亮 院長の独自取材記事

川本耳鼻咽喉科

(大和郡山市/郡山駅)

最終更新日:2025/01/24

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科 main

診療開始前から終了ギリギリまで、大勢の患者がひっきりなしに訪れる耳鼻咽喉科のクリニック。そうした毎日が繰り返される中で、できる限り丁寧な診療を提供しようと奮闘しているのが、郡山駅前で45年以上も続く「川本耳鼻咽喉科」だ。院長の川本亮先生は、大学病院で講師を務めた経験もある医学博士であり、日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。アレルギー性鼻炎や甲状腺などの専門領域だけでなく、小さな子どもから高齢者まで、幅広い診療で地域のかかりつけ医としての役割を果たしている。明瞭な言葉の中にも優しさが感じられる院長。どのようなスタンスで日々の診療に向き合っているのか、普段はなかなか口にする機会のない患者への思いなどをじっくりと語ってもらった。

(取材日2024年12月14日)

地域に密着し、耳鼻咽喉科症状から感染症まで幅広く

駅のすぐ目の前。高い吹き抜けのある立派な建物ですね。

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科1

当院はそもそも、1978年に父が隣のビルで開業したところからスタートしています。その父が突然亡くなったため、同じ耳鼻咽喉科医の兄が10年ほど診療を引き継ぎ、私に院長をバトンタッチしたのが2003年のことです。その後にここを新築し、移転してもう20年近くになりますね。当院は3階建てで、1階が駐車場、2階に待合スペースと診療室、3階は広いキッズスペースというフロア構成になっています。待合とはフロアが別のキッズスペースは、ぜひ設置したかったんですよ。一般の患者さんはやはり静かな環境でお待ちいただくほうがいいですし、少しでも快適に過ごしてもらいたいと、大きな窓やアーチ状の吹き抜けのある優雅な空間にしています。

院長に就任されるまで先生は大学病院にお勤めだったとか。

ここを兄から引き継ぐまで、私は出身である近畿大学病院の耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室に勤務し、助手や講師を務めながら主に副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に対する手術などを担当していました。博士号を取ったのは、顔面神経麻痺の早期診断に関する研究です。大学病院ですから、患者さんの大半は手術を目的として来られます。そのため1人の患者さんにじっくりと時間をかけることができましたが、いざ開業医として診療を始めてみると、とにかく相手にする人数が違います。どの耳鼻咽喉科クリニックでも大半はそうだと思いますが、平均すると1時間で20人ほどの患者さんを診ていかなくてはならず、そこが大学病院との大きな違いです。

どのような存在のクリニックをめざしてきましたか?

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科2

やはり地域でやっていますから、まずは町医者といいますか、かかりつけ医としての役割ですね。小さなお子さんからご年配の方まで、耳・鼻・喉のことであればどの疾患にも対応し、中耳炎やアレルギー性鼻炎はもちろん、風邪やインフルエンザといった感染症まで幅広く診療します。中には花粉症のようになかなか治らず長引く慢性疾患もありますが、いずれにしても大切なのは症状や治療についてしっかりと説明を行い、患者さんによくご理解いただいた上で治療を進めていくことです。咳があまりに続くようであれば内科で検査してもらうこともありますが、そうしたアドバイスをするのもかかりつけ医の役目ですから遠慮せずに頼ってみてください。

多忙であっても丁寧に、じっくりと向き合う姿勢が大切

診療において、特徴的な点があれば教えてください。

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科3

耳鼻咽喉科なのでいろんな検査機器をそろえていますが、当院で特に活用しているのがエコー(超音波)診断装置です。エコーを用いれば頭頸部がんやリンパ腫、耳下腺腫瘍、甲状腺疾患まで確認できますし、良性か悪性かといった判断や進行具合のチェックもできます。かつて大学病院にいた頃は、もっと早くに紹介してもらえればと痛感したことが少なくありません。クリニックにおいてがんなどの重い病気を見逃さず、少しでも気になることがあれば何度でも調べることが重要ですね。もう一つ、当院で特徴的なのは薬剤師が常駐していることです。今は医薬品の種類も増え、患者さんのお薬手帳を診察中に確認するのは至難の業。飲み合わせの問題や薬局からの問い合わせにも全部対応してもらえるのは、医師として非常に助かっています。

子どものアレルギー性鼻炎にも注力しているそうですね。

父の代からこの地域の小中学校の学校医を務めさせてもらっていますが、アレルギー性鼻炎のお子さんは増え続けています。スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎の場合は、抗原を吸収することでアレルギー反応の軽減をめざす、舌下免疫療法が有用です。治療は3〜4年ほど続ける必要がありますが、体質そのものにアプローチしますので、お子さんの将来を考えるなら社会に出る前の今がチャンスかもしれません。ちなみに、子どもをなるべく泣かさないことも耳鼻咽喉科医の腕の見せどころ。感染症などの抗原検査では綿棒を鼻の奥に入れる必要がありますが、左右の広いほうの鼻の穴を選んでスプレー麻酔を行い、2〜3分ほど問診して鼻の穴が広がるのを待ってから行うなど、痛みに配慮した工夫を凝らしています。

日々の診療について、患者さんにお伝えしたいことはありますか?

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科4

これまで私1人で診療を行ってきました。そのため、花粉症のシーズンに感染症の流行などが重なると、混み合ってしまい心苦しく感じています。順番受付システムで呼ばれた時刻に来たのに待たされたという体験をお持ちの方もきっとおられるでしょう。なるべく皆さんに平等な対応を心がけていますが、例えば発熱のある方を別室に優先してお通しし、めまいのある方に脳梗塞かどうかのチェックを行っていると、順番が前後したり時間がかかってしまったりということがどうしてもあります。1人あたりの診察を短く済ませればそれだけ早く回せるでしょうが、「言いたいことが言えなかった」「聞きたいことが聞けなかった」というのでは、かえって患者さんにご迷惑をおかけしてしまいます。私も全身全霊で診療にあたっていますので、そこはどうか皆さんにご理解いただければと思います。

使命感とともに、大きなやりがいと充実感を持って

耳鼻咽喉科医の仕事をどのようにお考えですか?

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科5

父が耳鼻咽喉科医で兄もそれに続き、私も進路として意識していたのは事実です。大学でいろんな科を見て回りましたが、一時は呼吸器内科が頭をよぎったこともありました。そうしているうちに、父が他界したことがやはり大きかったですね。その時点で耳鼻咽喉科医になろうと決心し、父や兄と同じ道を行くことになりました。他の診療科の経験がないので比較はできませんが、耳鼻咽喉科には急性疾患も慢性疾患もあり、人の感覚が集中している重要な部分を担っています。どんなに忙しくても使命感を持って取り組まねばなりませんし、それだけに強いやりがいや充実感もあります。ですからこの道を選んで良かったと思っています。ちなみに私には2人の子どもがいますが、長女は私と同じ母校の大学病院で働いており、長男は医学部に在学中で、医師をめざし勉強に励んでいる最中です。

今後、考えていることなどはありますか?

今は忙しくて現実的ではありませんが、そのうち時間をつくり、病院に出向いて手術を再開したいという希望があります。大学を辞めてここに入職する時に、手術から遠ざかってしまうことへの一抹の寂しさがあったんですね。それで開業医になってからも当初のうちは休診日に大学病院で手術を担当していましたが、やがて時間が取れなくなって中断したままです。せっかく身につけた技術や知識、経験がありますから、どこかで生かせればと思っています。あと、いつも診察室にこもって細部を見ていると、広い場所に出て体を動かしたくなるものです。今はたまに休日にゴルフへ行ったりする程度ですが、たまには妻と旅行くらいは行けるようになりたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

川本亮院長 川本耳鼻咽喉科6

この大和郡山市は私の地元で、通っていた小学校や中学校も当時のままの校舎が残っています。それだけに愛着のある街ですから、今後も地域の皆さんのお役に立ちたいと思います。大勢の患者さんが貴重な時間を割いて診療をお待ちですから、台風や積雪といった理由で診療を休むわけにはいきません。それで院内に一応宿泊室やシャワーを用意し、心配な場合は前日から泊まり込んで通常診療に備えることも。そんな意識で取り組んでいますから、診察室ではどうぞ遠慮なく、お困りのことや質問があれば何でもお話しください。むやみに不安を募らせたり楽観視したりするのではなく、ご自身やお子さんの状態を正しく理解した上で、改善や治療に向けて私たちと一緒に考えていきましょう。

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