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下河辺 嗣人 副院長の独自取材記事

下河辺医院

(大和高田市/高田市駅)

最終更新日:2024/04/24

下河辺嗣人副院長 下河辺医院 main

高田市駅より徒歩8分の国道168号沿いにある「下河辺医院」。内科・消化器内科・小児科を診療し、内視鏡検査や生活習慣病の外来まで展開している。父である下河辺俊逸(としいつ)院長が1964年に開業した同院を、下河辺嗣人(ひでと)副院長が2021年に継承した。下河辺副院長は市立奈良病院の消化器内科・小児科で研鑽を積み、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医でもある。地域のニーズをくみ、患者の苦痛を軽減するための鎮静剤を用いた大腸内視鏡検査に注力している。「かかりつけとして通ってくださっている患者さんを適切な治療に早く導きたい」と語り、病診連携にも積極的だ。そんな下河辺副院長に、めざす医療や同院の大腸内視鏡検査の特徴を聞いた。

(取材日2024年4月1日)

患者を早く適切な治療へ導く「橋渡し」の役割を果たす

お父さまの代から続くクリニックでいらっしゃいますね。

下河辺嗣人副院長 下河辺医院1

院長である父が約60年前にこの地に開業しました。患者さんは70代~80代のご高齢の方が多いものの、小児科の診療ではお子さんやその親御さんもいらっしゃり、日々幅広い世代の方が来院されています。古くから診療しているため、3世代にわたって通われている方なども多いですね。当院は、土日に外来診療や内視鏡検査も行っており、その需要から隣町から来られる患者さんも結構おられます。ちなみに、私は副院長という職名ですが、実質的には院長からクリニックを継承しています。

先生はクリニックを継承するために、研鑽を積んでこられたと伺っています。

はい。 大学を卒業後、市立奈良病院の消化器肝臓病センターで、消化器全般の疾患の治療を数多く行いました。特にクリニックで必要になる内視鏡検査の研鑽を積極的に積みました。内視鏡の手技の習得は肌に合っていて、とても面白かったですね。その後、小児科に移り、主に子どもの身近な疾患の治療を数多く経験してきました。さらに、継承にあたっては地域のクリニックを経験する必要があると思ったため、奈良市内の都祁診療所や月ヶ瀬診療所で非常勤医師として勤務しました。特に自分がクリニックを経営した際に必要となるコスト管理や、訪問診療についても学びました。高齢化により在宅医療の需要が高まってきているため、現場を見られたことの意義は大きかったと思います。その後、満を持して2021年にクリニックを継承しました。

クリニックのめざす姿を教えてください。

下河辺嗣人副院長 下河辺医院2

この地域でかかりつけとして通ってくださっている患者さんの症状をしっかり診ながら、専門性や重症度の高い症状は大きな病院へお任せするという「橋渡し」の役割を果たしていきたいと思っています。特に、重篤化する可能性のある疾患を早期に発見して迅速に引き継ぐといった、トリアージの役割も意識しています。それはまさに近年推進されている、2人主治医制のイメージでしょう。普段はかかりつけ医に継続的に診てもらい、症状が急変したときや専門的な治療が必要となる際には大きい病院の主治医に診てもらう。それが患者さんにとっても一番良いと考えていますね。

鎮静剤を用いた大腸の内視鏡検査を土日も実施

注力されている大腸の内視鏡検査について伺います。

下河辺嗣人副院長 下河辺医院3

便潜血検査で陽性になった方で、ポリープが見つかることは少なくありません。当院ではがんのリスクが高まる40歳以上で、便潜血検査で陽性になった方、腹痛・下痢・便秘・血便など自覚症状がある方には検査を受けていただくことをお勧めしています。当院の大腸内視鏡検査の特徴は、鎮静剤を使用し、土日も行っていることでしょう。実際に土日のニーズも多く、8割以上の方が鎮静剤を希望されますね。鎮静剤を使用することで、ウトウトとした状態で検査を行うことが望めますし、苦痛の軽減につながります。ちなみに、大腸がんは女性に多いものの、羞恥心からか検査を受けられない方も多いため、女性に受けていただくのが課題かな、と思っています。

大腸の内視鏡検査は、実際どのように行われるのでしょうか。

まず下剤によって大腸を空にする必要があります。ご自宅で飲まれる方が多いですが、院内でも可能です。その後は検査着に着替え、検査台で鎮静剤の点滴を開始します。鎮静下でも人為的操作により苦痛が生じないよう、細心の注意を払って挿入します。やや専門的な話ですが、大腸を伸ばしてしまうのではなく、手前に畳み込むようにして大腸を短くし、まっすぐに内視鏡を進めていきます。そうすることで負担の軽減が図れるのです。検査中にポリープを見つけた場合には、その場で切除を行います。ただし、がんが疑われるものに関しては、大きな病院を紹介して再度内視鏡検査を受けるようご提案します。検査後は麻酔を覚ますための注射を行い、リカバリー室のベッドでお休みいただいた後、検査結果の説明を当日中にさせていただきます。とにかく痛みの少ない検査をめざしていますので、今まで不安があった方もお任せいただけたら、と思っています。

胃の内視鏡検査に関してはいかがでしょう?

下河辺嗣人副院長 下河辺医院4

鎮静剤を使用した経口内視鏡、または鎮静剤を使用しない経鼻内視鏡のどちらかの選択肢をご提案しています。経口内視鏡の場合は、拡大内視鏡を使用しています。確定診断はできないものの、がんの範囲・深さなどをあらかた診断できますので、精密な検査をご希望の方はこちらがお勧めです。経鼻内視鏡は嘔吐反射がほとんど出ない検査です。鎮静剤を使用後は車の運転ができないため、例えば少し遠方から車で来られる方などにはこちらをご提案しています。大腸検査と同じく、がんのリスクが高まる40歳以上で、何らかの自覚症状がある方には胃の内視鏡検査をお勧めしています。

かかりつけとして通う患者とより良い関係をめざす

その他の診療について、状況を教えてください。

下河辺嗣人副院長 下河辺医院5

消化器内科の診療では、患者さんに負担がなくリアルタイムで病変が診られる、超音波検査を積極的に活用しています。例えば胃の内視鏡検査などでは発見できない胆石性急性膵炎や膵炎、婦人科系の疾患なども発見することが可能です。1人あたりに時間はかかるものの、お伝えした緊急性ある疾患を早期に見つけるという当院の役割においては、非常に有用だと考えています。生活習慣病の外来では、重篤化する前の症状の時に、いかに病識を持っていただくかに気を使いますね。ちなみに日本人はカロリーを取りすぎる点が生活習慣病を生み出す原因の1つだと考えています。抽象的なアドバイスではなく、食生活で改善できそうなことや取り組めそうな運動など、患者さん一人ひとりに合わせたアドバイスに努めています。一方、小児科の診療は、ほとんどが感染症の治療です。重症化の恐れがある慢性の疾患に関しては、基本的には大きい病院へご紹介させていただいています。

患者さんとどのような関係を築きたいですか?

地域の方には、かかりつけ医の意義をぜひ理解していただけたらな、と思っています。継続的に通われている方に対しては、医師側も、基礎疾患や過去の病歴、薬のアレルギーの有無など、ご本人の健康状態をよく把握できるため、適切な治療を提供しやすくなります。ですので、できる限り信頼できるかかりつけ先を1つ決めて、継続して通われることをお勧めしたいですね。一方で、2024年4月からは医師の働き方改革も本格的に始まります。医師が自分の時間を犠牲にして早朝から晩まで働くような旧態依然の働き方は、もう変えるべきでは、と思います。院長である父の背中を追って研鑽を積んできましたが、その丁寧な診療の姿勢を受け継ぎつつ、かかりつけとして来られ、かつ診療の時間内に来ていただいた方に対しては、こちらも誠意を持って対応していきたいと考えています。

今後の目標をお聞かせください。

下河辺嗣人副院長 下河辺医院6

内視鏡検査に関しては、患者さんから要望があった際にフットワーク良く行えるのが一番のメリットだと考えています。できる限り早く診断をするよう、今後も注力していきたいと考えています。一方、高齢化により、この地域でも医師不足が進んでいくと予想しています。一つ一つのクリニックに過度な負担がかからないよう、専門のクリニックが増えて、診診連携が進むことを望んでいます。今後も変わらず、かかりつけとして通ってくださっている患者さんの診療をしっかり行い、必要があれば適切な病院への橋渡しを迅速に行う。その役目を全うしていきたいと思っています。

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