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小児科の医師に聞く
子どもの多様なアレルギー疾患について

くろだ小児科

(加古郡播磨町/播磨町駅)

最終更新日:2025/10/15

くろだ小児科 小児科の医師に聞く 子どもの多様なアレルギー疾患について くろだ小児科 小児科の医師に聞く 子どもの多様なアレルギー疾患について
  • 保険診療

本来は体を守るはずの免疫が過剰に反応し、かゆみやくしゃみ、息苦しさといった症状を引き起こす「アレルギー疾患」。近年では、発疹や食物アレルギーをきっかけに、成長とともに花粉症や喘息など複数の症状を抱える子どもも少なくない。そんな子どもたちの健康を守るために診療にあたっているのが、「くろだ小児科」の南川将吾院長。「アレルギーは多岐にわたるため、診療科ごとの通院が負担になることも。当院なら診療科を気にせず、ご家族皆さんでも通っていただけます」。さまざまなアレルギー疾患にまとめて対応し、症状を和らげるための治療だけでなく、生活の質を落とさずに子どもの健やかな成長を支えることを大切にしているという。今回は子どものアレルギーの種類や症状、詳しい検査・治療法について聞いた。

(取材日2025年9月3日)

一人の医師が多様なアレルギーを診療し、症状をつなげて理解し、適切な治療へ

Qアレルギーにはどんな疾患があり、どんな時に相談すべきですか?
A
くろだ小児科 早期のケアを怠ると次の疾患につながることも

▲早期のケアを怠ると次の疾患につながることも

アレルギー疾患には、花粉症やアレルギー性鼻炎、結膜炎、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがあります。小児期には「アレルギーマーチ」といって、乳児期のアトピー性皮膚炎から始まり、食物アレルギー、喘息、花粉症などへ移行することが知られています。早期のケアを怠ると次の疾患につながることもあるため、一つ一つの症状にしっかり対応することが大切です。受診の目安としては、皮膚の乾燥やかゆみ・湿疹、食後にじんましん・発疹・嘔吐がある、咳や息がゼーゼーする、季節の変わり目にくしゃみや鼻水・目のかゆみが強いなどの症状が、長く続く・繰り返す時は早めに専門とするクリニックに相談すると良いでしょう。

Q食物アレルギーについて詳しく教えてください。
A
くろだ小児科 近年では嘔吐や下痢といった消化器症状が出るタイプも増加

▲近年では嘔吐や下痢といった消化器症状が出るタイプも増加

食物アレルギーとは、体の免疫反応が特定の食べ物を異物と見なし、じんましんやかゆみなどの症状を引き起こす病気です。時にアナフィラキシーと呼ばれる重い全身反応を起こすこともあります。近年は「消化管アレルギー」と呼ばれる、嘔吐や下痢といった消化器症状が出るタイプも増え、症状の現れ方は多様です。発疹など一見アレルギーに見える反応も、必ずしも食物アレルギーとは限らないため、専門の医師による診断が欠かせません。また現在では「完全に避ける」よりも、少量ずつ食べることが推奨されています。ただし、小さな子どもにどのくらい与えるかは迷いやすいため、医師の助言のもとで行うと良いでしょう。

Qアトピー性皮膚炎について詳しく教えてください。
A
くろだ小児科 1ヵ月以上改善が見られない場合は、早めに医師に相談を

▲1ヵ月以上改善が見られない場合は、早めに医師に相談を

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が慢性的に繰り返し現れる皮膚の病気です。特に子どもは皮膚がデリケートで乾燥しやすく、かき壊しで悪化しやすいのが特徴です。原因は一つではなく、ダニやホコリ、食物、体質、ストレスなど複数の要因が関わり、皮膚のバリア機能が低下することで炎症やかゆみが起こると考えられています。症状は軽い乾燥肌のような状態から、強いかゆみや広範囲の皮疹に至るまでさまざまです。慢性疾患だけに大したことないと放置されがちですが、ストレスや不眠につながることも。保湿などきちんとケアしているつもりでも、1ヵ月以上改善が見られない場合は、早めに専門の医師に相談することが望まれます。

Q検査や治療はどのように行うのでしょうか?
A
くろだ小児科 管理栄養士による指導も実施

▲管理栄養士による指導も実施

食物アレルギーの検査は血液検査と「食物経口負荷試験」が一般的です。専門施設で行うことが多いのですが、当院でも実施していますよ。また当院では、食物アレルギーに基づく栄養不足を防ぐため、小さな子には栄養補給の助言を、大きな子にはアレルゲンの見分け方や対処法を、管理栄養士が丁寧に指導するよう努めています。アトピー性皮膚炎についても、まずは血液検査を行います。治療は塗り薬が中心です。一人ひとりに合った量や塗り方が重要ですので、細かく指導します。重症例では飲み薬や注射薬も用いて、写真で経過を確認しながら長期的なコントロールをめざしていきます。

Q舌下免疫療法についても、教えてください。
A
くろだ小児科 舌下免疫療法はスギ花粉とダニアレルギーが対象

▲舌下免疫療法はスギ花粉とダニアレルギーが対象

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質を少量ずつ体に取り入れ、体を慣らすよう図って症状を和らげるための根本的な治療法です。従来の薬のように症状を抑えるだけでなく、体質改善もめざせる点が特徴です。現在、対象はスギ花粉とダニアレルギーです。花粉症やアレルギー性鼻炎は一生続くことも多く、長期的に悩む方も少なくありません。治療は数年間毎日続ける必要がありますが、最近ではご家族そろって一緒に取り組む方も多く、皆で励まし合いながら続けることでモチベーション維持につながるようです。当院は子どもを中心に診療していますが、ファミリークリニックでもあります。ごきょうだいや保護者も一緒に通院していただけますよ。

ドクターからのメッセージ

南川 将吾院長

アレルギー疾患は、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなど多岐にわたりますが、根本は同じ「アレルギー体質」によるものです。一人の医師が全体を見ながら診療することで、症状をつなげて理解し、より適切な治療につなげることができます。近年は小さな頃から発症する子も増え、親御さんも心配だと思います。私たちはご家族が安心して治療を続けられるよう、わかりやすく丁寧に説明し、必要に応じてリーフレットでご自宅でのケア方法もお伝えします。「どう薬を塗るか」といったことを具体的に示し、ご家族が納得して取り組めるよう心がけています。迷った時は、気軽にご相談ください。

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