林 卓郎 先生の独自取材記事
まんかいメディカルクリニック
(三田市/南ウッディタウン駅)
最終更新日:2025/11/14
救急科の医師として25年にわたって多くの命と向き合ってきた林卓郎先生を総合診療部長に迎え、今年4月から新体制で始動した「まんかいメディカルクリニック」。長年親しまれてきた「田場医院」から改称し、内科、小児科、救急科、呼吸器内科、形成外科・皮膚科、在宅医療などを行う総合医療クリニックとして、患者の各ライフステージに一貫して対応できる体制を構築した。「一人ひとりの人生にまんかいの花を咲かす」という理念のもと、全スタッフが一丸となり地域医療に力を注ぐ。近年、相談が急増している児童の発達障害に関しては、同じ建物内にある系列の児童発達支援施設と連携し、医師、言語聴覚士、心理士、保育士といった多職種による早期行動介入を実施。今回、新たに加わった林総合診療部長に診療体制など詳しく聞いた。
(取材日2025年11月7日)
救急と在宅医療が加わり総合医療クリニックとして始動
まずはクリニックの歴史からお聞かせいただけますか?

当院は、現理事長である田場隆介先生のおじいさまが1939年に開業した「田場医院」を始まりとしています。当時、馬車で往診をしていたという話も聞いておりますので、歴史の長さを感じますね。もともとは小児科のみの診療所でしたが、地域のニーズに応えるうちに、内科、呼吸器内科と徐々に診療科も増え、老若男女問わず対応できる診療体制に変化していきました。実は、田場理事長のお父さまは私が学生時代に熱中していたラグビー部の先輩で、それがご縁でずっと声をかけていただいていたんです。以前よりクリニックのことは存じ上げており、田場理事長の医療にかける想いに共感する一方で、自分がやりたいこともあったため時間はかかりましたが、今回ようやくタイミングが整い、今年4月に総合診療部長を就任させていただく運びとなりました。
先生はこれまでどのようにキャリアを積まれてこられたのでしょう。
私は2001年に大阪医大を卒業し、神戸市立中央市民病院(現・神戸市立医療センター中央市民病院)で内科初期研修、その後は救急科を専攻し経験を積みました。ゆくゆくは町の開業医になりたいと思っていましたので、救急科は多種多様な症状に対応できるというか、いろんなことにもチャレンジできる環境だと思ったんですよね。当時はまだ総合診療というものは一般的ではありませんでしたから。もちろん、自分一人ですべての患者さんを診ることはできませんし、各専門分野の医師や看護師がいるから成せることもたくさんあります。そんな中でたくさんのことを経験させていただいたことは大きな財産だと思っています。2016年からは兵庫県立こども病院で勤務。腰を据えて携わることができなかった小児の救急医療に力を入れて取り組みました。気がつけば救急科医として25年。ようやく念願だったこちらでの診療を行えるようになりました。
1階にCT室と診療室を増設され、診療体制にも変化があったそうですね。

クリニック名もこれまで親しまれてきた「田場医院」から「まんかいメディカルクリニック」に改称し、小児科、内科、救急科、呼吸器内科、形成外科・皮膚科・美容皮膚科、そして在宅医療も加わり、総合的な診療が行える環境が整いました。在宅医療に関しては廣田篤史先生がかじを取り、情熱を持って取り組んでいます。小児科、内科、救急科は主に私が担当しておりますが、内科の先生方にもサポートで来ていただいています。基本的に複数の医師がいる状態で診療を実施し、平日は20時まで、土日・祝日も17時まで診療を行っていますので、受診先にお困りの救急の患者さんも受け入れております。救急搬送の受け入れ体制を構築していることも地域の方に心強く感じていただける点ではないでしょうか。
各分野の医師が連携、シームレスな医療の提供をめざす
呼吸器内科に関してはいかがでしょう。

呼吸器内科を専門とする先生に週に1回来てもらっていますが、もちろん私たちも内科の医師として呼吸器内科も診ますので、さまざまな角度から診療を行うことができています。また、生活習慣病に関しては運動指導を含め、田場理事長が主体となって診療にあたっています。合併症をお持ちの方もいらっしゃいますし、この周辺は高齢化が急激に進んでいるエリアでもありますので、全身を総合的に管理できるよう各医師が連携しながら一人の患者さんを診ていくことにも力を注ぎ、できる限り当院で完結できる体制づくりに努めています。
押し寄せる高齢化の波が在宅医療に取り組むきっかけになったのですね。
ええ、社会的にも強く求められている医療ですし、これからさらにニーズが高まる分野ですのでね。在宅医療はこれまで廣田先生がこつこつと着実に積み上げてこられたクリニックも含めて、今回「まんかいメディカルクリニック」として始動することになりましたので、彼の力は非常に大きく、当院の発展に貢献してくれています。在宅医療プラス搬送という手段が当院にはあるため、地域完結型医療のさらなる充実につながっていくよう取り組んでいきたいと考えています。
在宅医療のニーズが高まる一方で、児童の発達相談も急増していると伺っています。

この分野に関しては主に田場理事長が担当していまして、併設の児童発達支援施設と連携しながら早期行動介入を行っています。昨今、発達障害についてさまざまなメディアで取り上げられるようになり、お子さんの発達に不安を抱えておられる親御さんたちが急増。しかしながら、受診先に困っている方々も少なくありません。そういった状況も踏まえ、まだこれからではありますが、相談先に困っている方々の受け皿になれるような体制づくりも考えています。
地域全体で一人の患者を支えていく環境づくりを
また、さまざまな症状で学校へ行くことが困難になっている子たちへのサポートも考えているそうですね。

小学校までは多くのサポートやケアもあるのですが、中学生以降になると激減するんですね。必要としているサポートやケアを受けられていない子たちへ私たちが何かできることがあるんじゃないかと思っていて。そういったことも今後の課題の一つとして挙げています。また、形成外科・皮膚科・美容皮膚科を担当している田場史子院長も大きな志を持ち、赤ちゃんからお年寄りまで非常に多くの患者さんを日々診療にあたっていますので、それぞれの診療で得た気づきを持ち寄り、皆で導き出した案をかたちにしていけるといいなと考えています。
各専門性を持つ先生方が複数在籍されていますが、診療方針はありますか?
それぞれに大切にしている診療スタンスというのはもちろんありますが、「すべての患者さんを笑顔に」というのは同じスタンスであり、足並みがそろっている部分でもありますので、そこはぶれることなく歩んでいくべき道だと考えています。それは、医療法人の「一人ひとりの人生にまんかいの花を咲かす」という理念にもつながると思います。当法人は、当院をはじめ、生活習慣病における運動療法施設、児童発達支援施設、地域連携室、通所リハビリテーションというように、医療・介護・福祉をすべてサポートする体制を整えています。大きな傘の下ではありますが、その分コメディカルスタッフ含め、各専門性を持つ多くのスタッフが集結していますので、それぞれの技術と知識を持ち寄れる場、そして皆で共有できるシステムを構築していけたらと。一つ一つ実現していきたいですね。
最後に、今後の展望と地域へのメッセージをお願いします。

初代理事長の時代から注力してきた小児医療は、総合的な医療を提供していく中でも特に守り続けていきたい、そう考えています。例えば、発熱や嘔吐は風邪だけでなく、ケガをして発熱していることもありますし、ケガして嘔吐しているケースもあるように、視野を広げて総合的な診療ができることが重要だと考えています。それから年齢関係なく、「おなかが痛い」「頭が痛い」「腰が痛い」など、どんな症状であっても、できる限り患者さんがあちこち行かずに済むよう当院で解決できるように取り組んでいきたいですね。呼吸器に関しては、呼吸機能測定装置を用いた肺機能検査、喘息の有無や症状の判断などに行う一酸化窒素検査、あとはCTを用いた画像検査なども活用し、より正確性の高い診断がめざせる環境が整いました。今後は地域のネットワークづくりにも注力し、地域全体で患者さんを支えていける取り組みも積極的に行っていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/1万1000円~

