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北垣 公子 院長の独自取材記事

北垣眼科クリニック

(神戸市東灘区/甲南山手駅)

最終更新日:2025/08/01

北垣公子院長 北垣眼科クリニック main

JR神戸線・甲南山手駅から南へ徒歩5分。国道2号沿いのビルの2階にある「北垣眼科クリニック」は、長きにわたって地域医療に貢献してきたクリニックだ。院長を務めるのは、常に患者の目線に立った診療と優しく機知に富んだ語り口が魅力の北垣公子院長。「患者さんの話を丸ごと受け入れ、求められているものを一生懸命に考えることを信条としています」と穏やかに語る人柄を慕い、遠方から通う患者も少なくないという。そんな北垣院長に、クリニックでの診療や患者への向き合い方など、現在の心境を交えてじっくりと語ってもらった。

(取材日2025年4月11日/情報更新日2025年7月29日)

目に関する患者の不満や要求をしっかりと受け止める

まずは現在のクリニックの状況をお聞かせください。

北垣公子院長 北垣眼科クリニック1

1994年の開業から現在まで大勢の患者さんやスタッフに恵まれ、ここで開業して良かったと心から思いますね。中には何十年も通ってくださっている患者さんや東京からわざわざお越しくださる方もいて、そうした皆さんと長くお付き合いできることを非常にありがたく感じます。当院の診療内容は白内障や緑内障、結膜炎、麦粒腫(ものもらい)など多岐にわたりますが、手術が必要な疾患に関しては専門性の高い病院を紹介するなど、患者さんにとってより良い結果を考えることも開業医としての役割と捉え、丁寧に対応しています。特に緑内障に関しては、患者さんの仕事や家庭環境などを総合的に判断し、専門の先生とも連携しながら治療にあたっています。患者さんは小さなお子さんからご年配の方まで幅広く、ベビーカーやシルバーカーのまま上がって来られるエレベーターもご用意しています。

こちらのスタッフ体制について教えてください。

現在、当院にはORT(視能訓練士)を含む8人が在籍し、勤務経験にはそれぞれ差がありますが、患者さんに対しては全員で気を配るよう努めています。皆さん、目に関する何らかの問題や悩みを抱え、それを解決しようとわざわざ貴重な時間とお金を割いてお越しになるのです。それを忘れることなく、どのような患者さんに対してもスタッフ全員できめ細かな接遇を心がけています。おかげさまで、今や患者さんで手一杯。一時は完全予約制にすることも考えたのですが、スマートフォンの画面がよく見えない方や操作が苦手な方もいらっしゃるため断念しました。眼科ですから、患者さんの目に極力負担がかからないように考えることも大切です。

ほかにも患者さんに接する上で大切にしていることは?

北垣公子院長 北垣眼科クリニック2

患者さんがどのような状態を求めているか、生活を踏まえて判断していくことですね。仕事でパソコン作業がメインの方、運転をよくする方など、生活環境によって目の使い方や視力への考え方も異なりますから、観察と問診を丁寧に行いながら患者さんの目に対する不満や治療に求めているものを探っていきます。さまざまな方を理解しようとするのは難しい作業ですが、手を抜いてはいけないと思います。一人ひとりの患者さんの目線に立ち、どうしていけば患者さんが一番生活しやすいのか。現時点の状態や気持ちをしっかりと受け止め、考えてあげることも私の役割の一つです。

患者との対等なコミュニケーションで真意を測る

オルソケラトロジーにも対応されていると聞きました。

北垣公子院長 北垣眼科クリニック3

オルソケラトロジーとは就寝時に特殊なハードコンタクトレンズを装着し、角膜形状の修正をめざす近視治療法です。近年は小学生などの未成年者に対する処方も行われています。頑張ってみようと思うお子さんには丁寧に説明した上でチャレンジしてもらいますが、レンズの装用上のトラブルや注意点もあるため無理にお勧めするようなことはありません。現時点で自由診療となり、治療には相応の費用がかかります。経済的に余裕のある方とない方で差が生じてしまうのは悲しい現実ですが、将来的には保険適用になる可能性がないともいえません。いずれにしても、よく納得してから治療に進むことが大切といえるでしょう。

近年はコンタクトレンズによるトラブルが増えているとか。

コンタクトレンズは高度管理医療機器の一つであり、心疾患に用いる心臓ペースメーカーと同じということをもっと皆さんに認識していただきたいですね。きちんと理解されている方も中にはいらっしゃいますが、今やインターネット上でも販売され、中高生が通信販売で手に入れて適当に装用した結果、トラブルを発症して眼科を受診するケースが増えています。以前の私なら叱っているところですが、今は滅多に叱らなくなりました。なぜなら悪いのはその子たちだけでなく、売り出した大人たちにこそ責任があるからです。叱ったりするよりも、目の前の子をどうすれば助けてあげられるか。そこに力を尽くすことが私の努めであると考えます。

患者さんに寄り添う姿勢を大切にされているのですね。

北垣公子院長 北垣眼科クリニック4

コンタクトレンズに限らず、よくここまで我慢できたと驚くほど症状が進行している患者さんもいらっしゃいます。どの診療科もそうだと思いますが、患者さんにとって医療機関を受診するというのはハードルの高いものなんですね。そういう方に対して「なぜもっと早く来なかったの」と叱責したところで時間を巻き戻せるわけではありません。私も叱る時には叱りますが、最初から叱ってしまうと患者さんも言いたいことが言えなくなってしまうでしょう。私が診察で心がけているのは、患者さんと対等な立場でお話をしながら真意を理解していくこと。患者さんが何を求められているのかを人としてお聞きし、どうしてあげればいいのかを医師として考える。それが私が基本とする診療スタイルです。

見える、見えないという感覚は人それぞれ

ご開業以前は、どのような研鑽を積まれましたか?

北垣公子院長 北垣眼科クリニック5

私は三重大学医学部の出身です。大学で勉強する中、直径25mmという小さな眼球に多くの情報が詰まっていることに興味を惹かれ、眼科の道を選ぶことになりました。卒業後は神戸大学医学部の眼科学教室に入局。出産と育児を経て、神戸大学医学部附属病院や神戸中央病院、新長田眼科病院で臨床経験を積みました。新長田眼科病院は、入院施設も備えた眼科の単科病院です。手術を専門にしていることもあって、全国各地から手術が得意な眼科医師が集まっていました。こうした中で私も数々の手術に携われたただけでなく、素晴らしい先生方にお会いできたことも非常にありがたい経験となりました。

長年診療される中で、診療姿勢への変化はありましたか?

例えば、白内障の手術を終えても「見えない」とおっしゃる患者さんもいます。そんなはずはないと若い頃は思っていましたが、見える、見えないはそれぞれの感覚の問題で、生活環境によっても異なります。中には視力1.0でも満足できず、もっと良い視力を望んでいる方もいるのですね。そのことに気づいた今、患者さんの言葉を丸ごと受け入れられるようになりました。人間はロボットではありませんから、一つの答えなんてないんです。現代の医療は決してパーフェクトではなく、何が正しく何が正しくないかは、究極的には神にしか到達できないのかもしれません。わかっていないことがあればこそ、それぞれの患者さんのおっしゃることをきちんと受け止められる人間でありたいと思っています。

お忙しい日々かと思いますが、先生のリフレッシュ方法は?

北垣公子院長 北垣眼科クリニック6

まずは掃除・洗濯ですね。体を動かして部屋や洗濯物がきれいになると楽しいですよ。当院も開業から時間がたっていますので、少しずつリフォームしながらスタッフがあらゆる場所を磨いてくれています。本当にありがたいことですね。ほかにもウォーキングなどの運動や、ペットの世話も良いリフレッシュとなっています。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

当院がこれまで頑張ってこられたのも、地域の方々に助けてもらったおかげです。そして、まだまだこの地で頑張っていきたいと考えています。目や見え方に何か違和感を覚えたり、気になることがあれば早めに受診していただけるとうれしいですね。患者さんの中には100歳を超えられた方や、「先生の顔を見に来た」「話をしに来た」と言ってくださる方もいらっしゃいます。ちょっぴりお世辞もあるでしょうが、悩んでいた患者さんがほっとして帰宅できるよう見守る、そんな存在も開業医の役割ではないかと気づくことができました。私もまだまだ日々後悔の連続ですが、後悔ができる頭はまだ残しているつもりです。この道で正しかったと思えるように、これからも患者さんのために力を尽くしてまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

■オルソケラトロジー治療
初年度/15万円(両眼)、7万5000円(片眼)
2年目以降/2万円
※詳しい費用については医院にてご確認ください。

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