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三宅 豊 院長の独自取材記事

三宅医院

(東大阪市/河内小阪駅)

最終更新日:2025/05/14

三宅豊院長 三宅医院 main

河内小阪駅から徒歩5分。下町の風情が残る住宅街の一角に「三宅医院」がある。同院は、先代の院長が開業してからおよそ半世紀以上にわたって地域の患者の健康を支えてきた。三宅豊院長は関西医科大学第二内科にて、糖尿病・透析を専門に研鑽を積み、2000年に父の医院を継承。優しい物腰と穏やかな笑顔から普段の診療の際の人柄がうかがえる。日本内科学会認定の総合内科専門医として日々奮闘する三宅院長に、患者とのコミュニケーションの中で大切にしていることや、今後の展望などを聞かせてもらった。

(取材日2018年3月12日)

半世紀前から変わらない「患者ファースト」 の姿勢

医院を継承されるまでの経緯を教えてください。

三宅豊院長 三宅医院1

父が開業した医院ですので正式に開業した時期がわからないのですが、1962年にはもうこの地で診療していましたので、半世紀以上にわたって開業していることになります。私自身は、子どもの頃からこの医院を継ごうという意思があったわけではないのですが、大学に入る頃には、将来この医院を継いだら父は喜んでくれるかな、という気持ちが自然と芽生えていましたね。関西医科大学第二内科に入局後、いくつかの病院で勤務した後、関西医科大学第二内科にて、糖尿病・透析を専攻し医学博士取得を取得しました。その後助手を経て、2000年に父の医院を継承しました。

先代の院長の時代から変わらない点、変わった点はありますか?

父の時代から今も変わらないのは「患者ファースト」なところですね。とにかく患者さんの希望や気持ちにしっかりと向き合ってよく話を聞くことを大切にしています。地域のかかりつけ医として今も昔も患者さん本位で考えることは変わらないところだと思います。変わったのは、標榜科目を変更したところですね。父が開業した当初は産婦人科として診療していました。昔は全科診ている医院が多かったので、産婦人科兼内科として全科診ていましたが、その後産科を途中でやめて、婦人科・内科・小児科が主になりました。私が医院を継承してからは、日本内科学会総合内科専門医として内科・循環器内科・リハビリテーション科に標榜科目を変更しました。

患者さんに多い主訴はどんなことですか?

三宅豊院長 三宅医院2

初診で来られる患者さんで多いのが、市や会社の健康診断で引っかかったという方です。血圧が高めであったり、コレステロール値が高かったりと、生活習慣病予備軍の方がいらっしゃいます。血圧が高いと、本人はなんともないと思っていても、急に体調が悪くなることも大いにあります。高血圧の方は、血管の先の臓器の細胞に不要な圧力がかかり続けている状態ですので、血管自体も硬くなりだんだん傷んできます。高血圧の怖いところは、自覚症状があまりなくても心臓・腎臓・脳などに合併症を起こしやすいことです。診察では、減塩や運動習慣のアドバイス、投薬など、その人の状態に合った診療方針をお伝えします。

医療の提供だけでなく精神的サポートの大切さを実感

研修医時代で印象に残っているエピソードはありますか?

三宅豊院長 三宅医院3

研修医時代に初めて担当した患者さんのことは、約30年たった今もはっきり覚えています。その患者さんは慢性の白血病の高齢の方だったのですが、日々いろいろと試行錯誤しながら担当させていただくうちに仲良くなりました。おそらく鉄道関係の仕事をしていた方だと思うのですが、その方に電車のキーホルダーを頂いて。それがすごく印象に残っていますね。当時、4ヵ月ごとのローテーションで主治医が交代したのですが、その方は私から担当が変わった後に病状が急変し亡くなられました。すぐに駆けつけたのですが、その時初めて、医師になっても何でもできるわけではないんだな、どうしようもない時もあるんだな、と医師としてのもどかしさを感じました。また、病気になる前の予防の大切さも実感し、その時の気持ちが今の診療にもつながっていると思います。

ホスピスでの終末期ケアの指導を受けられた経験もあるとか。

内科にはがん患者さんも多く入院されていましたので、ホスピスだけでなく今でいう緩和ケアとして、患者さんの苦痛を取り去るための治療や精神的なサポートをするために、内科の医師・看護師チームみんなで講習を受けたり、相談し合ったりしていました。末期がんの患者さんのように手の施しようがないという場合、医師としてのジレンマは常に抱えていました。 でも病気自体を治すことができなくても患者さんの持っている思いをできる範囲でかなえてあげたいとチームみんなが思っていました。

最期まで患者さんの気持ちを尊重することを大切にされていたんですね。

三宅豊院長 三宅医院4

医師なので医療的なことはもちろんですが、患者さんがどう人生を終えたいかまで見据えて寄り添うことの大切さをそこで学びました。乳がんから肺に転移していた患者さんがいたのですが、もうすぐ娘さんの結婚式があるからどうしても晴れ姿を見たいとおっしゃっていました。でもその時には胸水がたまっていて、かなりつらそうな状態だったんです。私たちも、なんとしてでも娘さんの晴れ姿を見せてあげたいと思い、治療的な意味はないかもしれませんが、管を刺して胸水を抜くよう図り、薬で焼いて固めて水がたまらないように処置し、1泊の外泊許可を出しました。無事に娘さんの結婚式に参列することができた患者さんは、安心して病院に戻って来られた後すぐに亡くなられました。参列が無理でも衣装だけでも見せてあげたいと考えていたので、本当に参列できて良かったとその時心から思いましたね。

長年糖尿病治療に携わっているとお伺いしましたが、治療を行う際に、気をつけていることはありますか?

糖尿病の治療に関しては、生活習慣のコントロールが非常に重要になってきます。長年、糖尿病の治療に携わってきましたが、適度な運動と、食事療法が基本になります。薬だけに頼ると限界があり、将来的に見たときに、重症化するケースがあります。診療の際に気をつけていることは、病状にもよりますが、患者さんに合わせて、アドバイスを行っています。薬の種類も使い分け、運動量、食事療法に関しても一人ひとりに合わせた治療が重要になってきますね。何よりも、継続して生活習慣を改善し続ける必要がありますので、患者さんと一緒になって頑張る気持ちで診療にあたっています。何か気になることがありましたら、気軽に相談してほしいですね。

気軽に相談できる、地域のかかりつけ医に

患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

三宅豊院長 三宅医院5

まずは患者さんがなんでも気軽に話しやすいような雰囲気づくりを意識しています。初診の患者さんの場合は、今までの経緯や、飲んでいるお薬のこともしっかり教えていただいてから診療方針をお伝えし、納得していただいてから治療に入ります。あまり専門的なことを言うと患者さんが混乱することもあるので、なるべくわかりやすい説明を心がけています。 単に疾患を診るだけでなく、患者さんの心まで診ることが大切だと思っています。表面上の形だけの付き合いだとお互いの真意も伝わりにくく、患者さんの満足度も低いと思うんですね。長く通っていただいている患者さんとは診察室で話に花が咲くことも多く、同じように、ここに通うのが楽しみの一つだと思ってくれる患者さんが一人でも増えるとうれしいですね。

現在、糖尿病専門の外来も担当されていますね。

現在も毎週火曜日に関西医科大学総合医療センターで糖尿病の外来を担当しています。外来のほうも約20年担当させていただき、多くの糖尿病患者さんを診てきました。病院で外来を担当することで、新しい治療法や、知識も学ぶことができますし、学んだことを、クリニックでの診療で生かせています。

今後の展望をお聞かせください。

三宅豊院長 三宅医院6

時代の流れとともに高齢化もどんどん進んでいるので、今後は在宅医療や遠隔診療についても考えていきたいと思っています。医師が動かなければ高齢の患者さんが治療を続けるのが難しくなるのではないでしょうか。現在も細々と、患者さんの自宅にお伺いして診療していますが、もう少し本格的に訪問診療を行っていくことも考えています。病気の症状が出ないと病院に行きにくい方もいらっしゃるかもしれませんが、来ていただければなんらかのアドバイスはできますので、他の科のことでも遠慮なく気軽に聞いていただければと思います。今後もここ河内小阪の地で、地域に根差したかかりつけ医として、皆さんの健康を支えていけるように努めていきます。

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