中 祐次 院長の独自取材記事
なかクリニック
(箕面市/箕面駅)
最終更新日:2026/03/13
阪急箕面駅から徒歩約3分、みのお本通り商店街の中に位置する「なかクリニック」。1993年の開業以来、泌尿器科と内科を軸に地域医療を支えてきた。爽やかなグリーンを基調とした院内には、中祐次院長の趣味であるダイビングにちなんだ海や自然の映像が流れ、訪れる人の心を穏やかに癒やしている。院長は、幼少期に小児喘息の治療を受けた体験から医師を志したという。受診しづらいイメージのある泌尿器科だからこそ、検査の際は痛みや負担の少ない方法を選択するなど、患者の負担軽減を心がけた診療を行う。「気軽に来ていただきたい」と穏やかに語る中先生に、診療で大切にしていることや患者への思いを聞いた。
(取材日2026年2月17日)
自身の闘病経験を原点に、地域を支える泌尿器科医へ
先生が医師を志されたきっかけを教えてください。

私は小さい頃、体が弱くて小児喘息を患っていたんです。小学3年生までは学校をしょっちゅう休んでいて、家で吸入をしたり、発作が出れば横になったりと、本当に大変な毎日でした。ところが小学3年生のときに治療を受けた時、担当の先生が親身になって寄り添ってくれたんです。あの時、お医者さんが自分を治療してくれたという感動が、子ども心に強く刻まれました。「こんなふうに病気を治療できる人になりたい」という純粋な気持ちが、医師を志す原点になりました。自分自身が患者として経験したからこそ、病気を抱える方の不安やつらさがよくわかりますし、だからこそ寄り添った診療を大切にしたいと思っています。
数ある診療科の中から、泌尿器科を専門に選ばれた理由は何でしょうか。
大学時代に出会った教授の存在が大きかったですね。その先生は非常に素晴らしい方で、「この先生の下で学べば、きっと良い医者になれる」と直感的に思いました。実際に泌尿器科の世界に入ってみると、これが実に奥深くて面白い。老若男女さまざまな悩みを抱える患者さんを診ることができて、全身を診る視点が求められるんです。医学は日々進歩していますから、勉強会にも積極的に参加して知識をアップデートし続けていますが、それも苦になりません。むしろライフワークとして楽しんでいます。長年この分野に携わってきましたが、泌尿器科の魅力は尽きないですね。
クリニックの特徴についてお聞かせください。

2024年8月に現在の場所へ移転しました。前にこちらで診療されていた先生が閉院されたのを機に、建物をそのまま引き継いだ形です。院内はバリアフリー設計で、車いすの方も通いやすい環境が整っています。待合室には大きなモニターを設置していて、私の趣味であるダイビングにちなんだ海の映像や四季折々の自然の風景を流しているんです。患者さんからは「癒やされる」「ここに通うようになって良かった」と好評をいただいています。また、当院は泌尿器科をメインにしながら内科も診療しています。高齢の患者さんは高血圧症や糖尿病を合併していることが多いので、1つの医院で両方を診られれば2ヵ所に通う手間が省けますよね。泌尿器科に抵抗がある女性の方も、内科として受診いただければ、そのまま泌尿器のお悩みも相談できます。
痛みと羞恥心に配慮し、患者の可能性を信じる
どのような患者さんが来院されていますか。

やはり60代から80代の高齢の方が中心ですね。男性であれば排尿がしづらいという前立腺のトラブル、女性であれば過活動膀胱による頻尿や尿失禁といったお悩みが多いです。一方で若い方も少なくありません。女性の膀胱炎や男性の尿道炎といった炎症性疾患は、むしろ若い世代に多く見られます。お子さんの相談もありますよ。夜尿症のご相談や、男の子であれば包茎や停留精巣といった発育に関わる内容です。泌尿器科は、実は赤ちゃんからお年寄りまで、あらゆる世代の方が対象になります。地域にはファミリー層も増えていますので、お子さんの泌尿器の悩みについても遠慮なくご相談いただければと思います。
診療において大切にされていることを教えてください。
まず心がけているのは、わかりやすい説明です。「前立腺」と言葉で言っても、どこにあるのかピンとこない方がほとんどですよね。ですから図や表を見せながら、視覚的に伝えるようにしています。そしてもう一つ大切にしているのが、できる限り負担の少ない方法を選ぶこと。検査ではエコーを主に使用し、痛みを伴う検査はできる限り避けています。膀胱鏡のような侵襲的な検査についても、CTやMRIなど他の方法で代替できないか、まず検討します。女性の方は泌尿器科に来ること自体に抵抗を感じる方も多いのですが、エコーをおなかに当てる程度ですから、恥ずかしいようなことはほとんどないんです。当院に来られて「もっと早く来たら良かった」とおっしゃった方もいらっしゃいます。
印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか。

絶対に忘れられない出来事があります。以前、障害のある女性の患者さんがいらっしゃいました。他の病院へ受診された際に「膀胱が良くないから一生カテーテルをつけていなければならない」と言われていたのですが、私がお話しした時、この方ならカテーテルを外すことも期待できると感じました。ちゃんと話もできるし、こちらの指示も理解できる。そこで、1〜2週間かけて膀胱トレーニングを行ってもらいました。カテーテルを入れたままだと膀胱が使われなくなって機能が落ちてしまうので、膀胱を膨らませるためのトレーニングを根気良く続けてもらったんです。障害があるからといって諦めるのではなく、可能性を信じて向き合うことの大切さを、改めて感じることができた経験です。
看取りまで寄り添い、地域の健康を支え続けたい
病院との連携や在宅医療の体制についてお聞かせください。

箕面市立病院とはしっかり連携体制を築いています。私は毎週水曜の夕方に行われる泌尿器科のカンファレンスに顔を出していて、当院の症例を提示して相談したり、入院中の患者さんの経過報告を受けたりしています。CTやMRIの検査もネットワークで依頼できる仕組みになっていて、午前中に検査を依頼すれば午後には画像が手元に届くんです。こうした迅速な情報共有ができる体制は、地域のクリニックとしてはまだ珍しいかもしれません。また、往診を開業当初から週2回、月曜と木曜のお昼に行っています。通院が難しくなった患者さんを在宅で診続けることができますし、新規の方も対応可能です。患者さんの人生に最後まで寄り添いたいという思いがありますので、在宅での看取りまでお引き受けしています。
約30年にわたり診療を続けてこられた中で、変わらず大切にされていることはありますか。
一人の患者さんを長く診続けることの意味を、日々感じています。当院で病気が見つかり、病院で手術や治療を受けて戻ってこられた方が、年月を経て通院が難しくなれば在宅で診させていただき、最期を看取る。もしそこまでできたら「この方の人生を一生診ることができたのかな」という思いが湧いてくるでしょう。亡くなられるのは悲しいことですが、かかりつけ医として寄り添い続けることができれば、大きな満足感を感じられるのではないかと思っています。こうした診療を支えてくれているのがスタッフの存在です。当院はスタッフがあまり変わらないんですよ。10年以上勤めてくれる方がほとんどで、顔なじみのスタッフがいることは、患者さんの安心にもつながっているでしょう。今の診療を続けていきたいというのが、一番の願いですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

泌尿器科を受診することに対して、受診のハードルが高いと感じている方は多いと思います。特に女性の方は「恥ずかしい」「痛そう」というイメージをお持ちかもしれません。当院では痛みを伴う検査は極力避けていますし、恥ずかしい思いをさせないよう配慮しています。尿に関するお悩みは、まず泌尿器科にご相談ください。もし婦人科の診察が必要であれば、適切に紹介いたします。お子さんの夜尿症や尿のトラブルについてもお気軽にどうぞ。当院は予約システムを導入していますので、予約していただければ待ち時間もほとんどなく診察を受けていただけます。どんな疾患でもまずはご相談いただければと思います。気軽に来ていただきたい、それが私からのメッセージです。

