清水 良祐 院長、清水 克修 先生の独自取材記事
清水医院
(松原市/河内松原駅)
最終更新日:2025/02/14

河内松原駅に程近い、昔ながらの商店や住宅が立ち並ぶエリアにある「清水医院」。清水良祐院長の父が開業して以来、長きにわたって幅広い診療を提供し在宅医療にも力を注いできた。良祐院長とともに笑顔を見せるのは7月から診療に加わった息子の清水克修(かつしゅう)先生。長年通う高齢の患者に最後まで寄り添いたいという強い思いを持つ院長をスタッフとともに支える頼もしい存在だ。今回は2人に同院のめざす方向性や診療で大切にしていることなど、じっくり話を聞いた。
(取材日2024年9月27日)
幅広い診療を手がけ早くから在宅医療にも注力
在宅医療を含め幅広い診療を提供されていますね。

【良祐院長】当院は私の父が開業した50年以上前から地域に根差して幅広い診療を提供し、往診にも積極的に取り組んできました。1998年に父が急逝し私が当院を継承した後も、在宅医療を含めなんでも診るというスタイルは変わっていません。現在は診療科目として内科・胃腸内科・肛門外科・外科・麻酔科を掲げ、在宅医療などのご相談にも広く対応しています。近年は当院でも高齢の患者さんが増え、通院が難しくなる方も多くいらっしゃいます。また、後期高齢者の増加が医療に大きな影響を及ぼすとされる2025年問題が目前に迫っています。これからは病院に入院したくてもできない方、最期を自宅で迎えたいという方が増えてくるでしょう。当院も外来で幅広い診療を提供するとともに、在宅医療へのニーズにも今以上に応えていかなければなりません。
診療内容についてもう少し詳しく教えていただけますか?
【良祐院長】内科では風邪、頭痛といった症状のほか、生活習慣病や花粉症などのご相談にも応じています。今年7月から内科での経験豊富な息子が加わったことで診療の幅が広がりました。胃腸内科では胃腸を中心に消化器の病気の診断、治療が可能です。もともと私の専門は消化器外科で、勤務医時代には胃や大腸の内視鏡検査から手術まで手がけてきました。以前は痔の手術もしていたため、痔の症状がある方のご相談にも応じています。外科ではケガややけどの処置、巻き爪の治療などに対応。また、私は麻酔科の経験があり、麻酔科標榜医として首や肩周辺の痛みを軽減するための治療も可能です。そのほか軽いうつ症状で来院される方も多く、ゆっくりお話を伺った上で必要に応じて専門の医師にご紹介しています。
患者さんの特徴についてお聞かせください。

【良祐院長】この辺りは古くからの街並みが残る地域で、先代の頃から通ってくださっている高齢の患者さんが多いですね。お子さんやお孫さんと一緒に暮らしていて、家族ぐるみで来院される方もいらっしゃいます。人情味あふれる土地柄で、皆さんが当院に信頼を寄せてくださっているのだろうなと肌で感じられ、とてもありがたく思っています。長くお付き合いしてきた患者さんやご家族をこれからもしっかり支えていきたいですね。ちなみに近隣の住宅街は道路が入り組んでいるため、私は訪問診療の際、小回りの利く自転車やバイクを愛用しています。
【克修先生】私は当院に勤務を始めて間もないのですが、やはり人と人との距離が近く、情に厚い町だと感じています。患者さんの年齢がさまざまなので、風邪から高血圧症などの生活習慣病、精神的な症状までご相談の内容は幅広いですね。また、在宅医療を必要とする患者さんが多いことを実感しています。
医師2人体制でより質の高い医療の提供をめざす
夜8時まで診療されており、緊急時には24時間体制で対応されているそうですね。

【良祐院長】平日は木曜を除いて午後8時まで診療しています。当院には受付、看護師など15人ほどが勤務しており、ベテランスタッフも少なくありません。長い診療時間を通して「患者さんに優しく」をモットーに受診しやすい環境を整えてくれていますね。また、自宅で療養されている患者さんはいつ病状が急変するかわかりませんから、在宅医療を手がけているクリニックなら24時間対応は当然のことです。私は長期の旅行には出かけませんし、趣味のゴルフのプレー中でも連絡があれば駆けつけます。患者さんやご家族の信頼に何とか応えたいと思っているんです。最近は息子が診療に加わって交代で休みを取りながら対応しており、より質の高い医療を提供できるようになったと感じています。
将来的には克修先生がクリニックを継承されるのでしょうか。
【良祐院長】そうですね。少しずつ引き継ぎを進めているところです。外来診療も在宅医療もしっかりやっていかなければなりませんから、近い将来、私が在宅医療中心、息子が外来診療中心として両方を強化していきたいと思っています。彼は日本内科学会総合内科専門医、日本救急医学会救急科専門医の資格を持っており、知識が豊富なのでとても頼りになります。性格も穏やかで患者さんも安心できると思いますね。私が引退するまでに丁寧に引き継いでいって、スムーズに継承できるようにしたいと考えています。
【克修先生】勤務医時代から継承を念頭に置いて内科を中心に研鑽を積み、在宅医療にも強い関心を持って緩和医療を含め幅広く学んできました。これまで培ってきた知識、経験を当院の診療に生かしていきたいですね。また、スタッフともしっかりコミュニケーションを取りながら患者さんにとってより良い医療を提供していきたいと思っています。
克修先生のご経歴を教えていただけますか?

【克修先生】2011年に兵庫医科大学を卒業し、2年間の初期研修を経て堺市立総合医療センターに5年間勤務。初めの3年は消化器外科、残り2年は救命救急部で忙しくも充実した時間を過ごしました。その後大阪市立総合医療センターに移り、総合内科で3年、内科の救急で3年経験を積みました。将来的に当院を継承することは決まっていたので、そのために必要な知識・技術を身につけることを目標としてきたんです。当院の診療に加わってまだ数ヵ月ですが、患者さんの年齢も訴えもさまざまです。長い間病気が見つからなかった方が不調を感じて来てくださることもありますし、気持ちがふさぎ込んでしまって受診される方もいます。長年にわたって祖父や父が積み上げてきた信頼を守り、なんでも診るというスタイルをこれからも継続していかなければならないと考えています。
基幹病院との連携にも注力。悩みがあればまずは相談を
患者さんと接するとき、どのようなことを心がけていらっしゃいますか?

【良祐院長】先代から変わらず、身近なクリニックとして患者さんが相談しやすい環境をつくりたいと思っています。特に在宅医療ではご自宅を訪問するので、踏み込んだ事情をお聞きする必要がありますし、ご家族とのコミュニケーションもより重要になってきます。できるだけお悩みやお困り事、ご要望を共有できるよう、なんでも話してもらえるような雰囲気を心がけています。
【克修先生】私はあまり自分を医師だと意識していないんです。患者さんとは対等な関係性を築き、緊張せずに話していただきたいと思っています。基本的に人と話すことが好きなので、診療においても患者さんが話しやすい雰囲気を心がけていますね。
近隣の医療機関とはどのように連携されていますか?
【良祐院長】手術が必要な状態であれば大阪労災病院か大阪けいさつ病院、もう少し症状が軽ければ明治橋病院、阪南病院、松原徳洲会病院のいずれかにご紹介しています。また、今は地域における訪問診療のシステムも整ってきています。ご家族と暮らしている方はもちろん、一人暮らしで在宅医療を希望する方に対しても、訪問看護ステーションなどと連携して適切な医療を提供しています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【良祐院長】お悩みがあればまずはなんでもご相談ください。お話を聞いた上で、当院でできる治療は当院で治療し、より専門的な治療が必要な方は基幹病院にご紹介します。在宅医療にも力を入れていますので、ご希望があればぜひご相談ください。また、健康な方にはその健康を維持することを意識していただきたいと思っています。予防できる病気、早期発見すれば治癒をめざせる病気もありますので、健康診断、ワクチン接種はしっかり受けていただきたいですね。
【克修先生】当院にはどの診療科を受診すれば良いかわからないという方も来られます。患者さんを適切な医療につなげていくことも当院の役割だと思っています。「その症状ならこの科の先生に診てもらうといいですよ」といったアドバイスもできますので、相談窓口のような感覚でお越しいただければと思います。