山田 裕史 院長の独自取材記事
山田外科医院
(泉佐野市/泉佐野駅)
最終更新日:2025/11/21
泉佐野駅から徒歩2分の好立地にある「山田外科医院」は、3代にわたり地域医療を支え続ける歴史ある医院だ。祖父が開業し父が継いだこの医院を、2007年に山田裕史院長が継承。消化器外科の道を歩んでいた山田院長が、現在、地域のかかりつけ医として内科から整形外科、肛門外科まで幅広く対応できるようになった背景には、山形の病院で積んだ「何でも診る経験」や、近隣病院の院長からの手厚い指導があったという。また同院では、「できるだけ家で過ごせるように」と在宅医療にも力を注ぎ、患者の自宅や施設での床ずれ処置など外科の専門性を生かした対応も行う。地域の在宅医療の担い手が減る中、使命感を持って診療を続ける山田院長に、3代続く医院への思いと地域医療にかける決意を聞いた。
(取材日2025年10月31日)
地域医療の担い手のバトンを受け継ぎ、幅広い診療を
こちらの医院の歴史と継承の経緯について教えてください。

当院は祖父が泉佐野で開業した医院で、小学生の頃の記憶には医院独特の匂いが残っています。高校生の時に父が医療法人化してこの建物を建て、診療を続けていました。ただ、父が早くに亡くなってしまい、私が29歳の時に急に継ぐことになったんです。当時は東京の大学病院から山形の病院に派遣されていましたが、医局の先生と相談して「継いだほうがいいんじゃないか」という勧めもあり、2007年に帰ってくることに。もともと継承は頭になかったので戸惑いもありました。ですが、今思えばあの決断があったからこそ、19年間この地域で診療を続けられているんですね。3代目として、祖父と父が築いてきた信頼を大切にしながら、自分なりの診療スタイルを確立してきました。
幅広い診療内容に対応されていますね。
2003年に東京医科大学を卒業後、消化器外科の医局に入りました。大学病院での研修を経て、主に手術を中心とした消化器外科の診療に携わっていました。転機となったのは継承直前に勤務した山形の病院での経験です。そこでは外科だけでなく整形外科も内科も診る必要があり、まさに何でも診るというような環境でした。それが今思えば良かったですね。継承当初は内科診療に不安もありましたが、近くの羽原病院の院長先生が父の後輩で、通常の診察や内科的なことを教えてくださいました。いわば指導医の先生が近くにいるような恵まれた環境で、ちょっとずつ勉強しながら診療の幅を広げていきました。今では、内科、整形外科、肛門外科、リハビリテーション科まで対応できます。
どのような患者さんが来院されていますか?

医院近辺の方が6、7割を占めています。年齢層は本当に幅広いですね。ご高齢の方が多く、内科的な疾患だけでなく整形外科的な疾患も抱えている方がほとんど。40代、50代の働いている方は健康診断で引っかかって来院されることが多いですよ。駅から徒歩2分という立地もあり、仕事帰りに立ち寄りやすいと思います。特徴的なのは肛門疾患の患者さんで、外科的な疾患を診てくれるところが少ないこともあり、かなり遠いところからも来られます。痔などの肛門疾患は、私にとっては消化器の延長線上にある分野ですから問題なく対応できます。予防接種では小児の患者さんも来院されますし、発熱の外来も設置しており、車での検査対応、2階の発熱者用診察室での空間分離など、感染対策にも配慮しています。
外科医としての技術を生かした専門的な診療を身近に
外科的処置の中でも特に得意な分野はありますか?

外科的な処置全般が得意分野ですが、特に注射の手技には自信があります。痛いから嫌という患者さんがほとんどですから、時間をかけずにスピーディーに終わらせることで苦痛を最小限にしています。小さなお子さんが泣いていても、ご家族に押さえてもらってパッと終わらせます。また、ひどい傷で来院される方も多く、「きれいに治す」ことを心がけています。できるだけ美しく縫合することが一番の治療法だと思っているんです。肛門外科も注力している分野の一つですね。外科的な処置がどちらかというと好きなほうですから、こうした診療を通じて地域のニーズに応えられることにやりがいを感じています。
検査設備を使った予防医療についてはいかがですか?
月に1回循環器専門の先生に来ていただいて、心エコー検査を行っています。心臓疾患のある方や疑いがある方の定期的なチェック、大きな病院から紹介された方のフォローアップなど、振り分けの意味でも重要な検査です。私自身は腹部エコーで肝臓、膵臓、胆のうを診ることが多く、特に中年女性に多い胆石の発見に注力しています。骨密度検査も重要視していて、腰痛でエックス線写真を撮った際に骨の変形やゆがみが見られたら測定を勧めます。高齢の方は骨折されるケースが多く、特に股関節骨折は歩けなくなりますし、圧迫骨折は繰り返すことが多い。骨密度が低い方は骨折リスクが高いので、予防の観点から検査の重要性を説明しています。変形性膝関節症に対し、進行抑制が期待できる定期的なヒアルロン酸注射も行っています。
在宅医療にはどのような思いで取り組んでいますか?

在宅医療は父の時代から行っており、院長就任当初から患者さんを引き継いで対応しています。「できるだけ家で過ごさせてあげたい。望むのであれば家で看取ってあげたい」という思いで取り組んでいます。認知症の方が多く、施設への訪問診療では精神科とも連携しながら対応しており、居宅でも施設でも、既存の患者さんもそうでない方も分け隔てすることはありません。特に外科ならではのニーズとして、床ずれ処置の依頼があります。内科の先生が多い中で、床ずれをしっかりと管理できる医師の数は十分ではないんです。中には「床ずれだけ診てほしい」という依頼も。施設とはSNS上で直接やりとりできるようにしており、早急に対応できる体制を整えています。
ニーズに寄り添い最後まで支える温かい医療
診療で心がけていることを教えてください。

人によって希望する内容が異なりますから、まず患者さんのニーズを的確に把握するよう心がけています。「しっかり調べてほしい」という方もいれば、「薬だけ出して」という方もおられます。徹底的に調べるなら、できるだけ負担をかけないようにしながら、どこまで検査するか見極めることが大切。診療中、私は状態を正しく見極めるのに集中しているせいか、対応を淡泊に感じる方もおられるようです。でも、それは冷静に判断しているだけなんですよ。そんな時はスタッフがフォローしてくれています。受付4〜5人、看護師4人、助手1人という体制で、多岐にわたる診療をサポートしてもらっています。外科的な知識やスキルも積極的に吸収してくれて、頼もしいですね。
今後の展望についてお聞かせください。
患者さんのニーズにしっかり応えていきたいと考えています。今、一番要望が多いのは、やはり外科的な処置ですね。また、在宅医療の継続と充実も重要な課題です。最近、この地域でも在宅医療に取り組む先生方が減りつつあります。今後ますます加速する高齢化に備えて、当院は在宅医療にいっそう力を入れていくつもりでいます。「病院に行くのは嫌だけど、施設なら安心して過ごせる」という方も多いので、施設訪問も含めてしっかりと取り組んでいければと。外科的処置のニーズにも応えながら、「ここに通っておけば全般的に安心できる」と思っていただけるような医院にしていきたいです。
地域の方々へメッセージをお願いします。

健康診断で引っかかって、どうしていいかわからず放っておくという方が多いと思います。ですが、放置せずに、まずは診せてください。治療したほうがいいものは治療し、経過観察でいいものはそのためのアドバイスをします。それに、医師に診せて大丈夫だとわかれば安心できるはず。その安心を提供することが大事だと考えています。私たちは3代にわたってこの地域で診療を続けてきました。祖父が始め、父が発展させ、私が引き継いで19年。駅から徒歩2分という立地で外科、内科、整形外科、肛門外科、リハビリテーション科と幅広く対応し、検査設備も充実させています。何か心配なことがあれば気軽に相談してください。「ここにかかれば不安が和らぐ」と思っていただけるよう、これからも地域医療に貢献していきます。

