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平松 宗一郎 副院長の独自取材記事

平松診療所

(泉佐野市/日根野駅)

最終更新日:2025/09/30

平松宗一郎副院長 平松診療所 main

JR阪和線日根野駅から車で約5分の「平松診療所」は、1989年の開業以来30年以上、地域医療を支え続けてきた。2022年から副院長として診療に加わった平松宗一郎先生は、大学病院での消化器外科医としての豊富な経験を携えて、父である院長のもとへ戻ってきた。地域医療にかける想いは熱く、新たに導入した訪問診療では「医師一人ができることってすごく少ないんだなということに気づきます」と謙虚に語りながら、多職種連携の重要性を実感している。父から受け継いだ地域への想いと、病院勤務で培った専門性をどのように融合させているのか。「わからないことはわからないと言うのが一番大事」と誠実な姿勢を貫く平松副院長に、地域医療への取り組みについて詳しく話を聞いた。

(取材日2025年8月26日)

受け継がれる地域医療への想いと新たな挑戦

お父さまの背中を見て医師をめざされたのですか?

平松宗一郎副院長 平松診療所1

そうですね、父が医師として働いていましたので、僕もなんとなく将来は医師になりたいなと思って育ってきました。小さい時は強い意志があったわけではなく、父の仕事を直接見てたわけでもないんですけど、ただ家で話をよく聞いていました。成長していく上で、医療を題材にした漫画やドラマを見るようになって、医師の仕事というものがどういうものかが具体的に少しずつわかるようになり、一層医師になりたいと思うようになりました。最終的には地域医療に従事しようと思っていたので、父が30年以上前に開業し、地域の方々を診てきたこの医院を継ぎたいと、2022年にこちらに戻ってきました。

消化器外科を専門に選ばれた経緯を教えてください。

どの科も魅力的だったのですが、最終的に外科、消化器外科は、糖尿病の患者さんの手術時には糖尿病も診ることもあるので、外科なら内科の範囲も含め、全体を診ることができると感じました。大阪市立大学病院の初期研修のときに消化器外科である第一外科に入局し、大学病院で働いた後、府中病院という手術症例の多いところで3年間経験を積みました。その後、大学院でがんについての研究を行い、地域での市中関連病院で、全身麻酔での手術を数多く実施。がんの手術だけでなく、良性疾患の手術や抗がん剤治療なども幅広く経験してきました。

30年以上の歴史あるクリニックに戻られてどう感じますか?

平松宗一郎副院長 平松診療所2

父と一緒に年を取っていく患者さんが多く、平均して70歳代、80歳代の方が中心ですが、その娘さんやお孫さんなど3世代にわたって来ていただいている方も多くいらっしゃいます。僕はまだ3年しか診療していませんが、父が長年ここでやってきた地域に根差した診療を実感します。中には、友人のように来院される方もいて、そんな様子を見ていると長きにわたりずっとかかりつけにしてくれているんだな、と感じます。近くの特別養護老人ホームの管理医師もさせてもらっているんですが、そこの入所者さんの平均年齢は90歳以上で、昔、当院に来ていたという方も多くて感慨深いものがあります。

訪問診療で広がる地域包括ケアの輪

新たに訪問診療を導入された理由は?

平松宗一郎副院長 平松診療所3

30年もやっていると、患者さんも一緒に年を取られるので、今まで通われていた患者さんが来られなくなるということもあります。そういった患者さんを最期まで診て差し上げたいと思い、こちらから行けるようにと訪問診療を始めました。勤務医時代は、病気になった患者さんが病院に来て治療を受け、社会復帰していく、その一部分にしか関われていなかったことに気づきました。しかし、患者さんの人生はその後も続いていきます。回復につながる方もいれば、少しずつ弱っていく方もいます。そういった日常や生活の場面に継続して関わっていくことの大切さを感じ、地域医療において本来あるべき姿として、訪問診療を本格的に取り入れることにしました。お昼の時間帯を使って訪問していますが、今来られている患者さんからも「いつかお願い」といわれることも多いですし、必要とされることも多いので、始めて良かったと思っています。

病院勤務の経験はどのように生かされていますか?

つい最近まで大きな手術を多く実施している病院で働いていたので、どこでどういう手術をされており、どのぐらいの症例数があるかなどを把握しています。当院では胃カメラや消化管検査を導入しているので、もし胃がんなどが見つかった場合も速やかに適切なところに紹介することが可能です。これまでの経験をもとに、手術する側である病院が欲しいと思う情報を細かく的確に提供できます。また、術後のフォローや抗がん剤治療についても、当院で患者さんに状態を細かく伝えることが可能で、これは僕が戻ってきた上での強みかなと思っています。小さな外科手術、粉瘤(アテローム)などの皮膚のできもの切除や、整形外科的なばね指の手術なども外来で対応しています。

幅広い年齢層の患者さんが来院されるそうですね。

平松宗一郎副院長 平松診療所4

高齢の方だけでなく、当院は大阪体育大学が近いので、学生さんなど若い世代の来院もあります。原付事故やスポーツによるけが、企業や施設で働く外国人の方の健診など、地域の多様なニーズにも対応しています。整形外科・外科・内科・リハビリテーション科・胃腸外科など複数の診療科があり、年齢を問わず幅広い世代の方に対応できるのが当院の特徴です。お子さまの切り傷やすり傷など、「どこに連れて行けばいいのかわからない」という保護者の方も多いですが、当院ではそうした外科的処置も可能です。イボや皮膚のできものの処置も行っています。また、訪問診療を通じて、一人の患者さんを支えるには訪問看護師やケアマネジャー、ヘルパーなど多職種との連携が不可欠であると実感しました。地域包括ケアの考え方を大切に、地域医療を支えていきたいと考えています。

全世代を支える地域のかかりつけ医として

スタッフさんとの連携はいかがですか?

平松宗一郎副院長 平松診療所5

スタッフも長年勤務してくれていて、開業当初から働いてくれている人もいます。仲良く和気あいあいとやっていて、つい最近も食事会を行いみんなで親睦を深めました。患者さんもいつ来ても同じ顔があるという安心感があると思います。外来では、院長である父と連携し協力して診療を行っています。訪問診療に関しては僕が対応していて、外来診療では、企業の健診や粉瘤やできものの外科処置、整形外科的なばね指の手術なども担当しています。父が長年築いてきている信頼関係の上に、僕の専門性を加えることで、より幅広い医療を提供できるようになったと思います。

今後の展望をお聞かせください。

より在宅診療の患者さんを増やして地域に貢献したいと思っています。在宅診療の患者さんが増えるということは、たくさんの多職種と連携することなので、日根野から泉佐野市全体に一つの医療圏として、平松診療所に関わりを持ってもらえれば、地域の中で答えが出るような病院になれたらなと思います。地域のことは地域で答えが出せるようにするのが目標です。それをするために、当院がその一役を担えたらと思っています。外来においても在宅においても、病気そのものだけでなく、患者さんの生活や背景も含めてその人全体を診ることができるようになってきたのは、良かったと思いますね。

地域の方へメッセージをお願いします。

平松宗一郎副院長 平松診療所6

当院は開業してから長く、最新のきれいな病院ではないですが、幅広い診療科に対応しているので、お子さんからご高齢の方まであらゆる世代の方に来ていただければと思っています。基本的には、なんでも診るスタンスですが、自身の専門分野ではなく対応が難しい場合は、適切なところにご紹介できるよう、他の医療機関との連携も取っています。また、どの世代の患者さんも、医療だけではなくて、介護の分野だったり訪問や在宅の分野だったり、その患者さんの必要とする最適な形に持っていけたらと思います。

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