透析治療は最終手段
そこに至らない外来診療を重視
西本クリニック
(枚方市/枚方市駅)
最終更新日:2024/09/12


- 保険診療
泌尿器科クリニックでは泌尿器のことしか相談できないと思っている人も多いが、「西本クリニック」では、泌尿器科のほか皮膚科や内科疾患にも対応している。診療では、入念な問診や検査によって症状の原因を追究。特に尿検査でわかることは多く、何らかの異常があれば数値として現れるため、病気の発見に役立つという。検査によって診断が確定した後は、尿管結石、前立腺がん、膀胱がんなどの泌尿器疾患をはじめ、糖尿病や腎臓疾患などさまざまな疾患の治療に幅広く対応する体制を整備。建物の2階・3階部分に広い透析室を持ち、透析治療にも力を入れている。患者の話に耳を傾け、幅広い視点で可能性を探ることを大切にする西本優大院長に、放置してしまうと怖い泌尿器がんや、腎臓の働き、透析治療の詳細について話を聞いた。
(取材日2024年6月21日)
目次
泌尿器がんの早期発見や腎臓機能低下の予防のため、精度を重視した検査や丁寧な問診を実施
- Q外来には、どんなお悩みの患者さんが来られていますか?
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A
▲泌尿器科を専門にしている西本先生
当院は、泌尿器科・皮膚科のほかに内科も扱っていますので、尿や泌尿器に関するお悩みだけでなく、皮膚疾患のご相談や、健康診断を受けに来られる方もいて、尿検査をしてみると糖が混じっている、タンパクが降りているなどの内科疾患につながる症状に気づくこともあります。検尿の機械は全自動のものを採用しており、電子カルテと連動するシステムなので、時間の短縮と取り違え防止を両立しています。検査精度も高く、数字として結果が出るので、別の症状で来ていた方でも「そういえば、以前から糖尿を指摘されていて……」と言われることも。幅広い訴えから治療を必要とする疾患を見つけることが、一つの役割だと考えています。
- Q診療する中で特に気をつけていることを教えてください。
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A
▲院内設備も充実している
泌尿器科には、頻尿や残尿感などの排尿障害、膀胱炎などで来られる方が多いです。これらは痛みがあったり日常に影響があったりするので訴えとして出てきやすいのですが、泌尿器系のがんは気づきにくいのが難点です。例えば、前立腺がんは痛くもかゆくもありませんし、膀胱がんは血尿がサインになりますが、すぐに治まれば受診につながらない方もいます。がんは「疑わなければ見つけられない」と思っているので、症状に合わせて血液検査による腫瘍マーカー(PSA)や膀胱鏡などの精密検査を提案。いろいろな病気を極力見逃さないようにするため、広い視点で可能性を探ることを重視しています。
- Q泌尿器科と腎臓内科の関係を教えてください。
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A
▲泌尿器科と腎臓内科の密接な関係について着目している
腎臓は水分や老廃物を尿として体外に出す役割があります。その機能を失い、自分で排出できなくなってしまえば命に関わるので、最終手段として透析治療が必要です。そこまでにならないよう、腎臓の機能低下に影響を与える要因を取り除かなければいけません。ただ、腎臓そのものの機能を回復させる治療は残念ながら現時点ではありません。血圧や糖の調整、貧血の改善などの外来でできる治療で、腎臓機能の悪化を緩やかにする、透析治療まで行かせないことが腎臓内科の仕事だといえますね。
- Qそれでも透析が必要になった場合、治療の流れを教えてください。
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A
▲透析治療の設備も完備
透析は週3回、1回4時間以上かけて血液から毒素や余計な水分などを取り除きます。時間がかかるので、午後から予定を入れたい方や仕事をしている方でも通いやすいよう、朝6時からや夕方16時からの枠を設けています。また、透析をしている患者さんは、体内から自力で水分を排出することができないので、適正な体重と体内の水分量を確認するために月に一度エックス線撮影をし、治療の評価を行っています。もちろん、早い段階から腎臓の機能低下を防ぐことが重要ですが、透析治療が必要になった場合もこのクリニック内で一貫して対応できることが強みだと思います。
- Q受診のタイミングの目安をお聞かせください。
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A
▲患者に寄り添った治療を心がける
どんな症状でもまずは受診してください、という言葉に尽きると思います。例えば、腰が痛いという訴えでも、尿管結石が原因となっていることもあれば、筋肉や骨や内臓などが原因だったという場合もあります。当院で解決できることかどうかを含め、まずは診察して病気の鑑別をしっかりと行うことが最優先であり、私の役割だと考えています。また、繰り返しになりますが、泌尿器に関わるがんは痛みがほとんどありません。健康診断で腫瘍マーカーの値を指摘されたり血尿が出たりしているなら、早めにご相談いただきたいですね。