24時間患者を見守る在宅医療
認知症患者も親身にサポート
愛成クリニック
(枚方市/枚方公園駅)
最終更新日:2022/02/24


- 保険診療
住み慣れた自宅に医師が訪問し、自宅療養しながら外来診療とほぼ変わらない医療が受けられる在宅医療。超高齢社会を迎えた今、希望する患者は増えており、「愛成クリニック」でも同院が得意としている認知症のほか、さまざまな疾患や術後のケアなどで多くの人が訪問診療を受けている。とはいえ、初めて利用する人にとっては、どんな医療サービスが受けられるのか、またどんな人が対象となるのかなどわからないことも。そこで訪問診療のメリットや特徴、認知症で自宅療養している患者のケアについて、井上慶子先生に話を聞いた。
(取材日2020年9月18日)
目次
患者と家族が何に困っているか拾い上げ、スタッフ同士が連携してサポート
- Q在宅医療のメリットについて教えてください。
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A
▲各種、治療や検査はもちろん、訪問リハビリテーションにも対応
住み慣れた自宅で、安心して医療サービスが受けられることです。採血、心電図、エコーでの検査のほか点滴治療なども受けることができ、診療室とまったく同じとまではいかないまでも、必要な医療のほとんどはカバーできると思います。また医師が患者さんのご自宅に出向くことで、生活に密着した医療が可能となり、その人に合ったお薬の調整やご家族へのアドバイスができます。リハビリテーションを始めるタイミングや必要な福祉器具の種類も見極めやすいといえるでしょう。 そして何より、24時間対応の相談窓口があることは、患者さんとご家族にとって心強いことだと思います。
- Qどのような方が訪問診療の対象になるのですか?
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A
▲さまざまな状況にも対応できるよう設備も整える
医療を受けたくても通院が困難という人は、誰でも訪問診療を受けることができます。足が悪くて動けない場合だけでなく、 体は元気だけど認知症のため外出するのが難しいという人も対象です。当院の訪問エリアは枚方市を中心に寝屋川市、高槻市、摂津市など広く対応していますので、お問い合わせください。訪問する頻度は月に2回のケースが多いですが、病状や状態に応じて決めていきます。利用されている方の疾患は、末期がんや高齢者の心不全、術後ケアが必要な方、重度の認知症、小児の難病などさまざまです。特に高齢者は複数の疾患を同時に抱えていることも多く、トータルに全身をケアしていくことが重要になります。
- Qどのような流れで進めていくのですか?
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A
▲患者、家族の気持ちに寄り添いながら日々の診療を行う
訪問診療を開始する上で、まずはご家族の意向を聞いて治療計画を立てます。その際どういう医療を受けたいか確認するのと同時に、「何に困っているか?」を拾い上げることが重要になります。例えば認知症の方が夜になると暴れて、家族が眠れなくて困っているというのであれば、その患者さんが機嫌良く寝てくれるようにお薬を調整したり、対応の仕方を考えたりします。訪問診療が始まってからもご家族とコミュニケーションを取り、その時々で困り事はないか伺っていきます。夜寝るようになったけど、トイレに行く時に歩き方がおかしいなど別の不安があれば、それに合わせて治療法やお薬を変えていきます。
- Q在宅医療で大切なことは何ですか?
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A
▲明るくフレンドリーなスタッフが対応してくれる
訪問診療は医師1人が頑張ってもうまくいきません。スタッフ同士の連携が不可欠です。当院ではネットワークシステムを活用して患者さんの情報を共有し、注意点の伝達や細かい薬の指示などを随時行っています。またケアマネジャーから別の日に会った時の患者さんの様子を聞くこともありますし、患者さんが独居の場合はヘルパーから情報を聞き取ることもあります。いろんな人の目から情報を集めて、チームで患者さんを支えていくのが訪問診療なんです。もちろんご家族も、チームの一員です。全員がサークル内で活躍してこそ、在宅医療は成り立つものです。
- Q認知症の治療を得意とされているそうですね。
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A
▲井上先生。認知症から在宅まで幅広く対応が可能
認知症の患者さんに対する専門的なケアを行っているのは、当院の大きな特徴です。認知症の症状がひどくなると精神科に頼るケースが多いのですが、当院では24時間電話で対応し、認知症の薬をこまめに調整してケアします。初めて訪問診療に伺ったお宅では、精神科のお薬を過剰に使っているケースもあり、驚かされることがあります。これまでたくさんの認知症患者さんを診てきたからこそ、お力になれることは多いと思うので、現在困っていることがある方はご相談ください。