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中川 祥子 先生の独自取材記事

愛成クリニック

(枚方市/枚方公園駅)

最終更新日:2021/10/12

中川祥子先生 愛成クリニック main

1972年に開業してから40年以上にわたり、地域の健康を支えてきた「愛成クリニック」。地域住民の健康管理として、健康診断や人間ドックを中心に幅広い検査メニューを用意しているクリニックだが、中でも、女性の健康維持に向けた医療に力を注いでいるのが大きな特徴だ。婦人科診療を担当する中川祥子先生は、大学では女性ホルモンと漢方の研究に携わり、不妊治療や乳がん診療の知識も豊富なベテランドクター。同じ女性の目線で話を聞き、患者の悩みに温かく寄り添ってくれる中川先生のもとには、10代の若者から高齢者までと幅広い年齢層の患者が、婦人科検診や相談に訪れるという。地域の女性たちに頼られる中川先生に話を聞いた。

(取材日2020年3月19日)

対話形式で患者の悩みに寄り添う婦人科診療

まずは貴院の特徴を教えてください。

中川祥子先生 愛成クリニック1

当院は健康診断で訪れる人が多い一方で、婦人科診療にも力を入れています。「妊娠もしていないのに婦人科にかかるのはハードルが高い」という声を耳にすることがありますが、ここならほかの検査を受けた際に婦人科も受診でき、年輩の方や生理が始まったばかりの娘さんも訪れやすい雰囲気だと思います。実際に60〜70代の方が婦人科検診で来られたり、10代の子がお母さんに付き添われて生理の相談に訪れたりすることも多く、また40〜50代の中高年の方では更年期障害の治療に来られています。婦人科検診では乳がん検査も実施しており、女性の体を総合的にケアできることは当院の強みですね。

婦人科診療におけるモットーをお聞かせください。

検診専門の施設では、診察台の患者さんと1度も顔を合わすことなく、子宮がん検診が行われることもあると聞きます。当院では内科と同じように子宮がん検診であっても、検査結果を伝えるだけでなく、健康面で気になっていることはないかなどを伺ったり、他の婦人科疾患についてのお話もするなど、会話を重視した婦人科診療を行っています。セカンドオピニオンの相談で来られる方も多く、例えば乳がん家系なので予防のアドバイスをしてほしいという方や、子宮筋腫は手術と経過観察のどちらがいいのかなど、さまざまな相談に応じています。

多い主訴は何ですか?

中川祥子先生 愛成クリニック2

生理の不調ですね。生理の悩みは女性につきものですが、人によっては経血量がとても多いと悩んでいる方や、生理時の下腹部痛や頭痛がひどく、子どもの行事と生理が重なったらどうしようと悩んでいる方もおられます。月経困難症は若い女性に多く、日常生活にさまざまな支障を来すほか、原因が子宮内膜症である場合は、そのまま放置してしまうと不妊原因につながる可能性もあります。当院では患者さんの症状に合わせて、低用量ピルや漢方薬を処方しています。

思春期から更年期まで生涯の健康をサポート

婦人科を選択されたのはなぜですか?

中川祥子先生 愛成クリニック3

女性の生理やホルモンバランスは、ライフステージによってさまざまに変化します。そうした部分に興味を持ち、また女性にとってやりがいのある科ではないかと感じたんです。勤務医時代は産婦人科診療を全般的に携わったほか不妊原因の検査を行ったり体外受精などの治療計画をする不妊の外来を行っていました。大学院では、恩師の先生が漢方療法の大家で、女性ホルモンレセプター陽性、子宮内膜由来のがん細部に対する抗腫瘍効果について研究するテーマを与えてもらいました。なかなか結果は出ず、毎日、失敗の連続でした。2年たち、結果は出ず漢方薬からタモキシフェンに薬剤を変えて研究してみたらと、薬剤を変えて実験することになりました。結果が出て論文が受理されやっとの思いで博士号が取得でき、研究の大変さを痛感しました。この経験は、診療にも役立ってると思っています。

得意とされているホルモン療法についてお聞かせください。

女性の体は、女性ホルモンによって守られています。ホルモンの分泌は思春期から活発になり、出産時期にピークを迎えた後、45歳を過ぎたあたりからがくんと低下します。ホルモンが急激に減少する更年期には、異常はないけど体がだるい、イライラするといった症状に悩まされることがあります。本来であれば若い方は、多くの女性ホルモンで満たされているはずですが、無理なダイエットや不規則な生活、仕事のストレス、ハードな運動などにより、ホルモンバランスが崩れてしまっている人が増えています。場合によっては、卵巣機能が低下して生理が止まってしまうことも。順調だった生理のリズムが崩れてしまうような場合、器質的な疾患よりも女性ホルモンの不調が疑われるケースが多いですね。その場合は、生理の状態を整え、生活習慣を改善していきます。

漢方を用いることもあるのだとか。

中川祥子先生 愛成クリニック4

低用量ピルは月経困難、月経過多に処方されることが多いですが、避妊薬のイメージがあり、何となく飲むのが怖いという方もおられます。また、少なからず血栓症などのリスクがあったり、服用すると気分が悪くなるなど、お薬が合わない人も中にはいます。そのような場合は、漢方を処方しています。また更年期の多彩な症状に対しても、体質改善からアプローチする漢方薬が有利に働くことは多いです。

乳がん診療では、不妊治療・更年期治療も視野に

更年期特有の症状も、先生の得意分野だと伺いました。

中川祥子先生 愛成クリニック5

50歳前後になると、肩こりや倦怠感、頭痛やイライラなど、さまざまな不調が表れてくることがあります。中でも多いのは、発汗とのぼせです。閉経に伴って卵巣の働きが衰え、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少して血液循環の働きが悪くなることがこれらの不調の原因にあり、エストロゲンの分泌を増やそうとして送られる脳からの強い指令によって、血管運動神経が刺激されて発汗やのぼせなどの身体的な症状が出るといわれています。症状がある人はぜひ相談してほしいです。症状の程度によっては生活に支障を来し、仕事に影響してしまう方もいらっしゃいますので、そういった場合は、足りないホルモンを補充していきます。ホルモン補充療法は、飲み薬、貼り薬、塗り薬などさまざまな方法があり、その人のライフスタイルに合った方法を提案します。しかし、ずっと続けることは難しく、「やめ時」も考えながら行う必要があります。

乳がん検診にも注力されていますね。

こちらのクリニックに着任する前に、マンモグラフィや超音波を用いた乳がん検診の画像読影を専門的に勉強しました。本来、乳がんを扱うのは婦人科ではなく乳腺外科の領域ですが、患者さんに検査結果をきちんと説明し、適切な医療機関へ振り分けるためには、知識が必要だと感じていました。乳がん罹患率は年々増加。私は母を乳がんで亡くしています。がん患者の遺族のつらさも身にしみて感じました。それもあって、多くの女性を救いたいと、乳がん診療に対応できる医師になろうと思ったんです。乳がんは40~60歳で罹患することが多いですが、最近では若い20、30歳代も増えています。不妊治療をしようと思ったら乳がんが見つかった、などのケースでは諦めないで受精卵、卵子など凍結する方法もあります。ただし、高齢化していく世の中では乳がん治療後の不妊治療が難しいケースもあるでしょうし、妊活前には乳がん検診はぜひ受けてほしいと思います。

最後に読者へメッセージをお願いします。

中川祥子先生 愛成クリニック6

病気にならないためには、自分の体を自分で守っていくことが重要になります。例えば月1回、ご自分で乳房を触って確認する日を決めて実践するだけでも、大きな予防につながると思います。出産してから何年も婦人科を受診していないという方もおられますが、やはり子宮がん検診や乳がん検診は定期的に受診してもらいたいですね。子宮筋腫が良性の場合でも出血がひどくて貧血が心配されることもありますので、少しでも気になることがありましたら、婦人科の診察を受けてほしいと思います。また60代、70代になれば、「もう婦人科には用がない」と考えている人もいるようですが、子宮体がんや卵巣がんのように、閉経を迎えてからかかりやすいがんもあります。どの年代の方も体調のことで悩みがあれば、すぐに相談してほしいと思います。そして、「ここに相談して本当に良かった」と思ってもらえるような婦人科診療を提供していきたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/4万1800円(税込)、子宮頸部細胞診/3000円(税込)、乳房超音波(エコー)検査/3500円(税込) ※詳しくはホームページご覧ください。

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