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通常の社会生活に支障を来さない
人工透析の新たな方向性とは?

染矢クリニック

(枚方市/枚方市駅)

最終更新日:2025/07/14

染矢クリニック 通常の社会生活に支障を来さない 人工透析の新たな方向性とは? 染矢クリニック 通常の社会生活に支障を来さない 人工透析の新たな方向性とは?
  • 保険診療

糖尿病や高血圧症など、何らかの原因で腎機能を失った人に必要となる人工透析。かつては、透析を受けるようになれば末期的な状態と考えられていた。だが透析技術や診療体制が充実した今、通常の仕事や生活をしっかりと維持しながら透析治療を受け続けている人は大勢いるという。そんな透析患者を応援すべく、さまざまなサポートを続けているのが「染矢クリニック」の木下義久院長。日常生活と透析治療の両立をいかにしてサポートしているのか。同院でのアプローチを混じえながら、現代の人工透析の医療スタンスや実例に迫ってみた。

(取材日2025年6月30日)

夜間を利用すれば日中の活動時間が有意義に。安心・安全な体制で透析患者をバックアップする

Qそもそも人工透析とは、どのような治療なのでしょうか?
A
染矢クリニック 電動リクライニングベッドや先進の透析機器を導入している

▲電動リクライニングベッドや先進の透析機器を導入している

糖尿病性腎症や腎硬化症などの慢性腎臓病によって腎機能が低下すると、腎臓で代謝されて尿として排出する老廃物や毒素が体にたまっていきます。さらに機能低下が進んで腎不全になると、腎臓に代わる治療法として人工透析が必要となるわけです。具体的には体から血液を抜き、ダイアライザーと呼ばれる装置を通してろ過。余分な水分とともに老廃物を排出し、きれいな血液を体へ戻します。この作業を安全かつ容易に行うために事前に必要なのがシャント形成手術という処置で、静脈と動脈をつないで透析専用の血液の出入り口をつくります。現在の人工透析にはいくつかの方法が存在しますが、代表的な血液透析ではシャントを用いるのが一般的です。

Q透析治療の1日の流れや頻度を教えてください。
A
染矢クリニック 「従来の日常生活をできる限り送ってもらいたい」と話す院長

▲「従来の日常生活をできる限り送ってもらいたい」と話す院長

通院透析の場合、まずはパジャマなどに着替え、最初に体重計で体内の水分の増加量を調べます。血液のろ過と同時に、余分な水分を排出することも透析治療の大切な目的。例えば3kgの増加であれば1時間に750gずつ、4時間かけて抜いていく計算となり、現在はより多くの水を循環させて血液のろ過効率を上げる、オンラインHDFという手法も普及しています。その後はベッドに寝ていただいて体温を測り、声をかけながら穿刺します。透析中は寝たままの状態で、それぞれ自由な方法で過ごしていただき、透析が終われば体重を再度確認して終了となります。こうした透析治療を、基本的には週3回、ずっと続けていくことになります。

Q仕事など、社会生活への影響についてはいかがですか?
A
染矢クリニック オーバーナイト透析を行うために半個室も完備

▲オーバーナイト透析を行うために半個室も完備

透析はあくまで通院で行うため、日中はなるべく普通の社会生活を送っていただくことが大切なテーマです。夜間透析を利用すれば仕事を終えてから透析治療を受けられるため、社会生活への影響を最小限に抑えられるでしょう。しかしながら、大半の医療機関での対応時間は夜10時頃まで。透析の時間を逆算すれば、少し早めに仕事を切り上げる必要があります。そこで当院では最終時間を11時45分まで繰り下げ、定時までしっかりと勤めた上で夕食を済ませ、余裕を持ってご来院いただけるシステムを導入しました。私たちのほんの少しの努力があれば、透析患者さんの人生をもっと応援できる。そんな思いで日々のブラッシュアップに励んでいます。

Q深夜から早朝にかけて行う長時間透析があると聞きました。
A
染矢クリニック 2階の透析専用の広々とした待合スペース

▲2階の透析専用の広々とした待合スペース

当院では夜間透析に加え、枚方市内でも行っている医療機関が数少ないオーバーナイト透析に対応しています。オーバーナイト透析とは深夜から早朝にかけて夜通しで行う人工透析で、日中の活動時間の確保はもちろん、長時間の透析が可能なため、余分な水分や老廃物の効率的な排出、食事制限の緩和、合併症の予防などさまざまなメリットにつながります。現役世代に人気で現在は予約待ちとなっていますが、努力を続けている患者さんに希望を感じていただくためにも、こうした取り組みは今後も末永く継続していきたいと考えています。

Qこちらのクリニックで透析を受けるメリットを教えてください。
A
染矢クリニック 不安や心配事があればいつでも気軽に相談できる環境を整えている

▲不安や心配事があればいつでも気軽に相談できる環境を整えている

当院では2階を透析のスペースにあて、オーバーナイトを含めて42床の透析ベッドを用意。装置の操作や穿刺を行う臨床工学技士や看護師など、患者さんの透析管理をチーム全体で行います。主治医による回診は原則週1回ですが、血液検査のデータをもとに、改善へ向けた指導を丁寧に行うことも当院の特徴。リンが高ければ「お肉の最後の一切れは残しましょう」、カリウムが高ければ「レタスは30分ほど水に漬けておきましょう」と、できるだけ具体的な例でお伝えします。また、透析ごとに看護師が体調を伺い、定期的なフットケアや管理栄養士による栄養指導も実施。院内見学も受けつけていますので、ご家族同席でぜひ一度当院までお越しください。

ドクターからのメッセージ

木下 義久院長

人工透析は多くの方がイメージする終末的な結果では決してなく、弱った体を元気にするために治療として続けていただくものです。従来どおりの仕事や日常生活をできる限り送ってもらいたい。導入することによって、倦怠感やむくみといったつらい症状の改善が望めることを知ってほしい。そうした思いで当院は50年以上にわたり、数多くの透析患者さんと向き合ってまいりました。透析の導入によってジム通いができるかもしれませんし、現地で透析が受けられる透析患者さん専用の海外ツアーもあります。皆さんを勇気づけられる材料が今はたくさんありますので、不安や心配事があればいつでも気軽にご相談ください。きっとお力になれると思います。

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