ステロイドを使わずに根本解決をめざす
アトピー性皮膚炎の治療
松本医院
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2024/08/26


- 保険診療
慢性疾患となるアトピー性皮膚炎は、発症すると長く付き合い続ける病気の一つ。症状を緩和するためのステロイド剤による治療を、長期間続けているケースも少なくないだろう。しかしこうした薬に頼らず、自己治癒力を生かして心身ともに健康を取り戻してほしいと思い、根本治療に取り組むのが「松本医院」の松本有史(ゆうし)院長だ。これまで述べ数万人以上のアトピー性皮膚炎の患者を診てきてた実績がある。ステロイドを使わない同院が提案する治療は、望むゴールまで数年ほどかかることが見込まれる上、症状がぶり返す恐れもあり、ハードルの高い治療かもしれない。それでも長年症状に苦しんできた人たちが「健康な日常生活」を送れるよう、日々多くの患者と向き合っている松本院長に、同院の治療に対する考え方、診療の流れについて話を聞いた。
(取材日2024年5月15日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらで行っているアトピー性皮膚炎の治療について伺います。
-
A
慢性疾患であるアトピー性皮膚炎は、現代医療では根治が難しいとされています。当院ではアトピー性皮膚炎で通常用いられているステロイドを使用せず、それ以外の選択肢を用いて治療を行っていきます。診療では、夜はぐっすり眠れる、季節の変わり目でも少しかゆい程度で済むといった「日常生活を普通に送れる」状態を第一目標と定め、睡眠や運動、食事といった生活習慣や住環境の見直しも行うなど、多角的な視点を持って、徹底した体づくりを継続するためのさまざまなサポートを行っています。
- Q治療にはどのくらいの期間がかかるのでしょうか。
-
A
治療完了までの期間は人それぞれ異なりますが、長い間ステロイドを常用してきた人であれば最低でも1、2年はかかると考えていただくほうがいいと思います。当院では、徐々に薬量を減らすのではなく、一気に薬を断つ方法で治療を進めていきます。ステロイドを中断すると症状が一気に増悪する恐れもありますが、そういった場合も親身にサポートし、一緒に乗り越えあくまでも根本治療をめざします。生活習慣の中で「食事」と同じくらい重要だと私が考えるのが「睡眠」です。良い睡眠ができるか否かで、アトピー性皮膚炎の予後が大きく変わってくると考えており、より良い睡眠ができるようなサポートも行っております。
- Qステロイドをやめることで一時的に悪化することもあるのですか?
-
A
症状が悪化したアトピー性皮膚炎は慢性疾患のため、免疫抑制剤であるステロイド剤を慢性的に使用している方が多いのですが、それまで使っていたステロイドをやめることで、症状が一気に増悪する恐れもあります。アトピー性皮膚炎にかかる患者さんの年代は、20代から50代を中心に、5~6歳の子どもから70代・80代の高齢の方まで非常に幅広いのですが、特に小さなお子さんの場合は、この症状の再燃がつらくて続けられず、ステロイド治療を再開される選択をする方もいらっしゃるでしょう。私が当院で行う治療を「茨の道」というのもそのためです。ですので、患者さんには茨の道を乗り越える覚悟が必要だということをお伝えしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察室でヒアリング
-
事前のウェブ問診をもとにカウンセリングが行われ、アトピー性皮膚炎がいつ発症したか、いつからステロイドを使用しているのかなどの確認が行われる。同院で診療開始して以来、アトピー性皮膚炎に悩む小さな子どもから高齢者まで、多くの患者の診療を手がけてきた松本院長。数年にわたって治療が続くこともあるため、「治療で最も大事なことは、“絶対に自分で治す”という患者さん自身の覚悟です」と話す。
- 2採血での血液検査
-
採血で血液検査を実施し、アトピーやアレルギーの度合いを確認する。別の医療機関などで検査済みの場合、採血データの持参も可。検査の結果は治療の実施可否には影響せず、症状あるいは抗体、血液の値が悪くても、ステロイドを用いない治療を試してみたいという強い気持ちがあれば取り組むことができる。なお血液検査に進めるのは覚悟がある患者のみ。診断の時点で悩んでいる場合は、自宅に持ち帰ってじっくり考えよう。
- 3治療開始
-
ステロイドを使用していた人が同院で治療を行う場合、最初に行うのがステロイドの使用をストップすること。症状が増悪する恐れもあるが、その症状の強さや期間は人により異なるという。
- 4全身の健康に向けて生活習慣のアドバイス
-
食事・運動・睡眠・メンタルケアなど、さまざまな観点から体全体のバランスを保てるよう指導が行われる。加えて症状を悪化させる可能性がある屋内外の温度差・湿度差など、環境面のアドバイスも。「生活習慣・環境を改善せずして根本治療はかないません」と松本院長。同院には治療の参考となる生活習慣・環境についての書籍や資料も多数用意されている。少しでも早くゴールをめざすためにも自発的に学ぼう。
- 5通院が不要となる状態へ
-
治療開始当初の通院頻度は2週間に1度、遠方住まいなら1ヵ月に1度ほど。最終的にめざすのは「通院不要」の状態だが、そのゴールに到達したかどうかを判断するのは患者自身。症状や苦痛の感じ方はその人にしかわからないため、自身の判断で決めてもらっているという。再燃したり症状が悪化したりした場合は、通院を再開して松本院長に相談を。