佐竹 晃 院長の独自取材記事
さたけ内科クリニック
(吹田市/千里山駅)
最終更新日:2025/04/04

阪急千里線の北千里駅から徒歩圏内の閑静な住宅街にある「さたけ内科クリニック」。院長の佐竹晃先生が訪問診療の必要性を強く感じたのがきっかけで2012年2月に開院したクリニックだ。佐竹院長は、京都大学医科学研究所で糖尿病と血管新生の研究を重ねた後、循環器内科の医師として救急救命医療にも携わりたくさんの命と向き合ってきた。日々命の最前線で壮絶な経験をくぐり抜けてきたドクターだが、普段の診療は明るく親しみやすい語り口で地域の患者からの信頼も厚い。「医師に遠慮せずにコンビニ感覚で気軽に受診してください」と穏やかな明るい笑顔で話す佐竹院長に開院までの経緯やプライベートな部分までじっくり話を聞いた。
(取材日2017年10月18日)
研究者としての日々から救命救急医療の道へ
先生が医師をめざされたきっかけとご経歴を教えてください。

私の父が外科の医師でしたので、子どもの頃から医師という存在は身近なものでした。幼い頃から医師を志したわけではありませんでしたが、父が医師で兄も医学部に進学したのでその道に進むのはごく自然なことでした。大阪医科大学医学部を卒業後、三重大学附属病院で外科の医師として研鑽を積み、その後京都大学再生医科学研究所で、糖尿病及び血管新生の研究をしていました。その後は、循環器内科の医師としていくつかの病院で救急救命医療に携わり日々たくさんの命と向き合いさまざまな経験を経た後、ここ吹田の地でさたけ内科クリニックを開院しました。
開業される前はどのような研究や治療を行っていたのでしょうか?
京都大学再生医科学研究所では、膵臓膵の島細胞を作る研究に従事していました。いつかこの研究が糖尿病患者さんの役に立てばとの思いで日々研究に没頭し、やりがいも感じていましたが、私自身もともと臨床のほうが自分に向いているなとは思っていたので、ずっと研究者を続けようとは考えていませんでしたね。循環器内科の医師として救命救急医療に携わるようになってからは、狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療や、不整脈の患者さんへのペースメーカー植え込み術なども多く行ってきました。
そこからどうして開業しようとお思いになられたのですか?

救命救急医療に携わっていた病院で、肺炎などの症状で施設などから運ばれてくる高齢の患者さんに接することが多くありました。私のモットーは、入院してもとにかくできるだけ早く治して退院させてあげることでした。だから治療後4、5日で元いた施設に退院の連絡をするのですが、「もう受け入れるベッドがない」という返答が返ってくる状況が何度もあったのです。施設側も入居を待っている他の方がたくさんいて、患者さんが入院している4、5日の間に別の方が入所されるんですね。そうすると入院している患者さんは行き先がなかなか見つからず、治療が終わっているのに病院に2、3週間、またはそれ以上入院していなければならないといった状況を何度も目にしていて、これはどうにかならないのかと日々疑問に思っていたのです。
医師としての葛藤から決断した訪問診療への道
元気になっても帰る先がないという状況に、医師として葛藤されていたわけですね。

はい。施設に帰れないなら自宅に帰してあげればいいのでは、と思いがちですが、自宅へ帰っても「在宅医療で往診してくれる医師がいない」という声もあったんです。開業する1、2年前からこういった状況に対し、医師として葛藤を感じていました。そして、「こうなったら自分が在宅医療の患者さんを往診する医師になるしかない」と考えたのが開業のきっかけです。退院できるようになったのに、自宅に帰っても診る医師がいないから帰れない、という患者さんのために、自分が受け皿になろうと考えたのです。
開業されてからはどのような日々ですか?
開業のきっかけにもなった訪問診療ですが、現在はお近くにお住まいの方から遠方は尼崎市の方まで月に15~16件往診しています。近くに往診してくれる医師がいないからと紹介で訪問診療をさせてもらう患者さんも中にはいらっしゃいます。一般の診療では高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の中高年の患者さんが多いですね。初診の場合は、会社などの健康診断でひっかかって再検査に来られる場合も多いです。また、外科では肛門外科を得意としていますので痔の症状で受診される方が多いですね。痔というと特に女性の場合は恥ずかしくて受診しにくいこともあるかもしれませんが、ご本人に確認を取ってから診るようにしていますのでご安心ください。受診される患者さんの多くは手術の必要のない痔と考えられます。大半は薬で治療できますので、まずは気軽に受診してください。
こちらのクリニックならではの強みはありますか?

さたけ内科クリニックとありますが、たいがいどんなことでも診ます。いわゆる”病院の何でも屋さん”ですね。私の役割は患者さんを適切な医療機関に送り届ける「仕分け屋」だと思っています。診ることのできる範囲のことは当院で治療し、必要であれば専門の適切な医療機関に紹介します。だから、「こんな症状だから相談するのは間違っているのかな?こんなことで質問したら失礼かな?」などと患者さんは遠慮せずに、気になることがあれば気軽に相談してくれればうれしいですね。風邪、やけど、かぶれ、アレルギー、胸の痛み、お尻の痛みなどなんでもOKです(笑)。クリニックに行くことにためらいを感じずに、気軽に患者さんが受診できる環境づくりができたら良いなと思います。
“コンビニ感覚”で利用できる気軽なクリニックを
先生の趣味や休日の過ごし方を教えていただけますか。

趣味は野球観戦です。某大阪と神戸に本拠地がある球団の大ファンで、ファンクラブにも入っています。小学生の頃から応援しているのでファン歴は30年以上ですね。本当は球場まで観戦に行きたいのですが、仕事が忙しく最近はもっぱら中継を観戦していますね。球場まで観戦に行くときも普段は割と静かに見ているのですが、逆転勝ちしそうなときの逆転打を打つ前の打席では思わず叫んでしまいますね(笑)。あとは、子どもが13歳から3歳まで4人いるので、休日は家族サービスをしています。子どもと公園で遊んだり、果物狩りに行ったりします。でも最近小学5年生の長女は私が自宅に帰ると隠れるので、父親としてはちょっと寂しいですね。
先生がご自身の健康のために気をつけていることはありますか。
私はお酒が好きなのですが、体のために決めた時しか飲まないことを心がけています。現在月に何度か土日も救急病院で当直をしているので、お酒を飲むのは仕事が休みの土日と平日1日くらいですね。多くても月8回未満です。私自身血圧はどちらかというと低めなので減塩はそこまで意識はしていませんが、これからはお米などの糖質を少し減らさないとな、と思っています。私の次の目標は糖質制限ですね。
今後どのような医療を続けていこうとお考えですか。

とにかくたくさんの患者さんを幅広く診ていきたいと思います。患者さんが”コンビニ感覚”で気軽に受診してもらえる環境づくりをしていきたいですね。この科で合っているのかな?と自信がなくても気軽にまずは来てください。訪問診療も今後も積極的に行っていきますので、往診のついでに家族の健康で気になることでも相談してくださってOKです。今後も地域に根差したかかりつけ医として患者さんのお役に立てるように身近な医師でありたいなと思います。医師を遠い存在だと思わずに困ったことがあればちょっとしたことでも気軽に相談してください。