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咲山 仁美 院長の独自取材記事

咲山眼科

(堺市東区/白鷺駅)

最終更新日:2024/11/15

咲山仁美院長 咲山眼科 main

南海高野線白鷺駅西口から徒歩1分。駅前ロータリー沿いの商店街の一角に「咲山眼科」がある。クラシカルなたたずまいの同院は、1967年に開業。50年以上にわたって地域密着型のクリニックとして親しまれており、現在は2代目院長の咲山仁美先生が診療を担っている。「当院のコンセプトは、地域に根差した通いやすい眼科。目の病気を早期に見つけて治療するために、お困り事があれば気軽に相談していただけるとうれしいです」と話す咲山先生。その表情はとても柔和で、謙虚にひたむきに地域医療と向き合っている様子が伝わってくる。同院の歴史や診療ポリシー、患者に伝えたいことについて、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2021年3月22日/情報更新日2024年11月8日)

義父から受け継いだ地域医療への志

こちらのクリニックの歴史について教えてください。

咲山仁美院長 咲山眼科1

当院は私の義理の父が1967年に開業しました。このエリアには古くからの住宅街があるので、開業当初は近隣に住むお子さんをはじめファミリー層が多く来院されていたようです。今はその方が高齢になり、その下の世代の患者さんが家族ぐるみで通ってくださっています。私は2006年から当院で義父とともに診療を行うようになり2014年に院長を承継しました。私の夫も眼科の医師なので、一般的には息子である夫が継ぐのが自然なのかもしれませんが、私がここを手伝うようになった縁で、承継させてもらうことになったんです。私に託してくださった義父には感謝の気持ちでいっぱいですし、今までと同じように地域の方々を大切にして診療を続けていかなければと思っています。

お義父さまの診療を見てこられて、共感されるところがあったんですね。

はい。以前は基幹病院で勤務していたので、地域のクリニックで診療するのはここが初めてだったのですが、患者さんに対するアプローチの仕方が全然違うなと感じました。病院は患者さんの人数が多く、どうしても時間に追われてしまいがちですが、当院のような小さなクリニックだと、ちょっとしたお困り事で来院される方にもじっくりと向き合うことができます。義父に「大丈夫ですよ」と声をかけてもらって、悩み事が飛んだように晴れやかな顔をして帰って行かれる患者さんの様子を見て、開業医には開業医にしかできない役割があるのだと学びました。義父は本当に真面目な人で、患者さんお一人お一人に真摯に向き合ってきたので、私もその姿勢を継がなければと考えています。もう18年近くここで診療させていただいているので、当初よりも患者さんとの距離が近くなったように感じていてうれしく思っています。

クリニックの特徴について教えてください。

咲山仁美院長 咲山眼科2

高齢の患者さんが多いので白内障や緑内障などを中心に診ていますが、ドライアイやコンタクトレンズの処方、結膜炎、異物の混入による傷など、眼科の分野なら何でも対応しています。緑内障などの症状を初期の段階でも発見しやすい視野検査機器や、網膜の構造を見るためのOCT検査用機器など、各種検査機器もそろえています。画像を撮って調べることで素早く疾患を見つけることができますし、より精密な検査・治療が必要な場合は近隣の大阪労災病院や堺市総合医療センター、近畿大学病院などへ速やかに紹介することが可能です。今後も随時設備を見直し、時代に合わせて変えるべき部分は変えて、より広く患者さんのニーズに応えていきたいと考えています。

わかりやすい言葉で患者とコミュニケーションを図る

先生が医師をめざされたきっかけと、眼科を選んだ理由は何だったのですか?

咲山仁美院長 咲山眼科3

私の実父も医師だったので、自然な流れで医学部に進学したのですが、当初から「絶対に医師になりたい」と強く憧れていたわけではなかったんです。ですが、過去に家族が目の病気になったことがあったので目の病気に対する関心は高く、医師をめざすならそのような病気の人を助けられる眼科に行こうと思い、眼科を専門的に学びました。卒業後は4年間大学に在籍した後、地域の基幹病院に勤務しました。糖尿病の患者さんが多数入院されている病院だったので、糖尿病の合併症である網膜症の治療などに多く携わりました。またその頃、白内障の手術もたくさん経験したことが、今の診療においても役に立っていると思います。

診療の際に大切にしていることは何ですか?

患者さんに対してわかりやすく説明することです。医療は専門用語が多いので、かみ砕いて説明しているつもりでも思っている以上に難しい話になってしまいがちです。私自身も患者として他科を受診するときは、話についていけず戸惑うこともあります。医療関係者にとっては毎日やっている当たり前の治療ですが、患者さんにとっては初めての経験かもしれません。そのことを常に念頭に置いて、相手の立場で考えることが大事だと思っています。スタッフに対しても、「患者さんが一番ですよ」とよく話しています。高齢の患者さんが多いので、体が不自由な方にはこちらから手を差し出すことが大切ですし、そうした少しの目配り、気配りが安心につながると思うのです。患者さんの中には、私たちが何かするとすぐに「ありがとう」と言ってくださる方もいるので、それで逆に私たちのほうが癒やされることもありますね。そういう人同士のつながりは大事にしていきたいです。

長年眼科の医師として診療されてきて、思うことはありますか?

咲山仁美院長 咲山眼科4

一番お伝えしたいのは、病気を早く見つけるために、気になることがあればすぐに受診してほしいということです。例えば緑内障は、40代以上の20人に1人の割合で発症するともいわれています。ですが、自覚症状がほぼありませんので、眼科で詳しく検査しないと発見が遅れることもままあります。ちょうどご家族のお世話などでお忙しい年代かと思いますが、皆さまにはぜひ、40代に入ったら定期的に眼科検診を受けることをお勧めします。そのためにも、当院は「地域に根差した通いやすい眼科」でありたいと願っています。

出会った患者に恥じないような医師でありたい

これまでの患者さんの中で、忘れられない人はいますか?

咲山仁美院長 咲山眼科5

研修医時代のことですが、生後2ヵ月の時に「網膜芽細胞腫」という目のがんと診断された女の子がいました。その子が4歳になるまで、指導医とともにできる限りの手を尽くしましたが、その子は両目とも眼球を摘出せざるを得なくなりました。それから職場を変わって疎遠になってしまいましたが、その子のことはずっと気がかりで。すると十数年後、高校3年生になった彼女が、全国盲学校の弁論大会で優勝したとの知らせを耳にしたのです。そのテーマは「世界に一つの宝物」。同じ病気で亡くなった友人のことを思い、今ある命への感謝を伝える内容でした。つらい治療に泣いていた女の子が、挑戦を諦めない強い女性に成長していたことを知って私も涙が止まりませんでした。彼女から日々患者さんと向き合おうという力をもらいましたし、これからも彼女に恥じないような医師でありたいと決意しています。

お忙しい毎日かと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?

これまでは筋トレや週に一度の外食が日常の楽しみだったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響でそれも難しくなってしまいましたね。今は、休みの日に1週間分の食材を買いに行って下準備などをするのが習慣になっています。気分が落ち込んでいるときは、ヨガが一番です。ゆっくりと呼吸をすることで体がすっきりしますし、気分的にもリフレッシュできるのでお勧めですよ。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

咲山仁美院長 咲山眼科6

ご高齢の患者さんに「毎回靴を脱ぐのが大変」と相談されたこともあり、靴を脱がずに入っていただけるように院内をリフォームし、バリアフリー化しました。今後も、誰もが利用しやすい院内環境を整えていきたいと考えています。診療に関しては、日々、お一人お一人の患者さんと向き合って、病気を早く見つけてその人に合った治療を提供する。それに尽きます。ご高齢の方にも継続して来ていただきたいですが、若い世代の方々も、スマホでドライアイになる人が増えているのでぜひご相談いただければと思います。中には深刻な病気が隠れていることもありますから、ちょっとした症状だからと自己判断せず、気軽に受診していただけるとうれしいです。

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