瓦谷 英人 院長の独自取材記事
瓦谷クリニック
(堺市北区/新金岡駅)
最終更新日:2024/06/11

堺市北区南花田町に、1949年に開院した「瓦谷クリニック」。ここは、75年以上にわたり、近隣住民の健康を支え続けてきた歴史あるクリニックだ。院長を務めるのは、3代目である瓦谷英人先生。奈良県立医科大学附属病院に在籍していた経験を持ち、消化器疾患の診療や内視鏡検査を研鑽したほか、研究や指導にも力を注いできた。現在は、内科・消化器内科・循環器内科の診療に加え、胃・大腸の内視鏡検査に尽力し、一般内科の疾患から生活習慣病、消化器疾患、甲状腺疾患などに対して専門的な医療を幅広く提供している。病気の早期発見・早期治療を重視し「困り事があれば、なんでも相談してほしい」と穏やかに話す院長に、クリニックの特徴や診療への思いについて聞いた。
(取材日2024年5月21日)
早期発見・早期治療のきっかけづくりを
こちらのクリニックは長い間、この地域で医療を提供されていますね。

ここは、私の祖父が1949年に開院しました。その後1998年に父が引き継ぎ、今年4月から、私が3代目として院長を務めています。父は一般内科をはじめ循環器疾患や生活習慣病などを中心に地域の方々を診療し続け、現在は通院が困難になった患者さんへの訪問診療を行っています。クリニックには以前から通ってくださっているご高齢の方はもちろん、風邪をひかれた際などは、近隣にお住いの若い世代の方にも来ていただいています。
医師を志されてから、クリニックの院長に就任されるまでのご経歴を教えてください。
医師という職業が身近だったこともありますが、毎日一生懸命仕事に取り組む父を尊敬し、憧れていたので、私も同じ道を志しました。奈良県立医科大学を卒業後はその付属病院の消化器内科で研修を行い、市中病院で一般内科を学ばせてもらった後、大学病院に戻って主に消化器疾患の研究や教育に携わってきました。その中でも専門としていたのが、肝臓の病気です。腹水や肝性脳症、静脈瘤など、肝硬変に伴う合併症について力を注いできました。静脈瘤は主に内視鏡治療が行われることもあり、大学病院での後半は多くの内視鏡検査を担当。潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患など大腸を中心とする難病の診療にもあたっていました。大学病院に残ることも考えていましたが、父も80歳を迎えたので、家族が長く守ってきたこのクリニックを手伝おうという思いで、引き継ぎました。
これまでのご経験から、治療において重視されていることはありますか?

病気の早期発見、早期治療を重視しています。大学病院では、他院から紹介された症状の重篤な方を中心に診療してきましたが、病気が進行してしまっているので、治療の恩恵をうまく得られない方もいらっしゃいます。もっと早くに受診されていれば、そして検診を受けられていたら、こんなことにならずに済んだのにと感じたことは数えきれないほどありました。何かしら症状を感じ取っても、すぐには受診をしない方が多いですよね。些細な症状でも受診して、検査をしていただければ、早い段階で病気の発見につながるケースもありますし、瓦谷クリニックが、地域の患者さんにとって最初の窓口でありたいと思っています。まずは受診や検査をしに来ていただくきっかけをつくるため、今後は啓発活動も積極的に行っていきたいです。
できるだけ苦痛の少ない内視鏡検査を実施
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

内科、消化器内科、循環器内科を標榜し、内科疾患の診療を幅広く行っています。高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、アレルギー疾患、皮膚疾患などにも対応しています。何か気になる症状がある際や、「何科を受診したら良いかわからない」とお悩みの際は、気兼ねなくご相談ください。消化器内科は、まさに私の専門。中でも、ピロリ菌の除菌や慢性便秘症、炎症性腸疾患の治療を得意としています。また、B型・C型肝炎の他に、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎などの指定難病も対応可能です。お仕事を休んで大きい病院に行かずとも、仕事帰りや土曜日に来ていただくこともできますので、ご相談いただければと思います。また、胃・大腸内視鏡検査を行っています。私が院長に就任するにあたり、新鋭の内視鏡設備や専用の内視鏡室、点滴室、トイレなどを設置し、快適に検査を受けていただけるよう環境を整えました。
内視鏡検査のこだわりを教えてください。
できるだけ苦痛が少なく、楽に受けられるように配慮した検査を提供しています。内視鏡検査に、怖いというイメージや抵抗感を与えず、ハードルの低さを感じていただきたいからです。例えば胃内視鏡検査は、嘔吐反射を軽減するため細径内視鏡という通常よりも細いスコープを採用。舌の根元に触れにくいため嘔吐反射を引き起こしにくく、楽に検査が受けられると考えています。また、経鼻内視鏡という鼻から挿入する検査も行い、嘔吐反射を起こしやすい方にはお勧めしています。ご希望に応じて、眠ったまま検査を行えるよう静脈麻酔を用いた検査も可能です。大腸内視鏡検査については、前処置の下剤に飲みやすい味を採用したり、飲水量が多いと感じられる場合には2日に分けて飲む方法を採用したりしています。こちらもご希望に応じて静脈麻酔を用いることも可能です。以前内視鏡検査を受けてつらかった方も、ぜひお越しいただきたいです。
内視鏡以外の検査設備についても教えていただけますか?

心電図検査や血管の詰まり具合を測定するABI検査、血管の硬さを測定するCAVI検査が可能です。また、動脈硬化や脳梗塞のリスクを診るための動脈・乳房・甲状腺・下肢・心臓の超音波検査なども予約制で行っています。その他、各種血液検査が当日測定可能です。体の炎症の度合いを調べるためのCRP測定や、血球について調べる末梢血液検査、糖尿病の検査である血糖値・ヘモグロビンの測定は5分程度で数値がわかるので、待ち時間に受けていただくこともできます。最近は中性脂肪やコレステロールの数値を測定し、15分程度で結果が出る機器も導入しました。生活習慣病の改善に向けて食事や運動療法を頑張った結果を当日に知ることができるので、治療のモチベーションの向上にもつながるのではないかと思います。
「何かあれば瓦谷クリニックへ」と思われる存在に
患者さんと接する上で、どのようなことを心がけていますか?

自分が診てもらう時に「こうだったらいいな」と思う対応を、患者さんにもしています。当然のことですが、まずはあいさつから始まり、患者さんの訴えをよく伺い、丁寧に診療を行います。そしてわかりやすい説明を心がけて、安心して受診していただけるよう努めています。予約制ではないので、初めていらっしゃる方も随時診療し、検査を受けつけています。当日のウェブ受付も取り入れていますので、ウェブ受付より予約番号をお取りいただき、順番になったらお越しいただくことも可能です。院内での待ち時間をできるだけ減らすなど、今後も患者さんがより受診しやすい環境を整えていきたいです。
ちなみに、お忙しい毎日かと思いますが、何か趣味はありますか?
学生時代はハンドボールをやっていましたので、今でも好きです。あとは、ロードバイクに乗ることも趣味ですかね。頭を使うよりは、体を動かすことが好きなんですよ。どちらも、最近はなかなかタイミングがなくできていないので、いずれ時間を取って、リフレッシュしたいと思います。
最後に今後のご展望と、読者にメッセージをいただけますでしょうか。

地域の方々にとって、「何かあれば、とりあえず瓦谷クリニックにかかればなんとかしてくれる」と思っていただける存在になりたいです。大学病院で広く病気のことを研究し、臨床を行ってきましたので、さまざまな症状に対応できると思います。専門的で高度な医療が必要な場合は、それに応じた医療機関へご紹介し、適切な治療を受けていただけるようお手伝いします。お困り事があれば、なんでもご相談くださいね。