尾花 俊作 院長、伊藤 誠二 先生の独自取材記事
尾花医院
(堺市堺区/堺東駅)
最終更新日:2026/03/18
南海高野線・堺東駅から徒歩10分、閑静な住宅街に位置する「尾花医院」。1948年、初代院長が浅香山駅近くに開業して以来、40年間にわたり診察を続けてきた旧院から、2026年1月に現在地に移転するかたちで新たにスタートを切った。同院を取り仕切るのは、皮膚科医として40年以上のキャリアを持つ尾花俊作院長と、内科医の伊藤誠二医師。皮膚科のベテラン医師である尾花院長は、移転前から引き続き皮膚科の疾患を診療。新たに加わった伊藤医師は、これまで複数の病院で積み上げてきた豊富な経験を生かして内科の診療にあたっている。長年プライベートでも親密で、新天地でも絶妙なコンビネーションで地域の医療を支えている2人に話を聞いた。
(取材日2020年7月29日/再取材日2026年2月18日)
移転し、新天地で地域医療を展開
尾花先生が40年近く診療を続けてこられた以前の場所から、今の場所に移転された経緯を教えてください。

【尾花院長】移転前の医院は南海高野線・浅香山駅そばにありました。1948年に私の父がそこで開業し、私が引き継いでからは皮膚科の医院として40年間診療を続けてきました。このたび南海電鉄が工事を行う関係で移転することになったんです。父の代から医院の2階で暮らしていたので思い入れのある場所だったのですが、新たな体制を整えるには良いタイミングだと思いました。
【伊藤医師】医院を移転して新たな場所で診療を行うためには、前の医院の場所から半径2km以内の場所で開業しなくてはならない、という規定があり、その範囲内で見つけたのがこちらの場所になります。院内は移転後バリアフリー化し、車いすの患者さんも受診しやすくなりました。当院の入っている建物の1階にはドラッグストアがあり、共用の駐車場も10台分ほど使えます。
新天地である北三国ヶ丘町の印象はいかがですか?
【尾花院長】移転前から来てくださる患者さんもおられますが、こちらでは患者さんの年齢層がかなり若いように感じますね。
【伊藤医師】平均で10歳程度は若いかもしれません。小さなお子さん連れで受診されるお母さんの姿も多いですね。
移転後、大きく変わったことはありますか?

【伊藤医師】新たにウェブ予約ができるようになりました。基本的に当院は予約なしで対応可能なのですが、ウェブ予約システムを導入したことで患者さんの利便性が向上したと思います。
【尾花院長】予約システムのおかげで診療がスムーズになり、診療の回転が速くなりましたね。また、以前は薬を院内処方していたのですが、移転後は院外処方に。患者さんは近隣のさまざまな薬局で薬を受け取れるので、お待たせすることもなくなりましたね。当院も院内に薬の在庫を抱える必要がなくなったのでメリットがあります。
医師2人による絶妙なコンビネーション
お二人のご専門と、診療における役割分担について教えてください。

【尾花院長】私は移転前の場所で40年以上、皮膚科の診療に携わってきました。ここでも皮膚科の疾患で訪れる患者さんを診察していきます。内科医の伊藤先生が合流してくれたおかげで、地域のかかりつけ医として幅広い診療ができるクリニックになりました。
【伊藤先生】私はこちらに来るまでは、総合病院などで合計して12年間、内科医としての経験を積んできました。腎臓や透析に専門性を持っています。一般的な発熱や腹痛、生活習慣病や慢性疾患などに幅広く対応していきたいと思います。検診や予防接種なども対応できるようになったので、今後は予防医療にも力を入れていきたいですね。
パートナーとして、お互いのことをどんな医師だと感じていますか?
【尾花院長】伊藤先生は放射線科医である私の娘の夫でして、とても頼りにしています(笑)。医師としての能力はもちろん、事務面でもたいへん処理能力が高い。医院の移転に伴うさまざまな事務処理も非常にテキパキとこなしてもらって、そのおかげで滞りなく再スタートを切れましたね。
【伊藤先生】尾花先生とは、妻と結婚する以前から交流が深かったのですが、尾花先生は本当に昔ながらの町医者というタイプですね。専門は皮膚科ですが、患者さんの訴えがあれば自分の専門外であっても必ずしっかりと話を聞き、自分でできることがあればする。そんな頼りになる、本当の「かかりつけ医」です。そうした患者さんへの姿勢は、私自身も大切にしていきたいと思います。
新しく生まれ変わったクリニックの強みを教えてください。

【伊藤先生】ハード面では採血・検尿のための設備や、エックス線検査・CT検査・エコー検査・心電図検査などの検査用の設備が拡充されました。これらを院内に有していることで、検査に訪れた患者さんはその日のうちに結果を受け取ることができます。患者さんの手間が省け、時間面でのメリットがあることはもちろん、治療者である私たちも検査結果に基づいてタイムラグなく治療を進められるのは大きなメリットです。また人員面では、経験豊富な看護師が2人、当院のメンバーに加わりました。創傷の処置や爪切りなどの処置が可能になったことに加え、当院の医療に「看護師の視点」が加わることは重要です。われわれ医師は疾患に注目した診察をしますが、経験ある看護師は患者さんの家庭や生活事情についての観察力や洞察力を持っています。患者さんの社会背景も含めてケアし、地域のケアマネジャーなどと連携を図っていきたいと考えています。
変えてはいけないもの、変わるべきもの
「地域のかかりつけ医」として患者さんと接するときに、大切にしていることはありますか?

【尾花院長】古い考えかもしれませんが、医師は患者さんに細かく説明・指導するよりも、患者さんに何かを「気づかせる」ことが大切だと思っています。例えば、処方した薬を日常的にきちんと継続してもらわないといけない場合「どうすれば続けられるか」を患者さんにアドバイスするより、患者さんご自身が工夫して考えられるように促す……そんな接し方が大切だと思っています。
【伊藤先生】この地域における病院のニーズなども踏まえながら、常に「今、困っている人」の受け皿でありたいと考えています。私や尾花先生、そしてスタッフ全員が、自分が患者として問題を抱えて訪れたときに「こうしてほしい」と思うような対応を心がけています。
診察にあたり、いつも注意されているポイントは何でしょうか?
【尾花院長】ご高齢の患者さんの場合は、聴力が弱くなっている方や認知症を患っている方もおられます。若い方でもうつ病など精神疾患を患っておられると、こちらの説明に対する認識能力が低下していることもあります。一人ひとりをよく観察して、適切に対応できるように心がけています。
【伊藤先生】医療用語で「ドアノブクエスチョン」という言葉があります。診察終了後、部屋を出ていく際に患者さんが「あ、そういえば……」と一言、本音を漏らしていくというものです。つまり患者さんは、医師に対してなかなか本音を切り出せないものなんです。患者さんが本当に心配していることや気にかけていることを、できるだけ診察で引き出していかなければなりません。「本音」を切り出しやすい空気をつくってお困り事を拾っていくためにどうすれば良いか、常に考えながら診察にあたっています。
最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

【伊藤先生】まず当院が地域の皆さんの間に溶け込んでいくことが大切だと思っているので、何か体に困ったことがあればあれば、取りあえず一度訪れてください。そうして少しずつ、地域の人々との信頼関係を築き上げていきたいと考えています。
【尾花院長】今年75歳になりますが、まだまだ現役です(笑)。私が引退した後の皮膚科の後継者をどうするかなど、考えなければならないこともあります。ただ、これまでもこれからも、変わらない気持ちで地域の皆さんに寄り添った医療を続けていきたいと思います。

