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小畠 昭重 院長の独自取材記事

小畠クリニック

(大阪市中央区/心斎橋駅)

最終更新日:2025/12/09

小畠昭重院長 小畠クリニック main

心斎橋駅から徒歩5分。「小畠クリニック」は観光客も多いにぎやかな商店街の中にある。開院は1976年。2代目の小畠昭重院長は1996年、父の他界を機にクリニックを引き継いだ。同院はビルの3階にあり、エレベーターを降りるとすぐ目の前に受付と待合室。明るい女性スタッフが笑顔で迎えてくれ、診察室からは小畠院長の朗らかな声が響く。小畠院長は大学病院で内視鏡の技術を学び、内視鏡を使った胃や大腸の検査、病変部の切除などを数多く手がけてきた。現在は地域医療に注力し、特にニーズの高まる訪問診療に積極的に対応。小畠院長が会長を務める大阪市中央区南医師会や行政とも連携を図りながら地域のために奔走する。常に笑顔で患者と接する小畠院長に話を聞いた。

(取材日2025年9月30日)

亡き父の後を継ぎ開業医の道に

心斎橋の繁華街の中にあるクリニックです。どんな患者さんが来院していますか?

小畠昭重院長 小畠クリニック1

場所柄、近くの飲食店や商店などの経営者や従業員、会社員などが多いですね。もちろん、地域に住んでいる方もいらっしゃいます。私が上部消化管の内視鏡検査を行っていることもあって、やはり胃など消化器の不調を訴える患者さんが多いでしょうか。最近は内視鏡の専門のクリニックも増えてきたので、こちらでは内科症状や高血圧症、糖尿病など生活習慣病の相談がメインですね。

クリニックを開業されたのはお父さまだとか。

父も内科の医師で、1976年にこのクリニックを開業しました。私が高校生の頃です。そんな父の姿を見ていて、私もいつしか同じ道を歩んでいました。当時はオイルショック不況で就職が大変な時代でしたから、家業を継いだほうがいいという考えもありました。スキーを楽しみたくて進学先は北海道大学医学部を選択。卒業後は、大阪公立大学医学部附属病院に入局しました。いずれは父のクリニックを継がなければならないと思っていたのですが、実際に継ぐきっかけとなったのは父の死です。父は闘病の末1996年8月に亡くなりました。父は病気が進行しているとわかった後も診察を続け、入院したのは亡くなる3ヵ月前。私も父が入院する前から準備を進めていたので、入院中の7月に正式に医院を引き継ぎました。

お父さまの代から通われている患者さんもいらっしゃるのでしょうか?

小畠昭重院長 小畠クリニック2

長い方は父が開業した頃からカルテが残っていますし、おじいちゃんからお孫さんまで3代、4代と診せていただいているご家族もおられます。クリニックを引き継いだ頃は、父を信頼して通院されていた患者さんを、引き続きしっかり診ていかなければと懸命でした。当時はC型肝炎の患者さんが何十人もいて、毎日のように病気の進行を抑えるための点滴を受けに来られる患者さんが多くいました。その後、病気の原因となるウイルスを排除するのに役立つ薬ができて肝炎の治療法は大きく変わり、感染対策も進んだため、今では肝炎の患者も減りました。

高まるニーズに応え、訪問診療に注力

半世紀もの間、2代にわたって地域を診てこられたのですね。

小畠昭重院長 小畠クリニック3

父が20年、引き継いで30年……すっかり私のほうが長くなりましたね。この間、医療制度が大きく変わりましたし、クリニック近隣の高齢化もどんどん進んできています。長いお付き合いになっている分、何かあれば気兼ねなく来てもらえる雰囲気づくりと、しっかり理解して治療を受けていただくための丁寧な説明を心がけてきました。関西人はせっかちな印象ですが、自分の体に関することはよっぽど時間がないときでなければ、ゆっくりお話を聞いてくれる方が多いです。来院した患者さんの中には、家族の心配事や「ちょっと相談に乗って」とプライベートの話をされる方もいらっしゃって、長年築いてきた関係性を今後も大切にしたいと考えています。

現在は地域医療に注力されているとお聞きしました。

そうですね、休日診療所の執務を担当したり、学校医や警察医として出向いたりと地域密着の活動を中心にしています。中でも特に、訪問診療のニーズは高まっていて、私が会長を務める大阪市中央区南医師会が運営する「在宅医療・介護連携相談支援室」には、「かかりつけ医がいない。在宅で診てくれる医師を探してほしい」という相談が多く寄せられています。行政や介護職の方とも連携しながら、依頼があれば動けるようにしています。新型コロナウイルスの流行が始まってから訪問診療の要望は多く、例えば「自身は新型コロナウイルスにかかっている。子どもが発熱しているけど病院に行けない」「新型コロナウイルスと診断されたが、動けないので点滴だけ来てほしい」と市外からも連絡がよくありました。

訪問診療では、どんなことに気をつけていらっしゃいますか?

小畠昭重院長 小畠クリニック4

普通に通院するのとは違い、訪問診療はどうしても患者さんやそのご家族の金銭的な負担が大きくなります。家庭の事情や状況、患者さんの容体などに合わせて、診療方針を考えるよう心がけています。高齢化が進む中で、病気の高齢者をすべて大きな病院で抱えるわけにはいきません。自宅でも療養できるようサポートすること、最期まで寄り添うことが地域のクリニックの役目だと思います。土地柄、車は不便なので、私の移動手段は自転車です。酷暑の中も、走り回っていますよ(笑)。玉造、森ノ宮、日本橋、西長堀、桜川あたりを訪問範囲としているので、私が対応できない場合は医師会を通して医療機関とつなぐことも可能です。

頼もしいスタッフとともに地域のために

内視鏡検査も引き続き受けつけていらっしゃいますか?

小畠昭重院長 小畠クリニック5

はい、検査機器は5年ごとにできるだけ更新していて、近々新しいものになる予定です。内視鏡に興味を持ったのは医学部生の頃。当時は研究者などが競うように機器の改良を行っていた時期だったので、どんどん性能が向上していくことにも魅力を感じました。大学病院では多くの症例を経験することができ、内視鏡を学ぶ環境に恵まれていました。現在使用している機器は、特殊な光を当てて粘膜の表面や毛細血管などを強調した画像が得られるもの。早期がんの発見がしやすいので、定期的な検査の必要性は引き続き伝えていかなければいけないと考えています。

スタッフの対応が親切で、明るい雰囲気ですね。

看護師の一人は私の妻で、子育てが一段落した十数年前からここで働いてくれています。私から厳しく言うことはなく、やるべきことをしっかりとわかっている頼もしいスタッフばかり。患者さんが話していたことを教えてくれたり、検査で緊張している患者さんにリラックスできるよう声をかけたりと、スタッフのサポートがあってこそ日々の診療が成り立っています。親切で明るい対応が、長く通われている方の安心感にもつながっているのではないでしょうか。

最後に、今後の展望を教えてください。

小畠昭重院長 小畠クリニック6

地域のことを考えれば、ニーズが増える訪問診療は今後さらに注力していかなければならないでしょう。行政と協力して、より密な連携を図っていくつもりです。また、私の年齢から、そろそろ代替わりについても検討する時期。医療制度や経済的な課題もありますが、患者さんのためを思えばこの地でクリニックを継続していかなければいけません。次の世代へのバトンタッチをうまくできるよう、考えていきたいですね。

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