生理痛や月経不順の改善を図る
低用量ピルと上手に付き合う方法
荻野レディースクリニック
(大阪市北区/北新地駅)
最終更新日:2024/10/31


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下腹をぎゅうっとつかまれるような痛みや、排便のたびに突き上げられるような痛み。生理痛のある人は多いが、他人と比較もできず、「月一回の我慢だから」とやり過ごしていないだろうか。避妊薬としてのイメージや、血栓ができるかもしれない、という怖さが先に立ち、なかなか一歩を踏み出しにくい低用量ピルだが「自分に合ったものが選べるし、女性にとってはいい事ずくめ」と推奨してくれる「荻野レディースクリニック」の荻野舞副院長。月経不順、無月経の治療に用いられる低用量ピルについて、そもそもどのような薬なのか、服用するメリットから気をつける点、インターネット購入の落とし穴まで、丁寧に教えてもらった。
(取材日2024年5月8日)
目次
受診しなくても低用量ピルを購入できる時代こそ、 かかりつけの婦人科を持ち、定説に、賢く使ってほしい
- Q低用量ピルとはどんなお薬で、どのような働きをするのですか?
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A
▲ピルについて教えてくれる荻野舞副院長
エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを、少ない量で含有するお薬です。服用すると体内で生成されるホルモンの量が抑えられることが期待でき、生理痛などの女性特有のつらい症状をコントロールしていくことが望めます。経血の量が減れば、「生理が軽くなった」と感じる人も多いでしょう。また、子宮内膜症の痛みの改善や、排卵が止まるという見込まれる作用に着目した人は避妊薬としても使用します。女性特有のホルモンの波がフラットになれば、体はもちろん精神面でも楽になったと感じる人は多いと思います。
- Q低用量ピルを服用するメリットは何ですか?
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A
▲個室で安心して相談可能
まずは生理痛の緩和を図る場合に用いられます。痛みの緩和だけでなく、経血量を少なくすることや日数の短縮なども期待できます。生理の量が多いかどうかわからないという方は多いですが、夜用ナプキンを普段使いしているのは異常な状態といえます。月経周期を調整する作用も見込めるので、月経不順や無月経の治療薬としても使われますし、将来、妊娠を考えている人にも有用です。
- Q副作用が怖いです。体に合わない人もいるのでしょうか。
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A
▲自分に合ったピルを服用できる
皆さんが怖がるのは血栓症です。血栓は心筋梗塞や脳梗塞の原因となりますが、ピルを飲んでいない人のリスクが「1」だとすれば、飲んだ人のリスクは「1.2」程度。知っておいてほしいリスクですが、振り回される必要はないと思います。もし血栓ができるとすれば、飲み始めの3、4ヵ月に可能性が高く、足のふくらはぎに現れます。その場合は服用を中止すれば、溶けてなくなります。この他、吐き気やむくみ、肌荒れがひどくなるといった症状が見られた場合は、ピルの種類を変更することで様子を見ます。
- Q低用量ピルの服用にあたって、注意することはありますか?
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A
▲それぞれの薬について丁寧に教えてくれる
毎日、飲み忘れないようにしましょう。忘れてしまうと生理が来てしまって、そのピルのシートが意味を成さなくなってしまいます。飲む時間が多少ずれることに問題はありませんが、服用を忘れないためにも、「夜9時に飲む」と決めたらそれを習慣づけるのがコツです。海外旅行など、日本と時差のある場所へ出かける場合は、渡航先で飲みやすい時間をあらかじめ考えて、出発前から少しずつ時間をずらすなど、ご自身での調整をお勧めします。常用薬との飲み合わせの心配はほぼありませんが、もしも、全身麻酔を要する手術が必要になった場合は、血栓を回避するためにいったん服用を止める必要がありますので、入院先の医師に相談してください。
- Q最近はインターネットで購入する人も増えているそうですが。
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A
▲医療機関での処方を勧める荻野舞副院長
最近は患者さんから、聞いたことのないピルの名前を聞くことも多くなりましたが、海外製は内容量も違いますので、やはり日本人の体に合った国内メーカーのピルをクリニックで処方してもらったほうが良いでしょう。クリニックの処方であれば副作用の心配なども医師に相談できます。診療費はかかりますが、そこは安心料と考えてはどうでしょう。また、クリニック処方の場合は、半年に1度の採血と1年に1回のエコー検査、子宮がん検診が決められていて、病気の早期発見にもつながります。知らない間に肝機能が低下していたり、卵巣がんの発見が遅れたりといった不幸な事態から身を守るためにも、低用量ピルは医療機関で処方してもらいましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは緊急避妊ピル/2500円~