子どもも大人も注目したい
耳鼻咽喉科を受診するメリットは?
ゆか耳鼻咽喉科
(大阪市東住吉区/北田辺駅)
最終更新日:2024/07/18
- 保険診療
風邪の症状やアレルギー、聞こえの問題など、日常生活に常に直結する耳鼻咽喉科の診療。その守備範囲は多岐にわたり、今や内科や小児科と並んで普段からかかりつけにしておきたい診療科といえるだろう。こうした現状を踏まえ、幅広いアプローチを掲げて大阪市内に開院したのが「ゆか耳鼻咽喉科」。小児の中耳炎やアレルギー性鼻炎はもとより、耳鳴りやめまいから睡眠時無呼吸症候群、咳や喘息の外来に至るまで、高い専門性を生かした診療で地域の患者のニーズに応えている。子どもの風邪は耳鼻咽喉科か小児科か、大人の咳が続く場合はどうすれば良いかといった素朴な疑問を含め、耳鼻咽喉科を受診することのメリットを同院の春田友佳院長にじっくりと解説してもらった。
(取材日2024年7月4日)
目次
耳鼻咽喉科の幅広い活用方法を知り、適切に利用して早期改善につなげてほしい
- Q子どもに多い耳鼻咽喉科疾患には、どのようなものがありますか?
-
A
まず筆頭に挙げられるのは中耳炎です。原因は鼻・喉の細菌やウイルス感染によるものが中心で、熱があって小児科にかかったところ耳鼻咽喉科受診を勧められ、耳垢を取ってみると中耳炎が見つかったという事例が跡を絶ちません。長引くと慢性化して難聴などを引き起こす場合もありますから、早期のうちに鼻吸いや耳管通気などの処置を受けるようにしてください。次はアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)で、季節に関係なくずっと鼻水や鼻詰まりを起こしている場合は慢性的な疾患を疑ってみるべきでしょう。子どもの耳鼻咽喉科疾患は感染症と関連していることが多く、近年は特に溶連菌感染症や手足口病などの流行にも十分な注意が必要です。
- Q小児科と耳鼻咽喉科のどちらを受診すべきか、いつも迷います。
-
A
お子さんに風邪のような症状がある場合、つい悩んでしまうテーマですね。私にも2人の子どもがいて耳鼻咽喉科と小児科を行ったり来たりした記憶があります。その当時の経験から言えば、鼻水が多い場合は耳鼻咽喉科、そうでなければ小児科というのがシンプルな判断基準。例えば、鼻水はそれほどでもないけれど熱がある、ひどく咳をしているといった場合は小児科を受診するのが順当です。逆に鼻の症状が強い場合は耳鼻咽喉科を受診し、鼻吸いなどの処置と同時に耳も診てもらうと良いでしょう。子どもは7歳くらいまで、自分ではうまく鼻がかめません。鼻水を吸引してあげるだけでもいくらか楽になると思うので、なるべく早めに連れて来てください。
- Q成人の場合は、どのような疾患や症状での受診が多いですか?
-
A
大人の場合、耳鳴りや難聴、めまいといった厄介なトラブルが一般の方にもよく発症します。耳鳴りもひどくなるとノイローゼになって精神科の助けが必要になるケースもあるので注意が必要です。一方のめまいに関してもさまざまな原因があり、診断は決して容易ではありません。ご高齢の場合は脳梗塞の可能性もあるため、基礎疾患がある方は内科に、そうでない方は耳鼻咽喉科に相談すると良いでしょう。あと、難聴があるために人との会話に入れず、社会から孤立してしまう方が少なくありません。その方の人生にも関わる大きな問題ですから、当院でも難聴リハビリテーションを月2回実施し、補聴器の対応などを含めて診療に力を注いでいます。
- Q睡眠時無呼吸症候群の治療も耳鼻咽喉科で受けられるとか。
-
A
今は子どもにも睡眠時無呼吸症候群があり、原因は肥満やアレルギー性鼻炎、鼻の奥のアデノイドというリンパ節の腫れなどが考えられます。お子さんが毎晩いびきをかいているようであれば、折を見て耳鼻咽喉科を受診してください。成人の場合は精神科や呼吸器内科でも対応していますが、原因が鼻にある場合は耳鼻咽喉科にてスピーディーな治療導入が可能。また、鼻から喉まで詳しく観察することで、上気道の様子を細部まで評価できるのも耳鼻咽喉科ならではのメリットでしょう。今は提携業者がご自宅に出向いて検査機器を設置し、夜間の呼吸状態を調べる簡易検査も可能です。日中は仕事があって受診が難しいという方も、ぜひ一度ご相談ください。
- Q咳が続く場合、耳鼻咽喉科ではどんなアプローチが可能ですか?
-
A
咳や喘息は主として呼吸器内科やアレルギー科の領域ですが、耳鼻咽喉科の症状から発展するケースも多く、両者が連動して診療にあたるのが理想。それを当院でも重視し、呼吸器内科が専門の医師による咳・喘息の外来を週1回行っています。呼気中の酸素や窒素の量や肺活量などを計測する機器を用意し、胸部エックス線撮影によって肺炎なども入念に確認。適切な治療へとつなげていきます。鼻は治ったけれど、感染症の後の咳嗽(がいそう)や喘息などで咳が続くのはよくあること。呼吸器の外来を実施している耳鼻咽喉科クリニックは決して多くありませんが、同じ院内で最後までフォローできることは、患者さんにとって大きな安心材料となるでしょう。