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坂口 好秀 院長の独自取材記事

坂口医院

(大阪市住吉区/長居駅)

最終更新日:2025/06/11

坂口好秀院長 坂口医院 main

長居駅から徒歩2分、あびこ筋から1本入った所に「坂口医院」はある。1997年に開業以来、主に高血圧症や不整脈、狭心症などの循環器内科疾患を診療し続けてきた。院長の坂口好秀先生は、循環器系疾患の診療に熱い思いを持ち、常に新しい知識を取り入れるよう努力を続けている。講演会や研究会の企画や講師も務め、論文発表にも精力的に取り組むなど、まさに向上心の塊だ。患者のニーズに自らを合わせる診療スタイルからは、患者に対する温かな思いが感じられる。多忙な中スポーツジム通いやテニスでの健康維持を欠かさないというアクティブな坂口先生に、循環器内科の診療に対する思いや診療で大切にしていることについて話を聞いた。

(取材日2025年5月8日)

開院以来、循環器内科に特化し幅広い治療を提供

以前はこの場所でお父さまが開院されていたと伺いました。

坂口好秀院長 坂口医院1

父が産婦人科の有床診療所を約40年やっていました。その診療所で生まれたという患者さんもおられますよ。僕は循環器内科をやりたかったので、この場所を継ぐ際に、院内の小さなスペースだけを使って開業しました。大学時代は開業を考えていませんでしたが、実際に働き始め、さまざまな変化を経験し、開業を決意したのです。循環器内科という専門分野で開業するのは決して楽な道ではありませんでした。他の分野も診療すれば、患者さんは最初から多かったと思いますが、循環器に注力したかったので、循環器以外の疾患は信頼できる医療機関を紹介する形を貫いてきました。徐々に患者さんも増え、スタッフを増員したり、クリニックを大改装したりして今に至ります。現在は僕の他に、午前中の時間帯だと受付3〜4人、看護師2〜3人、臨床検査技師1〜2人で診療しています。

循環器の診療に強い思いがあるのですね。

循環器内科のスペシャリストになりたいと、循環器一筋でやってきました。循環器内科を選んだ理由は、心電図に興味があったのと治療手段が多いから。循環器は薬の種類が豊富なので、それぞれの患者さんの状態に合わせて適切に使い分けることが可能です。カテーテル治療などの治療が日進月歩で進化しており、患者さんのためにできることがたくさんある分野だと思います。また、僕が医師になった時代は、患者さんが末期のがんでも告知せず、希望を持たせたまま治療を続けた結果、信頼関係が崩れてしまうケースが少なくありませんでした。その点、循環器系はがんになる確率が少なく、患者さんと正面から向き合えると考えたのです。生まれ変わっても循環器内科の医師という道を選ぶに違いない、まさに天職だと確信しています。

循環器内科の医師になって良かったと実感したご経験などはありますか?

坂口好秀院長 坂口医院2

僕が担当していた患者さんがアメリカで心臓移植をするということで、向こうの病院とのやりとりや、患者さんの搬送に立ち会う機会がありました。アメリカでの移植手術は高額なので、募金をお願いする必要があります。募金活動をするために、大阪府庁にて主治医であった僕と、患者さんを救う会の会長、患者さんのご家族と3人でマスコミを前に記者会見もしました。それから関西空港までの移動や、飛行機の移動の手配もあります。人工心臓を稼働させた状態で搬送するために、東京から特別な救急車を2台呼んでもらいました。関西空港では、日本に数機しかない飛行機に前日から待機してもらい、シートを入れ替えたり必要な機材を積んだりして準備してもらいました。心臓移植手術のために、これだけ多くの人の支えが必要であるということを実感できた経験でした。

内科クリニックと病院の間に位置する存在をめざす

クリニックの診療理念を教えていただけますか?

坂口好秀院長 坂口医院3

地域のクリニックと循環器内科を専門とする病院の間の位置にあるクリニックでありたいと考えています。勤務医時代に「わざわざ病院で診てもらう必要はないだろう」と思った患者さんをたくさん診ました。一方で、循環器の疾患は、一般内科診療がメインのクリニックでは設備面など対応が難しい治療がとても多いのです。そこで「循環器に特化した診療所」という存在になりたいと考えました。病院の設備と医療体制が本当に必要な人だけ紹介する、ゲートキーパー的な役割を担うことはとても大切だと思っています。病院側は重症の患者さんの治療だけに集中できますし、動悸や息切れなどが何となく気になるならば、身近にある専門のクリニックのほうが相談しやすいのではないでしょうか。

患者さんの主訴や年齢層に関してはいかがですか?

循環器系のご相談が9割以上を占めています。内科で診療を受けていた方や、この辺りにお住まいの方からの紹介やクチコミなどで、和歌山や京都、奈良などから来院される方も少なくありません。動悸、息切れ、胸痛はもちろん、心房細動の症状を訴える方がとても多い印象があります。ご高齢の患者さんが目立つ一方で、会社や市の健康診断で心電図に異常が見つかり「要再検査」と診断された方も来院されています。若い人が来院される場合、何かしら気になる症状があっても通院が必要になるケースはそれほど多くありません。もし精密検査や入院治療を受けてもらうほうが良いと判断した場合は、循環器専門の病院を紹介します。

循環器系に特化したクリニックとしての強みを教えてください。

坂口好秀院長 坂口医院4

循環器系の検査機器を充実させており、常にアップデートを心がけています。例えば、デジタル式心電図、ホルター心電図、7日間ホルター心電図、各部位に特化したエコー検査、24時間自動で血圧を測定する機器など、多様な設備を整えています。足の動脈や静脈を調べるための特殊なエコー装置は、扱える臨床検査技師が少ないのですが、当院では、経験のある常勤の臨床検査技師が検査しています。循環器内科はさまざまな検査をして病気を鑑別するので、医療技術や設備に遅れがあってはなりません。そのため、講演会や研究会に積極的に参加している他、自ら企画もしています。第一線で活躍する先生方とのつながりを持つことで、講演だけでは聞くことのできない貴重な“生の情報”にふれる機会も得られます。常にアンテナを張り巡らし、最新の情報にふれながら、ネットワークを広げるよう努めています。

患者の症状や年齢、ニーズにきめ細かく対応

先生の診療スタンスを教えていただけますか?

坂口好秀院長 坂口医院5

患者さんは一人ひとり考え方が違うので、“良い医師像”というのも人それぞれです。例えば、きっちり敬語で話し説明も丁寧な先生が良い医師と考える人もいれば、友達感覚で気さくに接する先生が良いと思う人もいます。薬の処方でも、どのような特徴があって、なぜ飲む必要があるのかを細かく説明してほしい人ばかりではありません。そこで僕は、患者さんに合わせたオーダーメイドの治療を提供しています。例えば、超高齢の患者さんに対し必要な薬をすべて処方するのではなく、ご年齢や体調などに合わせて調整することもあります。また、同じ人でもその日の体調や気分によって求めるものは変わりますよね。体調が悪そうであれば、その日は要点だけを伝えて次回に丁寧に説明するなど、限られた診療時間の中で患者さんに合わせて物事を考えるようにしています。

患者さんの目線を大切にしておられるのですね。

クリニック全体で患者さんに寄り添っています。当院では新型コロナウイルスの流行時でも、受付も含むスタッフ全員が上から下までしっかりと防護対策を行い、かかりつけの患者さんの診療を続けていました。前身の産婦人科で病棟として使われていたスペースを活用し、発熱患者専用の動線を確保しました。発熱のある患者さんを診るために、発熱の外来専用の診察室と待合室を新設しました。そうすることで、軽い風邪のような症状の患者さんに感染症の検査の負担がかかりませんからね。発熱の外来診療は、現在も主にかかりつけの患者さんに対し提供しています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

坂口好秀院長 坂口医院6

当院は循環器内科に特化してきました。これからも同じ診療スタイルで、しかも新しい技術を常に提供できるクリニックであり続けたいと思います。日本においては50歳以上の2人に1人が高血圧だといわれています。しかも、その半分は治療を受けていないとも。おそらく高血圧だと自覚していない方も多いかと思います。ですから、ある程度の年齢に達したら、定期的に血圧を測る習慣をつけてほしいです。スポーツジムや役所、銭湯などにも血圧計があると思いますので、一度測ってみてください。そして、普段感じていない動悸や息切れ、胸の痛みがあれば、できるだけ早く検査を受けてもらいたいですね。

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